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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
いざダンジョンへ!〜運命の分岐点〜
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第153話 一騒動




ダンジョンの入り口へと戻って来た俺達は新たなピンチに直面していた。


「む?お前ら戻ったのか…って行きにメイドなんて連れてたか?」


そう、フェイトである。


意気揚々と戻って来た俺達は完全に失念していたのである。


さて…どうしたものか…俺が悩んでいるとフェイトがサッと前に出る。


「おや?先程の見張りの方とは違う方ですか?私は途中からご主人様達に合流したのです」


「そうか…なら問題は無いな…あいつそんな事言ってたっけかなぁ…」


おぉ!フェイトの上手い言い訳のおかげで多少は怪しまれたかもしれないが切り抜けられたな!


「ありがとうなフェイト。完全に失念してたわ」


「いえいえ、このような事でご主人様のお手を煩わせるわけにはいきませんので」


カビ臭い階段を登り、冒険者ギルドへと戻って来た俺達は早速受け付け嬢へとクリア報告をしようと冒険者が並ぶ列の最後尾に付ける。


朝とは違い夕方近くなると冒険を終えたであろう人達がかなり多い。ただ、初心者っぽい人達ばかりだが…


「ユウキくん…何かちょっと怖いね…」

「そうか…双葉はこういった雰囲気は初めてか…こっちに来とけ?」


双葉や一華は注目される事にあまり慣れていないのだろう…姉の方もビビってはいるが気丈に振る舞っているし、可哀想だと思い双葉を抱き寄せたら顔を真っ赤にしている。可愛い


だが、それが良くなかったのか列から少し離れた位置に居た数人のチャラチャラしてそうな奴らが此方に下品な笑みを携えて近づいて来る。


何処行っても絡まれるなぁ…


「やぁやぁ、君初心者のくせに随分美人ばかり連れてるな?1人…いや、全員俺たちにくれよ?」


「大人しく言うこと聞いていた方がいいぞ?俺達は Bランクだからな!」


何がおかしいのか高笑いする阿保トリオに女性陣が引いている。そりゃ俺でも引くしな…仕方ない。


「悪いがお前らの言う事を聞く筋合いは無いから、大人しく家に帰ってママのおっぱいでも吸ってろ」


「「「あぁ?」」」


煽り耐性が無いらしく俺のちょっとした煽りで青筋を立てて凄んで来た。顔近い息くさいしんどい。


「餓鬼が粋がってんじゃねぇぞ?おめぇこそ家帰っとけや?あぁ?」


「あっ、前進んだぞ」


「無視してんじゃねぇよ!!」


煩いなぁ…


「何?あんたらまだ居たの?邪魔だから早く消えなよ…」


「おい!その餓鬼無視して女の方連れてっちまおうぜ!」


あ?


