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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
第5章 魔王との出会いは平穏な日々の終わり
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第202話 秘奥義を見よ!!

 


「だぁぁぁああ!!!くそっ!!キリがねぇ!!西音寺流抜刀術 中伝 白凪ッ!!!」


 俺の振るった刀が三体のゴブリンキングの首を刎ねる。


 そう、ゴブリンキングの首を……



「ユウキさん!!今度はオークキングとオークロードの亜種の群れがッ!!!」

「本当になんなのよもうッ!!!倒しても倒しても次から次に現れるじゃない!!」

「ご主人様!!一旦退却した方がよろしいのでは!?」



 今度は豚かよ!!俺の周りには倒したはずの魔物の死骸はおろか、ドロップアイテムすら転がっていない。


「くっそ…いくら倒しても何もドロップしないなら損でしかないぞ!!」



 最初に遭遇したゴブリンオーガの亜種……


 そいつと戦っていると戦闘音に呼び寄せられた魔物達が次々と湧いて出てきたのだ。


 しかも、Sランクの魔物が群れをなして出てくるその光景にリリアがガチ泣きしながら戦っていた。



 今も…

「ふぇぇぇえええ!!こんなの無理ですよぉ〜!助けてユウキさんんんんんんっ!!!」


 っと、こんな感じで泣きながらも敵を倒しているのだから見事なもんだ。



 そして、一番理解できないのが魔石すら落とさない事。



 魔石と言われるものは基本的にダンジョンでしか入手することができない。


 ダンジョン外で出てくる魔物達との違いは、ダンジョン内に漂う魔素の濃さだろう。


 もちろんペリドットの奥地にあった龍穴の祠の付近は中々に魔素が濃かったが、それでもダンジョンの内部に比べると天と地ほどの差がある。


 そしてこのダンジョンには魔素が殆ど存在していない。



 何故なのか…


 俺は次から次に湧いてくる魔物を蹴散らしながら思考を重ねた末にたどり着いた結論。


 それが、このダンジョンは人の手によって人為的に作られたものである。


 と言う事だ。


 もちろん人というのは魔神族も含めるのだが、俺の中ではこのダンジョンを作った人物に目星をつけていた。



「……ガノン殿、このダンジョンを抜け出したら覚えておけよ……」



 そう、このダンジョンの作成者は十中八九ガノン殿だろう。


 詳しい意図までは分からないが、このダンジョンに潜った奴が出て来られることはないだろうからな…十中八九死ぬ。


 それが、俺の感じていた矛盾だ。


 それに自らのスキルを教えてこなかったのもこのダンジョンに関する何らかのスキルを所持しているのだろう。



「ご主人様!!判断を!!」

「ユウキ!!」

「ユウキさん!!」



「3人とも戦いながら俺の後ろに来い!!」


「「「了解!!」」」



 俺は小部屋の角に陣取り、その背後へと3人を庇う。


「ちょっと!?大丈夫なの!?これじゃユウキだけ戦う事になるわよ!?」

「休憩ならいりませんよ!?私も前に出て戦います!」

「ご主人様…?何かお考えがあるのですか…?」



 背後へと庇われた3人が俺を案じてくれているが、何も問題は無い。


 寧ろよく見ておいて欲しいな……



 西音寺流が世界最強の流派だという事を……



「いいか3人とも…今からこの部屋を安全地帯に変える。だから少し静かにして俺のことを見てろよ?」


「な、何をするつもりなのか知らないけど信じるわ」



 3人を代表してなのか一華だけが返事を返し、それ以降は後ろでじっと俺の動きを3人で見ている。



(マスター?大丈夫なのです?)

(あぁ、何も問題は無いよ)



 ミスティからも念話で心配されてしまったが、上手く誘導できているから何も問題は無い。



 人が1000人程入るであろうこの部屋に所狭しとSランク越えの魔物が犇めいている。



 普通ならこの光景を目にしただけで戦意をそがれ、命を手放してしまいそうなものだが、俺は逆にこの状態を望んでいた。



 何故なら、視界の端に見えるこの部屋への入り口は二箇所あるが、先程まで魔物を倒す毎に現れていた魔物の影が無くなり、この部屋にいるのだけになっていたからだ。



 俺の予想が正しければ、この付近の魔物は呼び寄せられ尽くしたのだろう。



 なら、コイツらが他の魔物を誘き寄せないうちに全体纏めてぶちのめせばいいだけだろ?




「陣形は整った。今から見せるのは西音寺流の奥義の一つだ。よく見ておけよ?」


 俺は敵の攻撃を受け流しつつ、自分の都合の良い場所へと各個体を誘導し、その時を待っていたのだ。



「西音寺流奥義 血無の陣……そして…西音寺流抜刀術 秘奥義 虚無



 本来ならばこの奥義は仲間とともに使うのだが、あいにく西音寺流の全てをマスターしてるのは俺一人…いずれはリリア達にもマスターして欲しいのだが、今は仕方ないよね?



 そして……




 チンッ……



 俺が刀を納刀する音が部屋へと響き、一拍置いてリリア達がキョトンとして俺を見てくる。


「あ、あのユウキさん?何故刀をしまったのでしょうか…?」

「しーっ!リリア静かにしないとダメよ!ユウキが集中できないじゃないの!」



 俺に話しかける事を我慢できなかったリリアが恐る恐ると言った様子で俺に問いかけてくるのだが、刀をしまう理由なんて一つしかないだろう?



「そりゃもちろん、この部屋での戦いが終わったからだよ?」

「「「えっ?」」」


 3人揃って口をぽかんと開けている。

 写真撮りたいなぁ…



「で、でもまだ魔物が…」

「そ、そうよ!まだ1匹も倒れてないわよ!?」

「ご主人様?諦めたのですか…?」


「いやいや、君たちよく見てみなよ?気が動転してるからか状況判断能力が落ちてるんじゃないか?」


 俺の言葉にハッ!!となった3人は武器を構えつつ魔物達に視線を向けている。



 そして俺が何をしたのかを理解したのか、今度は俺の方を見て顔を青ざめさせていた。



「ゆ、ユウキ?私の目にはあの魔物達が動きを止めているように見えるのだけど…気のせいかしら?」

「奇遇ですね一華さん、私の目にもそう見えてます」


「そりゃそうだ、全魔物の討伐が終わったからね。ほら」



 俺が合図するように指を鳴らすと、この部屋にいた全ての魔物の首が地面へと吸い込まれるように落ち、先ほどまでと同様に胡散し跡形も無く消えていった。



 その光景を見て、余計に絶句している3人をとりあえず放置して俺はこの部屋への出入り口に幻惑魔法をを付与した札を通路の壁に貼り付ける。



 こうする事によって、部屋の外から来た魔物の脳が勝手に俺らの姿を映し出さなくしてくれる。



 更に追加で、身体を休められるように部屋のコーナーを使い結界装置を作動させ、万全を期す。



 とりあえずこれで大丈夫だな。



 そう判断した俺は3人に振り返る。


「よし、しばらく休憩しようか」


「「「先に説明を」」」


「アッ、ハイ…」






次の更新は明日の0時頃になります。、


今更ですが話数でも200越えましたね……

1話1話が短いので何とも言えませんが、それでも結構書いたなって気になりますw


これからも応援よろしくお願いします!!


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