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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
闇に染まった王国と幻想郷の再建
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第16話 行動準備

ようやく少し前進しました…

 




 と、とりあえずリリアが俺たちと…


 いや、この場合は俺とか…?まぁいいか…一緒に行動したいという理由は完璧にわかったけども…余計問題がややこしくなってしまった…


 国王を説得する方法と言っていたけど、一国の王女であるリリアはこれから勇者であるクラスメイト達と共にいる事になったはずだ…


 しかもリリアは魔法学院に所属しているので、そちらも投げ出す事になる…


 うーん、どうしたものか…



「リリア…告白の返事は一旦保留にしていいかな?この問題が全て解決した時に、改めて返事をしようと思うんだけど…どうかな?」


「は、はい…その…だ、大丈夫です!本当は今すぐオーケーして欲しいですけど…私のお願いを解決する為なら仕方ないですね!」



 ん?なんか知らないけどリリアの中では俺がオーケー出す事は確定してるのか?


 …とりあえず今のも聞かなかった事にしてそろそろ動かないと時間がないな…



「うーむ…リリア?今日これからのリリアの予定を聞かせてもらえないかな?」


「私の予定ですか?そうですね…ユウキさんとお食事しながら色々とお話していたいのですが、生憎と今夜は勇者様の為の歓迎パーティーを開催する予定になってまして…流石にそれは参加しないと後が怖いので…渋々ですが城に戻る予定です」


「渋々なのですね…リリアは本当にマスターの事が大好きなのですね…」


 最初は自分の気持ちも誤魔化そうとしていたリリアだったが、今はもう鈍感なユウキには自分の気持ちを素直にぶつけるしかない!と思い直した為に自分の気持ちを優先する事に決めたのだった。


 そのリリアの内心の変化をすぐに感じ取ったミスティは、これが恋というものなのか!と腕を組みながらふむふむ…と1人納得していた。



 リリアの予定を聞き、今後の行動についての最適解を見つけた俺は2人に今後の動きを合わせる為に、説明をする。



「リリア、ミスティ、一つ作戦を思いついた。これからの動きを説明するから俺の言葉を一言たりとも聞き逃さないでくれ」


「も、もう作戦を思いついたのですか…?」


「流石!私のマスターなのです!」


 2人の反応はまちまちだったが、さっさと作戦の流れを説明してしまう。






 説明後…



「なっ!!?そ、そんな事になっていたのですか!?」



 ユウキの話した内容にリリアは絶句してしまった。

 それもそのはず…このまま見過ごしていたらこの国が滅んでいたかもしれない。そこまでこの国が酷いことになっていたとは知らなかったリリアは軽く目眩がしたが、ぐっ!と我慢しユウキの作戦を反芻し、内容を完璧に把握した。


「理解できたかなリリア?君にとっては結構辛い事実だと思うけど…」


「大丈夫です!確かにユウキさんから告げられた内容は衝撃的でしたが…その…なんとかしてくれるのですよね?」



「あぁ、もちろん。もうリリアは俺たちの仲間だからな。仲間の心の安寧を揺るがす事態はなるべく取り除かないと」


 任せとけ!という意味も込めてニヤッと笑いながらそう言って安心させた俺は、直ぐに行動に移すことにした。



「じゃあ、作戦通りに行くぞ?とりあえずリリアは城に戻ってパーティーを楽しんできてくれ」


「さっきの話を聞いて楽しめなんて言うなんて…ユウキさんは意地悪ですね」


 ぷくーっと頬を膨らませながら半眼で睨むリリアに、好きだと言われてから、一つ一つの仕草にドキッとしてしまう俺は、リリアを安心させる為に頭を撫でることにする。



「よしよし、リリアはいつも通りの王女でいてくれ?明日には俺たちは冒険の旅に出るから、王女の仕事はしばらくお預けになるからな?存分に王女してくれ」


「王女してくれって…もう!撫でてくれれば紛らわせられると思ったら大間違いですよ?でも…今日だけは紛らわされてあげます…ふみゃ〜」


「む?リリアだけずるいのです、マスター!私も頑張るので撫でて欲しいのです!」



 はいはい、と言いながら2人が満足するまで撫で回し、最後にリリアに忠告する。



「最後になるがリリア、勇者達の中に高田と関根というやつが居るんだが、あいつらには気をつけろ。」



「…?わかりました!ユウキさんがそう言われるのであれば、注意しておきますね」




「うん、そうしておいてくれ。何せあいつらは俺のことを神咲と仲がいいという理由だけで虐めてきてた奴らだからな〜リリアみたいな美少女に何をするかわからないから」


「ユウキさんを虐めてた…?」

「マスターを虐めてた…?」


 ユウキの言葉にリリアとミスティは驚愕していた。


 この最強と言っていいユウキの事を虐めるなんて…あまりにも愚かな行為であると。



「ユウキさんはその2人に報復をしようとは思わないのですか?」


「いやいや、報復なんて…もちろんそんな事はしないけど、一度でいいから天罰でも喰らえ!とは思ってたけどね」


 あはは、と軽く笑いながらもどこか悲しげなユウキの変化を2人は見逃さなかった。




 そして、2人にはもう一つ気になったことが…



「ユウキさん?カミサキ様とはいったいどなたでしょうか?く・わ・し・く!教えて頂いても?」


「マスター?私も聞いてないのです。どこの女なのですかそれわ!!教えるのです!!」



 …俺が虐められてた事よりもそっちがメインなのは気のせいなのか…?


「神咲は俺のクラスメイトで、唯一仲の良かった女友達だよ!く、詳しい事はまた今度話すから!今は少しでも準備の時間が欲しいから!この話は終わりな!」


「「むー、わかりました(のです)…」」


 唯一仲の良かった女友達と言ったところで、殺気を感じたユウキは咄嗟に話を先送りにする。



 不承不承という感じではあるが、とりあえず2人の追究を先送りすることに成功したな…


 未来の俺…頑張ってくれ…


 心の中でほっと息を吐き、未来の自分にエールを送るユウキだったが、今後の自分の行動にこの国の未来がかかっている。その事実を深く自分の胸に刻み込み、気持ちを直ぐに切り替え、準備に取り掛かるのだった。



 そして、リリアは自分に指示された行動を実行するべく王城に戻っていったのだった。






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 そして現在進行形で開かれている王城でのパーティーは、途中で一悶着あったものの、概ね良い雰囲気で進行していた。



 そう…1人を除いて…



 アメジスティア王国、副騎士団長のアール・ラン・フォートルである。


 彼はユウキの言っていた王国の危機に関わりのある人物であった。眉目秀麗、才色兼備という言葉はこの男にこそ相応しい。そう思わせる容姿と能力を兼ね備えた男は、近づいてきた貴族の娘達と談笑しながら、目だけで周りを見回していた。


(いやはや…姫様は随分と力をつけたご様子…これは早めに排除しておいた方が良いかもしれませんね)


 久しぶりに行われた煌びやかなパーティーに浮かれていた者達は誰も気づいていなかった。


 アールが纏っているドロドロとしたドス黒い気配に…




 刻一刻とその時が迫る中、勇者によってもたらされた希望に笑い合う者達。



 その希望とやらを深い絶望へと(いざな)おうと動いているものがいる事をこの時はまだリリアを除いて、誰も知らなかったのである。






 だが、アールは気付けなかった


 …既にその絶望を真っ向からぶち壊す為に行動を開始した者達がいることに



 そして、全て上手くいくと思っているアールは月の無い夜空を見上げながら不適に笑うのであった。






稚拙な文ですが、暖かく見守りくださいませ…

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