第210話 完全形態?
本日1話目です!
夜にもう1話上げてブレインパートはお終いです!
〜〜sideユウキ〜〜
「崩れるな…」
ゴゴゴゴゴッ……
俺と軍神の戦いの余波により、ダンジョンの耐久値が耐えられなかったのか崩壊が本格的に始まった。
「ご主人様、そろそろ脱出しましょう」
「やばいわよ!出口は何処にあるのよ!」
「ユウキさん!早く!」
3人が俺を急かしてくる。
「あぁ、わかったよ!では、軍神アルス殿…今度は本気の状態で相手をしてください!みんな、多分だがあの扉の先が怪しいぞ!」
俺は軍神に一方的に約束を取り付け、仲間たちを先導する為に、先に扉の奥を確認する。
軍神の横を通り過ぎる際…
「絶対に嫌だぞ……ッ」
と、ボソッと聞こえたんだけど何が嫌なんだろう?
まぁ、そんな事は置いといて扉の先は想像通り魔法陣が刻み込まれた台座が鎮座していた。
「魔力解析をする事ができないが、魔法陣の描き方が転移系統の魔法文になってるし大丈夫だろ!全員飛び乗れ!」
「本当に大丈夫なんでしょうね!?信じるわよ!」
俺の事を信じてくれてる3人に感謝しつつ、俺も台座へと飛び乗ると、魔法陣が白く発光し光り輝く。
そして、自分が転移される瞬間…
転移装置が置いてあった部屋の天井が崩落した。
あっぶな!!ギリギリだったじゃないか!!
心の中で自らの豪運を噛み締め、光が治まった為に目を開ける。
「ここは……?」
「ご主人様、此方はガノン様の邸宅の庭であると思われます」
「言われてみればそうですね!」
「という事はやっぱ犯人はガノンだったのね…」
「まぁ、でも……」
「「「「戻って来られて良かった〜」」」」
俺達は、芝生が綺麗に生えそろった庭に寝転がる。
久しぶりに見上げた空は、何処までも広がる青空だったのも相まってこのまま寝てしまいそうになる。
だが、戻って来た俺達にはやる事がある。
「パパーーーっ!!!」
「お兄ちゃんッ!」
「「ご主人様ーっ!!」」
「ユウキ様!!」
「先輩ッ!」
「「ユウキくん!!」」
そう…
俺達が帰還した事をいち早く察知したのだろう。
仲間達が目に涙を溜めながら此方に向けて走って来ていた。
「みんな!ただいまなのです!」
武器形態を解除したミスティがみんなの元へと駆け出す。
が、ほとんどがミスティを無視してこっちに突っ込んでくる。
「げっ……」
「「「「「「おかえりなさいッ!!!」」」」」」
「ぐはぁっ!?………た、ただいま」
俺に飛びかかって来たルビー、リン、シロナにモモ、リル…そしてひまりの6連撃を喰らった俺は、瀕死の状態になりながらもなんとかただいまという一言を絞り出す。
そして、みんなにスルーされたミスティはと言うと……
「うぅ……みんなひどいのです…」
「あはは、仕方ないよミスティちゃん…おかえりなさい」
「そうね…みんな凄く心配してたものね…」
双葉とローズに慰められていた。
俺が美少女達に埋め尽くされていると、隣に寝転んでいたリリア達からクレームが来る。
「皆さん!私たちも帰って来てるんですけど!?」
「そうよ!私にも抱擁をしなさいよ!」
「シロナ、モモ?ご主人様になんて事を…」
みんなでわいわいしていると、あぁ…帰って来たんだなと改めて実感する。
そんなに長い間離れていなかったが、それでも閉鎖的な空間で数日過ごしただけで、こんなにみんなと会えたのが嬉しいなんてな……
感慨深いなと思いながら飛びついて来た子達を撫でていると…
「ユウキ様、よくぞご無事で!」
「嬢ちゃん達もよく無事だったな!」
みんなに遅れてやって来たガノン殿とダミル殿が慌てた様子で此方へと走って来ていた。
「ちょっと!!本当に死にかけたんだけど!?ガノン!あんた四天王だからって許されないわよ!」
一言文句を言ってやろうと思い口を開こうとしたが、俺より先に鬱憤の溜まっていた一華の怒りが爆発した。
「そうですよ!私なんて何本も骨が折れたんですからね?痛かったんですよ!」
確かにリリアは竜の尻尾の一撃を喰らい、咄嗟に腕を十字にしてガードしたことによって、内臓の損傷は免れていたが両腕の骨が砕けていた。
ポーションを飲ませていなければ後遺症として一生腕が使い物にならなくなってた可能性もあるし、文句を言いたい気持ちもわかる。
だが、S級上位の竜種の本気の一撃を喰らって腕の骨2本で済んだのは、普段のリリアの特訓の成果だと言えるだろう。
「……その事についてお話がございます。ですがまず先に、この度は危険な目に合わせてしまい本当に申し訳ございません。意図せぬ事とはいえ、危険に晒してしまったのは私の不手際です」
「謝罪を受け入れるから頭を上げてくれ。それよりも話を聞かせてくれるか?」
「……はい。では、皆さま応接室にご案内します」
俺が謝罪を受け入れた事により、一華とリリアも一先ず静かになる。
そして、重い体(疲労では無い)を無理矢理持ち上げ、ちびっこ達が体に張り付いたまま移動を開始する。
リンとひまりが移動すると聞いて直ぐに起き上がってくれたおかげで、ルビーを肩車、モモとシロナを片腕で抱っこし、リルは正面からぎゅっと抱きついて来ていたので、風魔法で身体を支えてやる。
「……何という無駄な技術。先輩、今度私もおんぶしてくださいね?」
「ん、私はお姫様抱っこ」
「なっ!?そ、それなら私もお姫様だっこ…もにょもにょ…がいいでふ!」
後輩よ、恥ずかしいのはわかるが何言ってるかわからんし噛んでるぞ
「それにしても疲れたわね。早く話聞いてゆっくり寝たいわ」
「そうですねぇ…私はちゃんとしたユウキさんのご飯を食べたいですね〜」
「リリア…一応言っとくけど、ユウキも私たちと同じ状態だと思うわよ…?」
天然食いしん坊残念王女であるリリアは、自らの空腹を満たす為なら、彼氏である俺すらも鞭を打って働かせるのだ。
まぁ、別にダンジョンを出たおかげでスキルや魔力、神威なんかも復活してるから肉体的な疲れは消えたんだけどな。
それでも今日ぐらいはゆっくりと休ませて欲しい…というよりもこの子達の甘え方からして、今日は一日一緒にいてあげないとダメだろうしな。
「リリア、今日は俺は作らないよ」
「そ、そんなっ!?」
この世の終わりを目撃してるかの如く驚いているリリアに、仲間達が白けた目を向けているが、当の本人は絶望している為気づいていない。
「お待たせしました。此方はどうぞ」
おっと、どうやらこの部屋で話をするようだな。
リリアの残念な醜態をこれ以上晒す事が嫌だった為、さっさと部屋へと入りソファーへと座る。
「……一旦離れない?」
「「「「いやっ!」」」」
「……仕方ない。ガノン殿こんな状態ですまないが話を聞かせてくれないか」
「あ、あはは…お気になさらず…それでは、何が起こっていたのか説明させてもらいますね」
次の更新は今日中になります!
いつの間にか50万pv突破してしました!
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