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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
第5章 魔王との出会いは平穏な日々の終わり
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第201話 人生最大のピンチな予感

今週中はブレインに留まりそうです…と先に言っておきます!

 



「と、とりあえず私の案内はここまでです。この先は足手纏いになると思いますので…」


「気にしないでください。ここは俺たちに任せてガノン殿は大船に乗ったつもりで帰りを待っててください」

「そ、そうです!私達なら大丈夫ですよ!」

「そ、そうね!私達に任せておきなさい!」



 一瞬だけ気まずい雰囲気になったのだが、ガノン殿が先陣を切ってくれたおかげで話が再開された。


 そして、俺たちを残し来た道を引き返して行ったガノン殿を見送り、俺達はダンジョン内部へと侵入しようとした。




 だが、その前に……




「とりあえずダンジョンに潜った後……リリア達には話があるから」

「「ひゃ、ひゃいっ!」」


「ご主人様に秘密にしていたバチが当たったのです」

「いや、フェイトもね?」


 俺がジト目でフェイトを見ると、一瞬目を見開き、そして次の瞬間には何故か表情をうっとりとさせ恍惚の表情を浮かべていた。


「あ、あんたなんて顔してるのよ……」

「フェイトがものすごく気持ちの悪い表情をしてるのです…他人には見せられないのです…」


 一華とミスティがフェイトから一歩退く…それ程までにやばい顔をしている。


「フェイトさん……?」

「あぁ、ご主人様まで引かないでください…私はただご主人様にお仕置きしてもらえるのが嬉しかっただけなのです…」

「いやいや、それも十分やばいですよ?」


「でも、そう言うリリアもたまにやばい時あるのですよ?おまいうってやつなのです!」

「み、ミスティちゃん!?いくらなんでもこんな……ゆ、ユウキさん!!私ここまでじゃないですよね!?」

「いや、リリアは常日頃から今のフェイトと同じぐらいやばいから安心しろ」

「全く安心できないんですけど!?」



 ギャーギャー騒ぎまくるリリアと妄想に浸ってるフェイトを捨て置き、俺は2人に引いている一華とやれやれと肩をすくめているミスティと共に先にダンジョンの中へと入る。



「へぇ…明らかにエメラルのダンジョンとは空気感が違うわね…」

「肌がピリピリするのです…武器形態になっとくのです!」

「そうだなミスティ、モード刀で様子見るぞ」

「ラジャなのですっ!」



 ここ最近はおしゃべり要員と化していたミスティを武器形態へと変化させた俺は、辺りを警戒する。


「もぉ!なんで置いてくんですか!」

「そりゃ、リリアの緊張感が無いから置いてこうと思ってな?こっから先私語は慎めよ。死ぬぞ」


 俺が普段とは違い、マジな雰囲気を醸し出すとそれを見たリリアは一瞬で表情を真面目なものへと変える。


 フェイトもでへへ…っと乙女らしからぬ気持ちの悪い笑みを浮かべていたのだが、一瞬で普段のクールな表情へと切り替わっていた。



「なに、そんなにヤバいの?」

「あぁ、とりあえず言えるのはこのダンジョンは転移魔法禁止空間にされてるみたいだな…それと、後ろを見てみろ」



 俺の発言にマジで?と焦った3人は俺に言われるがまま後ろを振り返り顔を青くしている。


「ね、ねぇ…い、入り口が消えてない……?ちょ、ちょっとどうするのよ!転移もできないし入り口も消えるなんて…」

「黙りなさい一華、ご主人様が居るのです。この程度の事でいちいち狼狽えるのは良しなさい」

「で、ですがフェイトさん…この先でユウキさんと分断されるような罠があったら…」

「………ご主人様、私と手を繋いでおきませんか?」


「「おい!!」」



 一瞬で顔を青くしたフェイトが血迷った事を言い出した……


「手を繋ぎたいのは山々なんだが…残念なお知らせがもう一つあるんだよな」

「な、何よ…」

「聞きたく無いです…」


「索敵も気配察知も使えんし、五感も鈍らされてるし、神としての権能も使えないし、イマジンリアリゼーションも使えないんだけど…これがどう言う意味かわかる?」


「「「………大ピンチ?」」」

「ザッツライト!正解だ」


「えっ、てことはですよ…あぁ!やっぱり私の魔法も使えなくなってます!!」

「わ、私のスキルも使えないじゃない!」

「困りました。私のスキルも封じられてます」



 俺たちは旅が始まって以来、最大のピンチを迎えようとしていた。



「まぁ、助かったのは幻想の指輪が使えることだな。これがあれば食料や武器なんかはなんとかなるだろ?」

「…最悪は免れたってわけね」

「で、ですが魔法が使えないとなると身体強化魔法も使えないと言う事で、そんな状態で魔物を相手取るなんて可能なのでしょうか…」



 確かにリリアの心配はもっともだ。

 何故なら俺たちはこのダンジョンにどんな魔物が潜んでいるかを全く知らないのだからな…



 唯一知ってるのが最低でもAランクの魔物が群れで襲ってくると言うことと、Sランクの魔物もウヨウヨいると言うことだけだ。



 ……結構詰んでね?



「まぁ、とりあえず先へ進もうか…入り口=出口だし、最奥に進まない事には何も解決しないからな」

「了解よ…いのちだいじにで行動しましょう」


「……なんですかそれ?」

「俺たちの世界にあった有名な冒険小説みたいなものだよ。その中の主人公が仲間と行動するのに、回復役に常に回復をさせてる状態のようなものだ」

「よくわかりませんが、魔法が使えないという事は回復魔法も例外ではないのですよね?ご主人様、回復薬のストックはどれくらいありますか?」



「うーん、多分1人頭100本ずつは常備してあるから…1800本エリクサーを作ってあるし、即死しなければどんな怪我も治せるから安心してくれ」


「エリクサーの価値が暴落しそうな数字ですね……まぁ、ユウキさんなので今更驚きませんが」




 こんな事をコソコソと話しながら歩いていると……



「止まれ、第一村人発見だ」

「村人じゃなくてゴブリンオーガの変異種ですよ…?因みにゴブリンオーガがBランクの魔物で変異種になるとA +ですね…」

「それが群れで10体……ヤバいわね」

「そうだな…とりあえずリリア達は3人でお互いを守りあってくれ。俺は一人で暴れ回るからさ」


「大丈夫なの?」

「ん?当たり前だろ?そもそも俺が普段使ってる魔法って雷魔法ぐらいだからな?それも強敵との戦いでのみだから」



 俺の緊張が解れたのか、3人とも落ち着いた表情を取り戻していた。



「そんじゃ、とりあえず駆逐しますか」


「はい!一華さん、フェイトさん背中は任せました!」

「任されたわ!サポートは任せなさい!」

「右に同じです。風穴開けてやりましょう」



 俺たちの声に反応した群れが此方を振り返り、武器を構えていた。




「さて、縛りプレイにも程があるが…せいぜい俺の糧になってくれ!!」



 こうして、ブレインに突如としてできた謎のダンジョン……


 そこでの初戦闘が始まるのであった。





 しかし、この時の俺は気づいていなかった。


 このダンジョンの矛盾に……





次の更新は明日の0時頃になります!



もしかしたら夕方に1本あげるかもしれませんが、明日の僕のやる気次第です…

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