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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
神が創りし至高のケモ耳
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第114話 リリアvs双葉 決着

大幅に遅刻しました!


戦いのその後も書こうと思ってたんですけど、思っていた以上に時間が足りなくて、明日に持ち越しになった結果…


ちょっと短いです…


〜〜side双葉〜〜



「ぐっ…うぅ…はあぁぁぁぁあっ!!」


鍔迫り合いを続けていた私は、無理矢理交差させていた薙刀で斬り払い、後ろに下がる。


「はぁ、はぁ…あんな細い剣にどうして…」


此方の薙刀は何度も刃が欠け、その度に武器を入れ替えている。


なんであの紫色の剣は刃毀れ一つ起こさないのだろうか…


まぁ、ユウキが不壊スキルをエンチャントしてるだけなのだが、今この時に限り武器を入れ替える時間は、そのコンマ数秒の時間が命取りになる。


それに、ユウキの動きを模倣している為身体への負荷が尋常じゃ無いほどかかっていた。


「あまり長々と闘ってる余裕は無い…」


なら、防御を捨てる!


「ふぅ…薔薇園流龍双無刃ッ!!」


一度深く息を吸い、2本の薙刀を巧みに操りリリアへと迫る。


「…西音寺流刺突術 中伝 蝶舞蜂刺ッ!!」


!?リリアさんの体がブレッ……痛っ…


「くぅぅぅっ!このぉぉっ!!!!」


私は女神様に貰ったスキルを全開にし、リリアさんの連続技を避け反撃に転ずる。


「なっ!?フタバさん!その動きはあまりにも無理がっ…」

「煩い黙れっ!!薔薇園流、龍双月刃ッ!!」


ハァ、ハァ…やった!決まった!!

喜びも束の間、無理矢理動かした身体からバキバキッと骨が砕ける音が聞こえる。


「ぐぅ…がはっ……はぁ、はぁ…でも勝った…」


私が勝利を確信した時…

聞こえて欲しくない声が私の耳に届く。





「……勝手に負けた事にしないでください」

「う、そ…?今ので駄目なの…?」


嫌だ、そんな筈ない。

そう思いながらも恐る恐る俯いていた顔を上げれば、満身創痍ながらも立ち上がり、此方へと歩いてくるリリアの姿があった。



「今のは正直ヤバかったですが…急所を避けてわざと攻撃を受けたんです。どうやら賭けに勝ったみたいですね?」


「そん、な…もう…身体が…」




私が全てを諦め掛けたその時…


遠くから私の名を呼ぶ声が聞こえる。

この声はお姉ちゃんと先生かな…


みんな私の心配をしてるんだろうな…こんなボロボロで負けそうになって…諦めろって言ってるのかな…


私の意識はどんどん遠退く…


そして誰の声も届かない暗闇の中…

私に微笑み手を差し伸べてくれる1人の少年…


徐々に離れて行ってしまうその手を掴もうと必死に追いかける私は、途中で足がもつれ転んでしまう。


ダメだ、私の手は届く事はなかった。

このまま意識が闇の中へ沈んでしまう…


そう目を閉じ、運命を受け入れたその時…





「双葉ッ!諦めるなっ!!」


その時…確かに聞こえた。

意識が薄れ行く中、誰の声も届きはしない。

そう思っていた私の心に大好きな声が聞こえる。


この世界に来て、離れてしまった私の初恋の人…

その人の声が聞こえた。


「えっ…?」


幻聴かな?と思いながらも、薄れ行く意識の中で声が聞こえた方を見る。

そこには、確かにいる。私の大好きな人が…


「なんで…私を…?」


私の目の前には、彼の恋人がいる。

何故、リリアさんでは無く私を応援するの…?


「なっ!なんで、恋人の私じゃ無くてフタバさんを応援してるんですか!?」


ほら、リリアさんも驚いている。

でも、ユウキくんはチラッとリリアさんの事を見ただけで、私の方へと向き一度大きく頷く。


たったそれだけ。

でも、私にとっては最高のエールだった。


ユウキくんの笑顔を見るだけで心がポカポカと暖かくなる。


私が怖くて震えていた時に、何処からか駆けつけ全てを解決してくれた私の、私だけの王子様…


この世界に来て恋人ができたみたいだけど…

それでも私はユウキくんの事が好きだ。


理屈じゃない。心がユウキくんと共に居たいと訴えかけている。


ユウキくんの笑顔…


その時に隣に私がいる事を想像する。

たったそれだけの事で無限の力が湧いてくる。



目が合っていた時間はわずか数秒…いや、1秒にも満たなかったかもしれない。


だけど私の意識はハッキリしていた。



ユウキくんは私に魔法をかけてくれた。

ううん…この世界に来る前、そのずっと前から…


ユウキくんの記憶が無くなる前から…私はずっと魔法にかかっていたのかもしれない。





そして、周りの声がはっきり聞こえる様になった。


私は本当に馬鹿だ…どうしようもなく愚かだ。



姉や先生達の声援が自分自身が心を閉ざしていた為に聞こえていなかった。

寧ろ、蔑すまれているとさえ思ったほどだ。




だけど、実際は違かった。


こんなにも…こんなにも暖かく、そして身体の奥底から力が湧いて来る…みんなごめんね…私、もう少し…あと少し頑張ってみるよ…




「双葉!頑張りなさい!あなたなら勝てるわよ!」


大切な姉が声を張り上げて応援してくれている。


「双葉ちゃん!最後まで諦めないでっ!!」


いつも心配してくれて、優しく声をかけてくれる雪先生の声援が聞こえる。


そして…


「自分を超えろ!双葉ッ!!」


いつも私の事を陰ながら助けてくれていた大好きな人の鼓舞が聞こえる。



あぁ…これじゃ諦めるなんて事はできないじゃないか…


大切な人達、そしてこの戦いを見守る見ず知らずの私の名を叫び応援してくれてる人達…



私を肯定してくれる人達に、今の私の全身全霊をかけた一撃を見せたい。



消えかけていた心の灯火に再び大火が宿る。



正真正銘最後の一撃。

この技に全ての想いを乗せ…


勝利をもぎ取って見せる!!!



