第122話 それぞれの魔法
本日3話目です
「んじゃま、とりあえずアレを何とかするか〜」
「どうするんだ?」
「ソラ、ソラってなんか高威力の魔法使えるの?」
「いや、俺は近距離なら使えるけどあの距離だと厳しいな…すまねぇ…」
なるほど…そしたら、現状の戦力は俺を除いてリリア、ローズ、ルビー、そしてリンだけになりそうだな…
「そしたら、アレは俺たちが引き受けるから、みんなやるぞ」
「「「「了解!」」」」
「うぅ…こういう時私は役立たずなのです…」
「私も手伝おうか?」
「ん?神咲はとりあえず回復魔法に専念してほしいから、無駄な魔力の消費は抑えてほしい」
「それじゃあ私は?」
「雪姉は魔法得意なのか?」
「んー、アレを破壊するのは無理そうです…」
二人はしょんぼりと引き下がって行った…気持ちは凄いありがたいよ2人とも…
神咲と雪姉は後で慰めるとして、もう1人前に進み出た女の子を見る。
「ユ、ユウキくん!私は自信あるよっ!」
お、おぉ?双葉にしては珍しくハキハキとやる気に満ちあふれてるな…
「そ、そうか?そしたら頼むぞ?」
「任せてっ!」
ユウキの役に立つ為に鍛え上げた少女は、全魔力を使ってでも役に立つ!そう意気込んでいたのであった。
「それじゃ、みんな少し下がってて?」
俺の指示に大人しく従う面々、全員が一定以上下がった時、仲間達に指示を出す。
「よし、今からタイミング合わせるぞ?魔法の発動は今から60秒後だ!」
「「「「「はいっ!!」」」」」
そして俺は詠唱を始める。
「我願う…全てを打ち砕く黒雷よ…全てを無に帰す白焔よ……我が敵を討ち滅ぼす為に我が身に宿れ…」
マナが荒れ狂う…重力が変化してるのでは無いか?
そう感じられる程の圧迫感に襲われ、1人、また1人とその場にへたり込む。
漆黒と純白…決して相容れぬ魔法が俺の身体を媒介に共存する。後は魔力を極限まで溜め込み、撃ち出すのみ…
みんな大丈夫か?と思ったが要らぬ心配だったな…
〜〜sideリリア〜〜
ふっふっふっ…魔法剣士の腕の見せ所ですよ!
このメンバーの中で一番威力の低い風魔法で役に立つ…
それは難しい事かもしれない。
ですが、私には新しく手に入れたスキルがあります…
これはユウキさんにもまだ知られてないのでいきなり使ってやりますよー!
それじゃ、私も詠唱を開始しますっ!
「我は風を司る王なり…全てを薙ぎ倒す暴風なり…我の呼び掛けに答え、ここに顕現せよッ!!風神王よ!!」
突如としてリリアの背後へと現れた風の化身…
風が吹き荒れ、自分の武器を舞台に突き刺しなんとか武器にしがみつきその場に留まっている戦士達…
ユウキのマナに酔わされ、リリアの暴風で吹き飛ばされそうになり…さっきからから不憫である。
「ふふんっ!どうですかユウキさん!最近の修行の成果ですっ!」
私はきっと今もの凄いドヤ顔をしてるのでしょうか…?
ユウキさんも魔法を纏いながら私にグッとサムズアップしてくれていますっ!
ふふっ…ユウキさん!まだまだ私の成長はこんなもんじゃ無いですよ〜!
〜〜sideローズ〜〜
ユウキくんもリリアちゃんも凄いわね…
これじゃ一番年上で魔法専門職の私が変な魔法を使ったら大恥をかくじゃない…
この大会期間、試合の時間以外はほぼ自由時間であった為に私は一人で修行を行っていた。
リリアちゃんと魔法の属性が被ってるのが気になっていた私は、ユウキくんにも内緒で新しい属性の精霊と契約した。
今日はそれのお披露目になるわね。
「この世の全ての水を司る大精霊よ…私は妖精族の女王なり…我が呼び掛けに答え、我が身に宿れッ!!憑依せよ!ウンディーネッ!!」
私は激流を纏う。
全ての洗い流す大いなる水が辺り一体に渦を作る。
あら、ごめんなさい?みんなびしょびしょになってしまったわね…まぁ、許してね?
ついでに風魔法の方も平行詠唱しておきましょうか?リリアちゃんには劣るけど、私はシルフィとも契約してるし…
あっ、合体させれば良いのかしら?
ふふっ…私も全力でやらせてもらうわよ?
〜〜sideリン&ルビー〜〜
「ん、ルビーちゃん頑張ろうね」
「おー!ルビー頑張るよー!リンお姉ちゃんは大丈夫ー?」
ルビーちゃんが心配してるのは、私の魔法がまだ未完成だという事…
ここ最近の自由時間に、私はユウキお兄ちゃんとルビーちゃんと3人で特訓に明け暮れていた。
私の特訓に付き合わさせてごめんね?って言ったら、2人ともキョトンとしながら、何言ってるの?仲間なんだからそんな事気にするなって言ってくれた。
私は本当に嬉しくて、この人達とこの世界をいつまでも旅していたいなって思った。
そして、ユウキお兄ちゃんから特別なスキルを貰った…
本当にユウキお兄ちゃんは謎が多いよね?
「ん、大丈夫。私もここで限界を超えてみせる」
「おー!それならルビーも負けないよー!」
ルビーちゃんもお兄ちゃんから新しい魔法を教わってたみたいだし、それを使うのかな…?
「ん、負けない…」
まだ幼いルビーちゃんは詠唱を唱えない。
なのに私よりも凄い魔法を使う。
なんでだろう?まぁいいや、詠唱を始めないと…
「ん、ユウキお兄ちゃんのくれたこの力で…お父さんの仇を……我は神獣の意思を受け継ぐ者なり…その気高き心を引き継ぐ者なり、今ここに至ろう…」
私のお父さんは神獣フェンリル…その最も得意としていた属性…神々の恩恵を受けた者だけが使える、光属性であった。
「我は光の化身なり、全てを照らす日輪の如く…闇を取り払おう…」
ここまでは順調に来た、あとは最後の一節のみ…
「絶えることなき永劫の光をこの地へ…」
そして、私の身体が透けて行く…
なんかみんなに見られてるとちょっと恥ずかしい。
でも、上手くいった。
まだまだ改良の余地があるが…それでもこの場で完成させた魔法は、リンの心意が宿るとても素晴らしい魔法であった。
「ユウキお兄ちゃん…私にもできたよ」
残すは後1人、ユウキの力を得ずに魔法を極めた少女…その魔法の全貌や如何に…
次の更新は明日の正午になります…
何とか今日3話更新できました。
何で日曜なのに仕事してんねん…
時間無くて良いところで切ってしまった…
明日全員分の魔法名と双葉の魔法をどうするかで悩みそう…安易な魔法名になっても許してください…ね?w




