第123話 極大魔法の真髄と一つの過ち
本日1話目になります!
〜〜side双葉〜〜
激しい黒雷、燃え盛る白焔、吹き荒れる暴風、噴き出す魔力水、凍えるような吹雪、そして太陽のような光…
その全てがとてつもない魔力を含んでいた。
この人達は本当に同じ人間なのかな?
そう思える程の光景が広がっている。
私の魔法は結界魔法…それが女神様の力によって昇華し、性能が上がった。
意気揚々と私も魔法は得意だよ!とか言っておきながら、ユウキくんの仲間達の魔法を見ると少し怖気付く自分が居る。
違う、そうじゃない!
頭を振り、自分の魔法に集中するべく次第に近づき、大きくなってきた黒い隕石を見つめる。
「私は女神の使徒…その権能は大切な人を愛する心によって強大な力を得る…私の想いが続く限り…この力は永久不滅なり…」
ユウキくんが私の詠唱聞き此方を見ている。
凄く恥ずかしいけど、ちょっと照れてるユウキくんが可愛いから我慢できそう。
みんなの魔法には劣るけど…ユウキくんを大好きな気持ちは負けてないもんっ!
ここに全ての準備が整う。
〜〜sideユウキ〜〜
おいおい、みんな凄い魔力だな!?
蠢く膨大な魔力…それに直接当てられたら後ろで控えてる人達は、それだけで使い物にならなくなっていただろう…
「全く…ローズの魔法を見て結界を張って良かったよ…」
そして残り10秒…ユウキによるカウントが始まる。
「10秒前ッ!!9、8、7…」
それに続く様に仲間達が俺に声を合わせ魔力を練り上げる。
「「「「「6、5、4…」」」」」
そして、俺たちの魔法を見守っている者達も口ずさむ…
「「「「「「「3、2、1……」」」」」」」
「今だ!放てッ!!!」
「極大魔法…風神王の風弓ッ!!」
「極大魔法…水風統制・暴風雨の槍ッ!!」
「極大魔法…氷狼王の裂牙っ!!」
「極大魔法…光神の陽光ッ!!」
「極大魔法…結界魔砲撃ッ!!」
うへぇみんな凄いな…俺も続くかっ!!
「極大魔法…黒雷刀白焔無双刃撃ッ!!」
リリアの風の矢が
ローズの暴風雨の槍が
ルビーの氷のフェンリルが
リンの熱光線が
双葉の砲撃が
そして、俺の白焔を纏った黒雷刀が
一斉に一点を目指して突き進む。
「ふっふっふ…まだまだ私の魔法はこんなもんじゃ無いですよー!」
「えっ、リリア何を!?」
めっちゃ嫌な予感がするんだけど!?
「全ての魔法の威力を倍増させますっ!えいっ!」
「おい!馬鹿!やりすぎだ!!」
「やめなさい!?リリアちゃん!」
完全にオーバーキルだぞ!?何を考えてるんだ!阿保リリア!
ローズも魔法に精通しているから気付いた様だな…だが、もう遅かった。
「ふぇっ?何でですかっ!?」
次の瞬間、リリアが齎した結末が訪れる。
チュドンッ!!!
俺たちの魔法は見事に命中し、そして大爆発を引き起こした。
色んな属性の魔法を制御無しでぶつかり合わせたらこうなる事は分かる。
みんなの魔法を見てから俺が魔法を唱えたのは、威力を調整する兼ね合いがあったからなのだ。
それなのにリリアときたら…
脳筋思考をそろそろ元に戻させないとダメだな…
「リリアは暫く肉抜き決定だからな!!超広域魔法…聖人の領域ッ!!」
爆発の余波からこの国を守るべく結界を張る。
こうでもしなければこの国は瓦礫の山になっていたぞ!?
「クッ…魔力が一気に持ってかれる…くうぅぅ…」
やばいな…流石の俺でもこの範囲の結界の維持には相当な魔力を消費してしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ…何とか凌げたか…」
衝撃を受け切り、役目を果たした結界が消えて行く。
「はわ、はわわわっ!ゆ、ユウキさんッ大丈夫ですか!?」
慌てながら駆け寄ってきたリリア…
その頭に拳骨を叩き込む
「ふんっ!余計な事はするな!阿保リリアッ!」
「ーーっ!?痛いです…うぅ、良かれと思ってやったのにぃ〜怒られたぁ…ぐすんっ」
「この後1人で戦わせるのが怖いな…いいかリリア?君の一つの過ちが俺のこの後の予定を全て覆すことになったんだ。同じ失敗は許されないからな?次やったらアメジスティアに帰すから」
俺は無慈悲に告げる。
「……え?そ、それだけは嫌ですっ!!わ、私頑張りますからそれだけはっ!」
そして、俺の言葉を聞いたリリアは、自分がどれだけの事をしてしまったのかが分かったのか、顔を青ざめていた。
「次は無いからな…」
「はい…ごめんなさい…」
はぁ、仕方ないけど誰かに面倒見てもらうか…
「……クロト殿ッ!すまないがリリアの面倒を見てくれないか!1人で指揮させるにはまだ早そうだから頼みます!」ら
「う、うむ!承知したぞ!」
「リリア…次は頼んだぞ?」
「は、はいっ!ですがその…」
「ん?どうした?」
「いえ、何でもありません…」
んん?怒りすぎたか?
とりあえず全員転移させるか…
というよりもデルフィの野郎はまだ姿を現さないのか…?
次の更新は本日の夜になります…
時間が無くなって書けなくなってしまった…
申し訳ないです…




