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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
いざダンジョンへ!〜運命の分岐点〜
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第178話 謝罪案件

 



 さてと…とりあえずディルクレーをボコしてやるかな〜


「先手は譲ってやるよ?かかってこい」


「舐めやがってッ!!後悔するが良い!!ハッ!」


 おっと、見た目がゴツいから力任せの剣技かと思いきや意外と繊細で細かい動きだな…ギャップ萌えでも狙ってんのか?


 だが、国王に即位した事で実戦に赴く回数は激減したんだろうか…動きに無駄が多いな。



「くっ!コレでッ!どうだッ!!」


「おっ、今のはなかなか良かったぞ?だがまだ剣筋が見え見えだな。ほらよっと!」


「ガハッ!?」


 俺の一太刀を受け止めきれなかったディルクレーが壁際へと吹っ飛んで行った。


 奇しくも、件の大臣達が集まっているあたりに転がったディルクレーはノロノロと立ち上がる。


「へ、陛下ッ!!何をしておられるか!この様な冒険者等さっさとどうにかしてくだされ!!」


「そうだぞ!奴の首を即刻斬り落とすのだ!」


 おやおや、自らの立場すらも怪しくなったから必死だなぁ?


 いつも傀儡の様に操って来たディルクレーにこう言う時だけ頼るなんて情けないと思わないのかねぇ…俺なら死んでもごめんだ。


「好き勝手言いやがって…そもそも、貴様らのせいでこうなっておるのだろうが!!」


 おや?これは……



「な、なんだと!?何を言っておるのだ貴様は!!」


「貴様だと!?俺はこの国の王だぞ!!口を慎め馬鹿者が!」


 おやぁ…?俺そっちのけで言い争いを始めたぞ?


 くっくっく……いいぞディルクレー!そいつらを煽りまくれ!


「そもそも貴様ら程度の輩に俺様が言いなりになってるのは、息子を人質に取られてるからと言うのを忘れるなよ!?」


「なんだと!?無様にも息子を返せと泣きながら懇願して来た奴がよく言うわ!返して欲しければ其奴を殺せ!そうすれば…返すかもしれんぞ?」


「腐れ外道が……コレが終わればお前らの罪を全て清算させるからなぁ…」


「ふっはっはっ!!やれる者ならやってみるがいいぞ愚王よ?」



 あーあ、自分達で自滅してらぁ…


 あちゃー!と俺がわざとらしく頭を押さえながらニヤついていると、そんな俺の様子が癇に障ったのか、1人の大臣が俺を睨みつけてくる。


「貴様ッ!!何がおかしいッ!!」


「いやいや、コレが笑わないでいられるか?俺の手を煩わせずに勝手に自滅してくれてんだからさ?」


「自滅だと!?貴様何を言っている!!」


「わからないかなぁ……何故俺がこんな回りくどい事をしてると思う?」


「回りくどい…だと…?貴様、何を隠している!?言え!!」


 ニヤァ〜と笑った俺は、大臣やこの場に残ってる貴族達に聞こえるように、大きな声で教えてやろう。


「隠すことなんてないさ!この話自体全てこの国中…そして、俺と親しい間柄にある王族に筒抜けなんだからなぁ…」


「何を言っとるのだ貴様は!?訳のわからん事を言いおって!ほれ、何をしてる愚王よ!さっさと奴を殺さぬか!」


「喚くなよ外道が!良い物をお見せしようじゃないか?」



 俺はそう言い、空中に俺たちの映像を投影する。


「こ、これは一体…?な、何をしたのだッ!」


「わからないか?コレは今の俺たちを移してる映像だよ。そして、この場に移せると言うことは…?この先は言わなくてもわかるよなぁ?」


「ま、まさか!?そんな筈ッ!?」


 俺の言葉に顔を真っ青にした屑共がバルコニーへ向けて走り出す。


 俺はゆっくりとその後ろから歩いて近づき、空を指さして腰を抜かしている大臣達に声をかける。



「どうした?空なんて指差して…何か自分達に都合の悪い事でもあったか?」


 その瞬間俺は、城を覆う様にして張っていた結界を解除する。


 するとどうだろうか?今まで聞こえて来ていなかった外の音が聴こえてくる。


「き、貴様!今すぐコレをやめろッ!!」


 大臣が怒鳴り散らした瞬間、それは国中へと拡散されて城の外から聞こえてくる。


「なっ!?き、貴様本当に……ッ!?」


「な?だから言っただろう?お前らが勝手に自滅してくれて良かったってな…」


「き、貴様……ゆ、許さぬぞッ!!」


「お前らに許してもらうつもりも無ければ、寧ろお前達こそ国民の前で平伏し、今までの悪行を全て謝罪して、処刑されるべきじゃないか?」


「悪行だと…?くっくっく、はーっはっは!!貴様は何を言っておるのだ!?そんな証拠は何も無いだろ!?私たちを嵌めようとしても無駄だぞ!?……それに、私達には殿下を守ってると言う役目があるからなぁ…?」


