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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
第5章 魔王との出会いは平穏な日々の終わり
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第206話 絶望の女神

 



 〜〜sideユウキ〜〜




「もう疲れました…私はここで死ぬんですね…」

「立ち上がりなさいリリア!!ゴールはもう直ぐそこよ!」



「「………」」


 なんか寸劇が始まったぞ…?



「一華さん…私の事は放っておいてください…」

「そんな事できるわけないでしょう!?」


「いいんです…私はここで敗れ、このダンジョンに吸収されるんです…」

「リリア……ダメよそんなの…」


「ガクッ……」

「リリアーーーーッ!!!」



「……死んだ?」

「死にましたね」


 俺とフェイトが壁際にもたれかかりながらリリアと一華の寸劇を白けた目で見つめていると……



「リリア…貴女の事は忘れないわ……」

「………」



「まだやんのかよ…」

「あの2人実は余裕なのでしょうか?」


 割と疲弊しているフェイトは2人の事を若干だが、尊敬の念が宿った目で見ていた。


 だが、次の一華の言葉で俺は今日一番の恐怖を感じることになる。



「リリア……貴女が隠していたユウキの匂いの染み付いた服や隠し撮りした写真は私が貰っておくから安心して眠るのよ…」

「……!?!?な、なんで一華さんがその事を!?」


「この前リンと一緒にリリアの部屋に忍び込んで、ユウキの私物が無いかガサ入れしたら見つけたのよね。余りにもヤバかったからリンと秘密にしておいたわ」

「今言っちゃってますよ!?しかもユウキさんそこにいますからね!?ほ、ほら!!見てくださいあの顔!!」



 リリアが俺を見て顔を引き攣らせながら後ずさる。


 だが、ここはボス部屋前の最後の安全地帯……その面積は6畳間程しか無いため、逃げ場など無いのだ。



「リリアさん……」

「ユウキさん…?そ、そんな余所余所しく話しかけなくても…」


「あっ、名前呼ばないでもらえますか?」

「ひゅっ………」



 俺の演技がクリーンヒットしたようで、リリアはそのまま白目を剥いてぶっ倒れてしまった。


 一国の王女が白目を剥いて気を失う姿はまさに衝撃映像…だが、リリアだと珍しく感じないのがリリアのこれまでの行いと、残念キャラを際立たせていた。



「……ご主人様?リリアさんをこのまま捨てていきませんか?」

「フェイト…あんた冗談ならもう少し冗談っぽい顔で言ったら?」


 一華の鋭いツッコミにキョトンとしたフェイトは、真顔で…


「本気ですが?」


 と答え、一華を無言にさせていた。



 と、前置きが長くなったがそう……


 俺達は3日間かけてようやくボス部屋らしき扉の前へとやって来ていた。



 らしきと曖昧な表現なのには訳があって、これまでの道中…


 何度かボス部屋じゃね?と思うそれなりに豪華ないかにもな扉の前で休憩し、いざ部屋の中に入ると……



 全てモンスターハウスだった。



 ゴブリンキングが所狭しと居るむさ苦しい部屋を始め、オークキング、死霊の騎士、ドラゴン、キマイラなどなど…



 Sランク以上の魔物が当たり前だろ?と言わんばかりの頻度で、それはもううじゃうじゃ出て来た。



 そして死に物狂いで全ての部屋を確認し、ここが最後の一つなのだ。



 今の所目立った怪我は無いが、かすり傷や骨の一本や二本は俺以外は折れたんじゃ無いかな?



 ドラゴンの尻尾に弾かれたリリアを咄嗟にフェイトが受け止めてなければ、今頃リリアは天国に旅立ってただろう。



 割と何度もピンチを迎えてたけど、なんとかここまで来れた……


 後は、全員の気力が回復するまで休んでからボス戦だ!と休憩してる途中で謎の寸劇が始まり、リリアが気絶した。



 ってか、冗談ぽく言ったが割とガチで引いてるんだよね……


 俺の匂いの染み付いた服ってなんだ!?

 確かに洗濯物から俺の服が無くなってるってフェイトが報告に来てたが気のせいじゃなかったのか……



 この変態王女は後でお仕置きするとして、今は気絶とは言え眠ってるリリアはそっとしておく。



「一華とフェイトも仮眠取りなよ?この先に何が待ち受けてるかマジでわからないからさ…」

「それでした私よりもご主人様が休まれる方が良いかと。戦力的に考えてもご主人様が完璧に近いコンディションで無いとどちらにせよ全滅は避けられないのでは?」

「そうよ。ユウキこそ人一倍疲れてるんじゃ無いかしら?私達が遭遇した魔物の8割ユウキが倒してるのよ?」



「俺はまだまだ大丈夫だぞ?寧ろこのダンジョンを後でソロで来ようかな?と思うくらい楽しんでるけど…」

「「ダメだ…やっぱおかしいこの人…」」


「俺、君たちの恋人だよね!?」




 この後、一言二言会話して俺が見張りをやる事を承知させ、渋々といった様子を隠す事なく、眠りについた2人を眺めながら俺はある事を考える。



(ミスティ?このダンジョンなんだけど、あいつが関与してると思わない?)

(あいつです?ってどいつなのです?)


 俺は警戒を解けないため、武器の形状を維持したままのミスティと念話で会話する。


(ほら、俺がこんな事になってるのにも関わらず、なんの反応も示さない奴がいるだろ?)

(!?!?あーーっ!!わかったのです!)


 俺の言いたい事が分かったのだろう。

 念話で叫ぶという器用な事をしているミスティが犯人の名を告げる。



(駄女神のイブなのです!!)

(そう!そのクソ女神だ!!!)


 そもそもこんな難易度のダンジョンを俺以外が攻略できる訳がない。


 更に言うなら、俺の実力を間近で見た事のないガノン殿がいきなりこんなクソ難易度ダンジョンを作る訳ない。とは言い切れないが、限りなくゼロに近いだろう。



(魔物の難易度がおかしすぎるからな流石に……きっと俺が慌てふためく姿でも見て楽しもうと思ったんだろうな?)

(馬鹿な女なのです!後で泣いて謝っても遅いのですよ!)



 くっくっく……ここから出たらとりあえずマリアさんに神界に招待してもらって、イブを捻り潰しに行こっと。


(ちょっ!?ごめん!!謝るから!!ゆる…)


 おっと、何か聞こえたような気がしたが間違えて念話切っちゃったなー(棒)




 その後はボス戦の時間までミスティと新技について語り合い、その時を迎える。




「よし、みんな準備はいいな?」

「はい!!なんで寝てたのか思い出せませんが…おかげで頭はスッキリしてます!」

「……え、えぇ!もちろん平気よ!さっさと倒して双葉が入れてくれたお茶を飲みたいわね」

「私も大丈夫です。さっさと終わらせてしまいましょう」

(皆頑張るのですよ!私も頑張るのです!)



 全員気合十分、俺はそれぞれの顔を覗き込み疲れの色が残ってないかを確認し、扉に手をかける。



「顔色も大丈夫だな!行くぞ!」

「「「おぉ!!」」」



 俺は重く錆びついた扉を押し広げる。



 さぁ、いよいよ最後の試練だ。


 どんな強敵が出るか楽しみだ!!












次の更新は明日…更新できるか微妙なので、一応明後日と言っときます!!


余裕あれば明日の0時頃更新します!

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― 新着の感想 ―
[一言] スキル使えない生身状態でドラゴンの尻尾に弾き飛ばされて骨の1、2本?で済んだるって十分おかしいからなリリアの肉体強度もw 次回!駄女神死す!デュ○ルスタンバイ!
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