第193話 魔族領へ 1
眠気との戦いにより短い&誤字あるかも?です…
「ふえぇ〜先輩暑いですぅ…日本の夏レベルで暑いですよぉ〜」
「ひ、ひまり頑張るのですぅ〜、マスターいつになったら涼しくなるのです…?」
馬車の荷台でぐでぇ〜と伸びた仲間達…
エメラルを旅立ち俺達は魔族領目指して旅を進めていた。
かれこれエメラルを旅立ち3日が過ぎた。
予定では最初の町まで2週間程度の道中とのこと……なかなか遠いが仕方ない。
それに、一つ目の町から魔王が収める町までは8日程度で行けるとのことだし…
スムーズに行けば、トータルで約一月程の旅になるみたいだ。
「うーん、暑いって言ってももう真夏日は終わってるぞ?今だって34℃しか無いし…」
「ユウキ様は感覚がおかしいです…リルはお城では26℃前後で室温が調整されてたので、この暑さはこたえます…」
あー、確かに王宮育ちの子達はキツいかもね…
でも、日本の猛暑で鍛えられてる筈のひまりを筆頭に一華も双葉も伸びている。
てゆうか……全員に体感温度を一定にする魔法を付与してる筈なんだよなぁ…?
即ち、コイツらが伸びてるのは気分の問題だってことで……
「うぅ…お家でゴロゴロしたい……」
……暫くエメラルで快適な暮らしをしていたせいで完全にだらけてるだけなのだ。
「あなた……なんで転移で家に戻らないのかしら?当初は戻る予定だったわよね?」
「ん?あぁ、その通りだな……」
「それでは何故戻らないのでしょうか?」
「リル、今のコイツらを見てどう思う?」
「え?皆様をですか……?えっと……」
俺の問いに真剣に考えているのか伸びている仲間達を見て、リルははっ!とした表情を浮かべて答えを口にする。
「…わかりました!クズ、ですね!」
「大正解!!そんなリルには特製かき氷パフェを進呈しよう!」
「わぁ〜!ありがとうございます!」
「ん、私も耐えてる」
「ルビーもー!」
「そうだな、んじゃ特別に2人にも上げよう」
「やった」
「わーい!んーっ!!つべたいっ!美味しい〜♪」
御者を担当してくれているダミル殿にも差し入れをすると、大袈裟に喜んでくれた。
この旅には魔族であるダミル殿にも同行してもらっている。
俺たちだけだと魔族領には辿り着けない。
各国の王との会合の際、魔族領だけは人族だけでは入ることができないらしい。
何故なら魔族以外には景色が違って見える為、道に迷ってしまうのだとか…
魔族がパーティにいない冒険者たちは諦めて引き返し、人族の旅商等も必ず魔族と共に行動するのだ。
かと言って魔族がそこら辺にいるかと言われたら居ない。
俺もダミル殿と遭遇するまでは、一度も魔族を見たことはなかったくらいだ。
「マスタ〜?私たちにも寄越せ〜なのです〜」
「先輩〜、贔屓はんたーい」
「そうだそうだ〜」
「差別はダメですよ〜」
上から順にミスティ、ひまり、一華…そしてリリアのぐーたら4人衆だ。
因みにフェイトとシロナ、モモのメイド達は結局屋敷に残ってもらった。
というのもリルとダミル殿が旅の仲間に加わった事により、想定していたよりも馬車が狭かったのだ…
ダミル殿に至っては、1人で2人分の質量がある…
3人には申し訳ないが……
まぁ、夜とかはこっちに呼んで一緒にご飯を食べてるんだけどね…
因みに、みんなには内緒だが俺とルビーは、屋敷に戻って寝ている。
そしていつも寝床に侵入してくるリンにもバレたので、普通に屋敷のベッドでシロナとモモも加えて絵本を読んでから寝ている。
この事実は誰にも知られてはならないのだ……
俺は心を鬼にしてこのだらけきった仲間達を元の姿へと戻す必要があるのだ!!他意はない!
「はぁ…しっかし暑いわねぇ…家でゆっくり温泉に入りたいわぁ〜」
「そうだね…そこはお姉ちゃんと同意見だよ〜」
……ちょっとくらい多めに見てやるか。
「そしたら今日は一旦屋敷で休憩するか…まぁ、進めるとこまで進むけどな」
この俺の言葉に目を輝かせる仲間達。
「さぁ!ダミルさん!!もっと早く進みましょう!!」
「うげぇっ!?これ以上は無理だ!!」
リリア、ローズ、一華に双葉、リル…5人に急かされる哀れな男ダミル……
旅を始めてから召使いの如く、一応客人とも言えるダミル殿をコキ使う嫁達に羨望する。
人を使うのが上手い…というよりも脅すのが上手いと言った方がいいのかな…?
そういった事が苦手なひまりだけは、這いつくばりながら俺の膝の上に頭を乗せる。
「ふへぇ…先輩の膝枕〜」
「…需要低くないかそれ?それよりも暑苦しいんだが?」
「我慢してくださ〜い、可愛い可愛い後輩の為ですよー?」
「……自分で可愛いってよく言えるな?まぁ、実際可愛いんだけどな」
俺が素直な気持ちをありのまま伝えると、耳を赤く染めたひまりは、俺の視線から逃れるように反対を向いてしまった。
でも、耳が真っ赤なので恥ずかしがってるのは筒抜けである。
そして右隣にリン、左隣にリルが侍り…ルビーは妖精モードになり俺の頭の上ですやすやと寝息を立てる。
ただ1人だけダミル殿に無理難題を突き付けず、ましてや俺のそばに寄ってくることもなく、最初の体勢から全く動いていないミスティ……
「…そんな事よりもリリア達の煩さの方が余計暑苦しいのです……」
「それは絶対に口が裂けても言っちゃだめだぞ?」
ギャーギャー騒いでるリリア達は確かに生きる騒音発生機のような存在……
はぁ、この騒々しさがいつまで続くのだろうか……
あっ、因みにダミル殿にはいつも迷惑をかけているので、お詫びのつもりでみんなと同じ魔法の付与されたインナーを上げた。めっちゃ喜ばれたけど、ものの15秒程度で作ったものを褒められると何か申し訳ない気持ちになるのだから不思議だよなぁ…
次の更新は明日の0時頃になります!
ようやく旅がスタートした…
感想にて全話のユウキやりすぎじゃね?という一言をいただきました…ので説明になるかわかりませんが…
一応補足すると
ディルクレーのメイド姿→ユウキの命令によって、会議中に決められた罰ゲームを1ヶ月実行しなくてはならない。
空いている玉座→ディルクレー本人が既に王位を譲るつもりで座らなくなっている。
リルの誘拐?→ディルクレー自ら連れてってくれと頼んでいるので大丈夫です!
ディルクレーのメイド姿が誰得なの?と思う方いるかもしれませんが、一国の王ですらユウキの命令には逆らえないという構図が今後のストーリーに深く関わってくる(?)ので、描写として書いた次第です…まぁ、有言実行がユウキのモットーなので!
深く考えないでくださいね!!w