「はぁ…お前らがこれまで行って来たことは全て、国民達に告知済みだ。それにお前らが守ってる王子ってこいつの事だろ?」


 俺はそう言うと転移魔法を使い、王子を隣へと転移させた。


「なっ!?ど、どうしてここに小僧が!?いや、王子が!?」


「いやいや、取り繕うのが遅すぎないか?だが、次いでだから答えてやるよ。普通にこのパーティが始まる前にお前の屋敷を襲撃して解放させてもらったよ?お前らの守るってのは、狭い部屋の中で鎖で繋いでおく事を言うんだな?」


「ぐぎぎ……この、犯罪者が…人の屋敷に無断で忍び込み、王子を連れ出すとは…貴様こそ大罪人であろうが!?」


「そうだ!貴様こそ我々を貶めようとこの様な計画を立てた外道ではないか!」


「良い加減にしろッ!!!これ以上我が国を貶める様な発言は許さぬぞッ!!!」


 おっと、俺が何か言う前にディルクレーがキレたか…


 こっからは俺の出る幕はないかな…


 後は任せたぞ?


 と言う気持ちを込めてディルクレーを見ると、力強く頷き大臣達の前へと進む。


 おっと、その前に…



「王子殿下?久しぶりの父との再会だ、側に行ってやれ。君が側にいるだけで父親ってのは無限の力が湧く物なんだ」


 俺の言葉にコクリと頷き、ディルクレーの元へと駆け出した少年は、きっと母親似なのだろう。父親とは似ても似つかない柔和な顔立ちをしている。



 さて、後はのんびりと眺めさせてもらおうか。



 そう思った俺は、コソコソっと仲間達の元へと戻る。


「ちょ、ちょっと!?一体何がどうなってるのよ!?」

「そ、そうですよユウキさん!!私達何も聞かされてなかったんですけど!?」

「ん、びっくり」

「こんな事が起きるなら前もって言っといて欲しかったのだけれど…?」

「ユウキくん…?無理してないよね?」

「マスターはいつもいつも秘密主義が過ぎるのです!まぁ、私は役目があったから文句は無いのです!」

「パパ!カッコよかったー!」


 仲間達がバッ!と詰め寄って来てそれぞれの言いたい事を捲し立てて来る。


 いやぁ、君達に言ったら計画が台無しになるだろう…?すぐ暴走するし…


「俺が最初キレながら何もするなって言わなかったら暴れ回ってただろ?」


「うっ…それは…」

「否定できません…」

「ご主人様を侮辱した豚はミンチにした方がよろしいかと」


「1人物騒すぎないか!?やめろよ!?」


「冗談です。まぁ、9割本気ですが」


「それは冗談では無いのでは…?もう、ユウキくん?今度からはちゃんと報告しないとダメだよ?」


「ん、報連相は大事」


「おや?よくそんな言葉知ってたねリン?」


「ん、この前ひまりお姉ちゃんから聞いた」


「そうかそうか!って、そういえばこういう時一番うるさそうな後輩が静かだな……?」


 ふと後輩が静かなことに気がついた俺は、恐る恐る後輩を見ると……


 プルプル震えていた。


「あ、あのぉ…?後輩さん?どうしれました…?」


「……どうしれました?じゃ無いですよ!!先輩はいつもいつも無茶ばかりして!!異世界に来てから変な行動してなかったから騙されてましたッ!!そこに正座してくださいッ!!」


「えっ!?今ッ!?ここで!?さ、流石に…」

「何か文句でも?」


「滅相もございません」


 俺は直ちにひれ伏す勢いで正座を敢行する。


 はぁ……なんか俺いつも怒られてるような…?


「余計なこと考えなくていいですよ先輩?」

「アッ、ハイ」


 国民にはディルクレー達のやり取りしか見えていないが、この会場に残っていた者達はこの光景に唖然とする。


 それもそうであろう。先程まで城中を震え上がらせる程の殺気を放っていた者が、彼女?と思われる少女にペコペコと頭を下げながら、説教されているのだから…





次の更新は明日の0時頃になります!

戦闘シーン少なくてすまぬ…


次回で決着です!

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