「だな、じゃあな餓鬼…」


あらら〜これは許せねぇなぁ…


「おい、お前ら早く消えろって言ったよな?殺すぞ?」


その瞬間ギルド内に濃密な殺気が放たれる。


「あぁ…ぁぁぁああっ!?」


「お前らは俺の事を甘く見てたみたいだが…残念ながらお前らみたいなゴミは殺気だけで殺せるんだぞ?喧嘩を売る相手を間違えたな?」


ギルド内の関係無い人も巻き込み腰を抜かす人がチラホラ見受けられた。すまんがもう少し我慢してくれ。


「す、すみませんっ!すみませんっ!」


「お前ら謝れば済むと思ってんの?今まで何度同じ事をした?その度にどれだけの人を傷つけた?」


「ひぃぃいいっ!に、二度としませんっ!命だけは!」


「これからは真っ当に生きろよ?次同じ事をしてるのを目撃したり、他の冒険者から聞いたら…」


「き、聞いたら…?」


「ディアンの事が好きですって言ってたって本人に伝えとくから」


その瞬間、ギルド内の男性陣が悲鳴を上げた。目の前で股間を濡らしてる三人組も泡を吹いて気絶してしまったので、殺気を納める。


シーンと静まり返ったギルド内で俺の足音だけが聞こえる。


「受け付け嬢さん?申し訳ないけどアイツらを処罰しといてもらえるかな?」


「そ、それは私の判断ではできかねます…」


「大丈夫だよ、なぁ?ゴラムスさん?」


「あら?気づいていたのね?」


「統括!?」


俺は振り返り、俺の殺気を浴びながら顔色一つ変えなかった漢女へと話しかけたのだ。


「えぇ、気配でね…今朝戻ったって聞きましたけどもう仕事してるんですか?」


「えぇ、私が留守の間に溜まってた仕事が沢山あるもの…休んでられないわ」


やはり世界中のギルドを統治してるだけあり忙しいのだろう…仕事のできるキャリアウーマン…ウーマン?って感じだな


「あなた達こそ移動が早すぎないかしら?」


「俺達は便利な乗り物があるからな…それよりもコイツらの処罰を頼みましたよ?」


「その便利な乗り物が気になるけど、その子達のことはアタシに任せてちょうだい?根性を叩き直してあげるわ♡」


「……ま、任せた。それで初級ダンジョンクリアしたから中級ダンジョンへの挑戦権が欲しかったんだが…」


「あら?どれどれ?ステータスを見せてちょうだいな」


そう言われ俺は称号の部分を一部隠蔽してゴラムスへと見せる。


「あらら?裏初級ダンジョンってなってるけど…どう言う事なのかしらん?」


「あぁ、それは隠し扉の先からボス戦に挑んだら裏ボスが出て来てな…発見したのが俺達じゃなければこの国は1時間も掛からずに滅んでたぞ?」


「あら大変だったのね?それなら文句無しに挑戦権を上げるわ〜♡で・も♡もう少し詳しい話を教えて欲しいわよ?」


「そ、それはまた今度でいいか?今日はみんな疲れてるからな…」


「了解よ〜ん♡それじゃあ都合のいい時にでもアタシを訪ねて来なさい?あなた達ならいつでも歓迎よん♡」


「わ、わかった…それじゃあ俺達は行くな…」


「さよなら♡あなた達も今度はゆっくりお話ししましょうね〜ん♡」


「ゴラムスお姉さんばいばーい!」

「ん、お姉さんまたね」


「うっふっふ♡あなた達は本当に良い子ね♡」


俺はさっさと漢女から逃げ出す為に無理矢理話を終わらせて帰路へ着く。がその前に…



「受け付け嬢さん?この場にいる冒険者達の酒代は俺が持つから、どれだけ飲んでくれて構わないと言っといてくれ。それでの金から引いてくれ」


俺はそう言い白金貨を2枚受付嬢へと手渡す。


「え…?コレは…?」


「ん?足りないか?お詫びも含めてるから酒代以外で残った分は受付嬢さん達で分けちゃっていいぞ?それくらいいいよな?ゴラムスさん」


「もちろんよ〜♡相変わらず良い男ね…思わず惚れちゃいそうになるわよ〜ん?」


「勘弁してくれ!さぁ!みんな帰るぞ!?」



俺は逃げ出すように冒険者ギルドの総本部を抜け出すのであった。




そして、ユウキが去った後の冒険者ギルドは徐々に喧騒を取り戻していった。会話の内容はもっぱらユウキの話だが…


「統括!先程の方は一体何者なんですか?」


「ん〜?ユウキちゃんの事かしら?」


ギルド中の注目がゴラムスと受け付け嬢の会話に集中する。


「はい、彼の殺気は尋常じゃなかったです…その、私もその…漏らすかと思いました…」


「あら〜?元Aランク冒険者の貴女でもユウキちゃんの殺気は耐えられないのね?でも、アレは随分抑えていたわよ?」


「え?!アレでですか!?」


そう言いながら受け付け嬢はギルド内を見回すと所々で気絶して介抱されてる人達を見る。


「で、でもコレだけの人が気を失う程の濃密な殺気でしたが…」


ゴラムスは思う。ユウキちゃんの本気の殺気を浴びたらこの国の人達が全員生きる事を諦めてしまうと思うわよ?と…


ゴラムスはユウキの実力をこの世界で右に出るものは居ないと思っていた。それだけに先程の惨状は手加減してくれていたと思っているのだ。


「彼は優しいから…きっとこの噂が広がって自分の仲間達に危害が及ぶ事を恐れたのでしょうね…人間は素直な生き物でしょう?自分より強い相手には逆らおうとしないから…」


「確かにこの惨状を引き起こした方に絡む愚か者は居ないですね。ですが統括とお知り合いなのはどうしてなのでしょう?彼が此方のギルドに来たのは今朝が初めてです。何処でお知り合いに?」


「それはもちろんインカローズよ?彼は今年の武闘大会優勝者ですもの…アメジスティアの勇者を抑えての優勝よ?まぁ、最後はちょっとずるかったけど…その後のユウキちゃんの活躍を知ったら誰も文句は言えないわ♡」


「え…?そ、そんな方がどうして今更初級ダンジョンなんかに…?」


「さぁ?それはアタシには分からないわ…けど、これだけは言える。この国に何があってもユウキちゃんが居る限り安心よ?」


ゴラムスと受け付け嬢の会話を盗み聞きしていた面々は未だに床に転がされてる三人を見て、同情していた。なんて馬鹿な連中だ…と



今日の出来事はエメラルの冒険者に即座に広まり、ユウキ一行には手を出さないと言う暗黙の了解が出来上がったのであった。





次の更新は明日の15時頃になります!


徐々に更新の時間を元に戻していきます…

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― 新着の感想 ―
[一言] ユウキ一行は物理的に最強だけど 漢女たちは精神的な意味で最強だよね SAN値直葬待った無し(永眠)
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