第196話 魔族の街
眠気と戦ってた為少し短めです…すみません…
エメラルを旅立ってから早2週間…
俺たちはようやく魔族領第一の街、ロンギスへとやって来ていた。
「んー!長かったわね!」
「本当だな…2週間真面目に馬車で移動するなんてなかったからなぁ…」
街について思った事…
それは人族が一人もいないと言う事だ。
魔族領の人口はおよそ5千万人……
そのうち人族は1万人にも満たないらしい。
その為、人族が魔族領にいる事が珍しいのか周りの人達にジロジロと見られている。
「ところでダミルさんに聞きたいのだけど…宿とかってあるのかしら?」
「あぁ、ローズ殿…それはもちろんあるぞ?何も旅をするのが人族だけではないからな!」
「あっ、そういえばそうですよね!ついでに聞いておくとお金とかは人族と同じ通貨を使ってるんですか?」
「おう!基本的に同じ物だな!なんでも、過去に召喚された勇者が世界中の通貨を同じものにした方が便利だと国中を駆け巡ったらしい。まぁ、中にはそれを断った所もあるみたいだが……」
へぇ…なるほど。これはいい事を聞いたな。
でも何故その勇者は通貨の統一なんてしようとしたんだ?確かに一々換金する手間が省けるのは助かるが……
「通貨も一緒ですが文化とかも人族の国と変わりなさそうですね…」
「ん、人以外はあまり変わらないね」
「私はがっかりなのですよ…もっと魔境的なのを想像してたのです…」
ミスティが何故な発言をしてるがリリアもリンも相手にしていない。
ミスティは誰に似たのかたまに訳のわからん事を口走る事があるんだよなぁ…本当、誰の影響だ?
(そんなのユウキくんに決まってるじゃん!)
……久しぶりに喋ったと思ったらそれか。余程ハリセンで吹っ飛ばして欲しいようだな…
急に頭の中に話しかけて来た駄女神ことイブを次に神界に行った時にぶちのめすと心にメモを施し、ダミル殿の案内で爵位持ちの魔族がよく泊まると言う宿に向かう。
因みに魔族領でも貴族制度はあるようだ。
だが、例えば侯爵だと魔侯爵と魔の文字が頭文字につくらしい。もちろん他の爵位もしかりだ。
それを聞いたミスティが瞳を輝かせながら「魔侯爵!!カッコいいのですっ!!」と鼻息荒く、興奮気味に叫んでいたのがヤバかった。
魔族の方々がさっと遠ざかったのは、きっとヤバい集団だと思われたに違いない。
「それでユウキ殿、今日の予定はどうするのだ?俺はこれからこの地を収める魔公爵に話を通しに行ってくるが…」
「うーん、確か魔王城に辿り着く為には四天王を倒さないと行けないんだよな?」
俺は転移初日にアメジスティア国王であるエギルが説明していたのを思い出す。
「その通りだな!ここから一番近いのは知将が収める街……ブレインだ!」
「いや、そのままだな!?敵にその街に魔王軍の幹部が居るってバレバレじゃんか!」
「ガッハッハ!まぁ、奴なら何が来ても追い返すだろうさ!それだけ四天王という存在はとてつもないという事だ!」
「ま、まぁ…ひとまず目的地が決まったのはいい事だな!」
「であるな!では、俺は挨拶に行ってくるぞ!3日後にここに戻って来る。そしたらブレインまで進むとしよう!」
「了解だ。ではまた3日後」
宿屋のエントランスに設置されていたソファーで寛ぎながらダミル殿と予定のすり合わせをし、3日後に再出発と決め、俺たちは別れたのであった。
因みにみんなは部屋でお着替え中です……
この宿に来る途中で魔神族が好んで着用する洋服が売っていたので。それを人数分購入した。
更にはその服に認識阻害魔法を付与し、魔神族からの好奇な視線を受けずに済む。
宿の従業員から受け取った地図と同じように渡されたコーヒーを啜りながらみんなの着替えを待つ事10分…
因みにダミルさんとの打ち合わせは20分ぐらいしていた……女の子の準備は時間かかるからなぁ…とぼーっと待っていると…
「お待たせ〜、あまり来慣れない服だったから手間取っちゃって……」
「大丈夫だぞ双葉?それによく似合ってて可愛いよ」
「ちょ、ちょっとユウキさん!私の事も褒めてください!」
「リ、リルも見て欲しいです!」
「うん、2人とも可愛いね?闇堕ちしたヒロインって感じで素晴らしい!」
「「……それって褒め言葉?」」
「もちろんだ!!」
ダークカラーのヒロインとかって萌えるよな!?えっ、俺だけ…?
まぁ、それは置いておいて…みんなをザッと見回すと似たような色合いの服を着ていた。
もちろん細部は違うのだが、魔族が暗めの服を好むのか黒を基調とした服が目立つ。
「パパー?ルビーはー?ルビーは可愛くない…?」
「そんな事ないさ!ルビーは世界一可愛いぞ!この服もとっても可愛いよ?」
服の色合いに自分なりの見解を推理していると、ちょんちょんと袖をひいて来たルビーを抱き上げて褒めてあげる。
その流れで全員にそれぞれ感想を言い、みんなが満足したところで一度フェイト達を迎えに行く。
……しまった。先に迎えに行くべきだった!
フェイト達を迎えに行った後、案の定着替えタイムが始まり、またしてもエントランスのソファーでぐで〜と待つ事になる。
まぁ、今回はリリア達が一度着たおかげで着方をレクチャーしてくれたみたいで、10分程度しか待たなかったんだけどね…
フェイト、シロナ、モモの三人にもそれぞれ感想を伝え終えた俺たちは、とりあえず宿の外へと出る。
「それじゃ、魔族領にせっかく来たわけだし…ご当地の料理とかその他諸々を見て回りますか〜」
「賛成〜!」×全員
仲間達がきゃっきゃうふふしたがら歩く光景を後ろから眺め、魔族の男どもが不埒な真似をしないかを見張る。
……俺は買い物中は基本的にボディーガード件荷物持ちだからな…
絶対に誰にも指一つ触れさせはしないぜ!!
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