「私はっ…絶対に勝つ!!」





〜〜sideリリア〜〜




ちょっとユウキさん!?何故フタバサンを!?


と私は思ったのですが…

フタバさんの瞳を見て納得した。


先程まで、完全に戦意を失っていた彼女の目には、再び勝利への執念が宿っていた。



ユウキさんらしいですね…


いつも通り身内同士の闘いでは、ピンチの方を応援する。いつもと変わらないスタンスに今日ぐらい応援してくれてもいいのでは?と思う自分もいるが、それじゃダメだ。


ユウキさんは私の力を信じてくれている。



フタバさんは見た目通りボロボロだろう…


次の一撃が最後の攻防だ…

私の勘がそう告げている。



その技に全てを掛け、私へと向かってくるだろう。


なら、私も決着に相応しい一撃をユウキさんへと見せたい。


貴方のおかげで、私はここまで成長できたと見せたい。そして、観客がフタバさんを応援し、私が何故か悪役のような状態の中、逆境を振り払い、勝ちました。そう笑顔でユウキさんの元へと戻りたい。



そして、決勝でユウキさんと本気の戦いをしたい。


今の私を…

そして、彼に教わり…改良を重ねる事によって全く別、リリアだけの技となった西音寺流の全てを…



ユウキさんに誓ったんだ!!この技で勝ち残り、貴方の元へと届かせて見せると!!


だから!!


「私にも負けられない理由があるんですっ!!」



自分でも驚く程お腹の奥底から湧き出て来る勝利への執着。




限界を超えろ。

散々言われ、そしてフェンリルとの戦いの中で一つ階段を登った筈だったが、ここまで手痛くやられてしまった。


なら、もう一歩…いや、何歩でも先へ進む…

ユウキさんと共にある為に!



今一度、己の限界を…




そして、2人の想いが交差する。




いつも私のピンチを助けてくれるユウキくんが好きです。


いつも私と一緒に笑ってくれるユウキさんが好きです。


こんな私に手を差し伸べてくれるユウキくんが好きです。


こんな私を暖かく見守ってくれるユウキさんが好きです。



「「この一撃に、貴方への想いを乗せ…必ず勝つッ!!!!!!」」




「西音寺流刺突術 秘奥義ッ!!!優希の恒星ッ!!!」

「薔薇園流、奥義ッ!!!龍双…勇気の輝星ッ!!!」



文字は違う。

だが、同じ人を想い…そして放った技が、今…一つの星となり光り輝く…



リリアは紫色の光を纏い

双葉は桃色の光を纏い



一等星の様に光り輝く2人がそれぞれの光の粒子を散らし、それが尾を引きながら一旦目掛け突き進む





「ハァァァァァアアッッッ!!!!!!!」

「ヤァァァァァアアッッッ!!!!!!!」


二人の雄叫びが重なり、そして…




「「勝つのは…私だっ!!!!」」




全身全霊、防御を捨てた二人の決死の一撃…

それがぶつかり合い


世界が光に包まれる。




キュインッ…


謎の効果音が聞こえ光が1箇所に収束し…



一瞬の時を経て


ドゴォォォッッンッッ!!!!



と凄まじい爆発を引き起こす。


ユウキが結界に改良を施していなければ、今頃2人によってこの場にいた人達は全て灰燼と化していたであろう。


それ程までの膨大なエネルギーが生み出された2人の一撃。



その直視できない眩い光が収束する。


この地へ集った全ての人が歴史に名を残す戦いの結末を心に刻む為に、手で目を覆っていた人達は徐々に舞台へと目を向ける。




そこには、両者共に倒れ伏し…ピクリとも動かない二人の姿があった。




ダブルノックアウト…この場合はルール上、先に立ち上がった者が勝者となる。



あちこちから声援が飛び交う。

俺の仲間たちも涙を流しながらリリアの名を叫んでいる。



そして…ピクッ…


小さくだが確かに指が動く者が居た。




最後の力を振り絞り、自分の得物を杖にし立ち上がった者…

この戦いを制した者の名は…










リリアであった。




あちこちから血が流れ出し、足元には血の海が出来上がっている。


だが、真っ直ぐ俺を見つめ力なくハニカミ…


そして俺から貰った紫水剣を突き上げ、仁王立ちしている姿を俺は一生忘れないだろう。




おめでとうリリア良くやった。

君は最高の弟子で最高の恋人だ…



そして、お疲れ様双葉…君の勇姿は目に…いや、心に刻み込んだよ…


どちらも凄かった…勝敗を決したのはたった一つの要因…




双葉の側で寄り添う様に砕け散った薙刀が倒れていた。

これもまた一つの結末なのかもしれない…


俺がリリアにあの剣を与えていなければ、負けていたのはリリアだったかもしれない。




「勝者ッ!!アルファッ!!」



そして、沈黙を破り審判が勝者を告げる。



ここに歴史に残る一戦が歓声と共に終わりを迎えたのであった。







次の更新は明日の正午です!


胸熱シーンを描きたくて遅刻したけど、結果微妙な感じになってしまった…


もう少し書きたかった気もしますが…


次回はソラの戦いをチャチャッと終わらせて(一応勇者)ヒロインとユウキをイチャイチャさせたいなぁ…



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