第150話 ボス戦 上
本日1話目になります!
それなりの時間螺旋階段を降り、俺たちはボス部屋の扉の前へとやってきていた。
「ここがそうなのかしら?」
「拗らせ女に同意するのは嫌でありますがここがボス部屋の扉になります。勿論正規のルートでは無いですので入り口は変わってしまっていますが」
「誰が拗らせ女よ!!」
また始まった…ここまで来る間ずっと口喧嘩…君達初対面なのに仲良いね?
「はぁ…お二人ともその辺にしてボス戦やりましょうね?ユウキさんも見てないで止めてください!」
「いや、俺が何度もチャレンジしてるの知ってるだろ?これは無理だ…リリアもローズみたいに諦めた方がいいぞ」
俺の言葉通りローズも最初は仲裁に専念していたが途中で諦めてルビーとリンを構うことに重きを置いていた。
そのせいで途中からは一華が弄られるたびに俺の方を恨めしそうに見てくるのでフェイトに注意するのだが…一瞬終わったと思ったらまた始まる。ずっとこの繰り返しであった。
「で、ですが…」
「ほら見てみろ、実は一華も満更でもなさそうな顔をしてると思わないか?実はあいつMなんだよ…だから弄られて嬉しいみたいだ。だからスルーでいいぞ」
「た、確かに何処か嬉しそうではありますね…わかりました!私も気にしない方向で頑張ってみます!」
コソコソとリリアと話、俺はとりあえずボス戦を戦う人を決める。
「んじゃ、ここは前衛でリン、遊撃で双葉、後衛でルビー、この3人で戦ってくれ。俺達はヤバそうなら介入するからな。まぁ、初級ダンジョンだし余裕だと思うけど、連携プレイを高める為に瞬殺はしないでくれ」
「ん、わかった」
「ルビー頑張るよー♪」
「うん、任せて!」
3人の意気込みを聞き、俺は扉に手を押し当てる。
「よし、じゃあ頼んだぞ!」
開いた扉へと3人が飛び込んで行き、俺たちもその後に続き部屋の内部へと踏み込む。
そして部屋の中央…サッカーグラウンド程の広さの空間に佇む巨大な大剣。
……え?大剣?
「パパー?あれ何ー?」
「ん、敵は何処?」
「ユウキくん、何か様子が変だよ!」
俺に聞かれてもわからんぞ…このダンジョンに詳しそうなフェイトに目配せしたら、コクリと頷き説明をし始めた。
「残念ですがコレはハズレですね…」
「ハズレ?ダンジョンにボス部屋にアタリハズレなんてあるのか?」
「えぇ、ございますよ?このダンジョン始まって以来初めてのハズレでございます…まぁ、見てればわかりますので」
そう言われた俺達は大剣の方へと視線を固定する。その直後、それは降ってきた。
ズドォォォンッ……
地鳴りを起こし降り立ったソレは人型の魔物…何処ぞのダーク○レアムの様な風貌はまさしく魔人と呼ばれるに相応しいオーラを放っていた。
「1000年前に創造神様の創り出した魔物…名を終末の魔天使ルシエルと言います」
「ちょ、ちょっとあなた!?あれはまずいんじゃ無いかしら!」
「そ、そうですよ!!なんであんな化け物が初級ダンジョンにいるんですか!?」
「あのバカ女神が創り出した魔物か…本当に余計なことしかしないな!?因みにこれ逃げ出したらどうなる?」
「行動予想はダンジョンを破壊し、地上に出てこの国を滅ぼすのではと思いますが…」
ダメだ!ダンジョンから魔物が出れる時点で詰んでる!倒すしか無いが…焦ってるローズとリリアには悪いが、ぶっちゃけ良い練習になるし丁度いいな
「よし、んじゃ俺以外で戦うか!そんじゃみんなよろしく〜作戦は任せるから」
そう言いミスティも人の姿に戻し、戦場へと送り出す。
「このタイミングで人の姿に!?」
「おや?ご主人様の武器はレジェンダリーウェポンでございましたか…はじめまして私フェイトと申します。よろしくお願い致します」
「私はミスティなのです!よろしくなのです!って自己紹介してる場合じゃ無いのですよ!?」
「そ、そうです!皆さん構えてください!」
リリアが皆んなへと指示を出した瞬間、ルシエルが大剣を横薙ぎに一閃する。
「おーい、危ないぞ〜」
俺は呑気に見てるがあの真空刃を喰らえばリリア達は真っ二つになる事間違いない。だが、俺はギリギリまで動かず見届けようと思う。
それに、俺が認めた仲間達がこの程度の攻撃でやられるわけないからな
「ッ!?結界魔法!百重の砦ッ!!!」
双葉が詠唱破棄し発動した魔法が真空刃に次々と破られていく。だが、数枚を残し真空刃は胡散し微風へと変わった。
「リンちゃん!ミスティちゃん!大剣を振らせては行けません!」
「ん、任せて」
「もう!やるしか無いのです?!」
リンはウルティアーナを…
ミスティは双剣を…
そしてリリアもウラルアメスタスをルシエルへ向け駆け出す。
「閃光の陣脚発動…」
「風神の陣脚発動!」
「むぅ!私は魔法が使えないのです…マスター!今度私にも速度を上げられる魔導具を何か作って欲しいのです!」
そうだな…実は作ってあったんだけどまさかこんな事態になると思ってなかったから渡しそびれていた。この後さりげなく渡してしまおう。
「ふむ、では私も遊撃部隊として戦って参ります」
「おう!期待してるぞ?」
「ご主人様の期待に応えられるよう、全力で参ります!」
ザッと目にも止まらぬ速さで二丁拳銃を手に戦場へと飛び込んで行くフェイトは正しく戦闘メイドであった。
さて、みんなの戦いを見学させて貰いますか〜
次の更新は本日の夕方です!




