第113話 リリアvs双葉 下
本日2話目になります!
前の話がまだの方はそちらからお読みください!
「んん?今時間が…」
「どうかしたの?あなた?」
「いや、何でもないよ…ちょっと気になることがあってね」
今一瞬時が止まってた気がしたんだが…それにリリアの秘奥義が破られてるし…
どっかの神の介入でもあったのか?
「正解です…流石私のユウキさんですね?」
「うぉあっ!?誰だ!?」
「なっ!?気配を感じなかったのですっ!」
「ん、気持ち悪い」
急に耳元で囁かれ、飛び上がる俺に釣られ仲間達がすわっ!?敵か!?と各々武器を構える。
だが、この空間が神域と化してる事から気づいたが、なるほど双葉がリリアの秘奥義を破ったのは貴女の仕業だったんですね?
「マリアさん…何故女神である貴女が地上に顕現してるんですか?」
「なっ?!この方がマリア様なの!?」
「そうですよ〜?ペリドットで崇拝されていたマリアです」
されていた?どうして過去形なんだ…?
まぁ、それよりも聞きたいことがある。
「双葉の能力値が倍増したのはマリアさんの仕業ですね?」
「えぇ、そうです。彼女には私の使徒になってもらいました」
「へぇ…面白いですね」
使徒か…俺もイブの使徒みたいな物だから使徒仲間ができたな
「おや?怒るかと思いましたが案外普通なのですね?」
「そりゃそうですよ?あのまま戦いが終わってたらリリアの成長には繋がらないでしょう?」
「…流石ユウキさんですね。それよりも皆さんそんなに怯えないでください…」
「ん?おや、どうした?そんなに怯える程怖くないだろ?」
何故かローズとリンが震えながら傅いている。
なんだろう?
「…あなたは何で平気なのよ…女神様の顔を直視すると魅了されると言われているの…だから私は見れないわ。あなた以外に魅了されたくないもの」
「ん、なんか嫌」
そんな理由だったのか…てか、魅了なんてされるのか?
そう思いチラッとマリアさんの方を見ると、ニコッと微笑まれた。可愛い。
いや、違う。別に可愛いとは思うが魅了はされないだろ?
「…ユウキさん、一つ言っておきますが彼女達の言ってる事は本当です。ですが今この場にはユウキさんが居ますので問題ないはずですよ?」
マリアさんに声をかけられた2人が恐る恐る顔をあげる。
「あら、本当ね…御無礼をお許しください女神様…」
「ん、ごめんなさい」
「いえいえ、お気になさらず…っと、そんな事よりもお話がありまして…」
「え、良い話ですか?それとも良い話ですか?」
「選択肢にありませんが悪い話です」
えぇ…選択肢無視しないでくださいよ…やだなぁ…
「なんでマスターはそんなに普通に話してるのです?」
「え、逆に俺が遜ってたらどう思う?」
「キモいのです」
いや、酷すぎね?もう少しオブラートに包みなさい…
「…まぁ、そうだろ?それに最初は敬語で話してたんだぞ?」
「えぇ、私の方からいつも通り話すように言いましたので気になさらず。それで本題ですが…」
マリアさんから話された内容は、数日後のインカローズの状況であった。
詳しい話は神々の条約に引っかかるとの事で、軽くしか説明してもらえなかったが、態々地上に出向いたのだ。のんびり構えてるとヤバいのかもしれないな…
「では、私は戻りますが…その前に」
「その前に…?」
「ユウキさん…もう少し鋭くなった方がいいかもしれませんね?今後の為にも」
「はぁ?わかりました?」
そう言い残し消えてゆくマリアさん。
そうだ!試合はどうなった!?と思ったが2人とも獲物をぶつけ合っては離れ、ぶつけ合っては離れで試合の展開は全く動いていなかった。
「パパ…ルビーもさっきのお姉さんみたいになれるー?」
ここまで大人しかったルビーがキラキラした目で聞いてくる。どうやらルビーはマリアさんみたいな女性になりたいらしい
「もちろんだ!ルビーはもっと素敵な女の子になれるさ!」
そして俺たちはリリアと双葉の観戦に戻る。
女神と契約した使徒の実力…楽しみだ!
〜〜sideリリア〜〜
「ハァァァァッ!!これでっ、どうですか!!」
「ふっ、見えてますよ!!えいっ!!」
ガキィンッ…
先程から何度も鍔迫り合いを繰り返し、私は徐々に消耗してきていた。
くっ…このままでは押し切られてしまいます…なんでいきなり実力が上がったのですか!?
きっと奥の手を解放したのだろう。
そう思い、流石勇者の仲間だ…そう思ったリリアはユウキさんから与えられたスキルを吟味する。
何かこの局面を打開する妙案は浮かばないものか…
だが、現実はそんなに甘くはない。
「…考え事なんてしてる余裕があるんですか?!薔薇園流、心双刃躯ッ!!」
「くっ!?何なんですかその技…」
秘奥義が破られてから、フタバさんの反射速度や体力、そして武器を扱うテクニックが段違いになった。
そんな身体強化魔法があるなんて聞いた事ないです…これではまるで…
ユウキさんの様ではないですか…
そう思ったリリアはここで気づく
あれ?そういえば技名や初動は違っているが、薙刀の捌き方がユウキに似ている事に…
「薔薇園流…龍波翔刃ッ!!せやっ!!」
「くっ!またっ!?」
やはり似てます!!今のは槍術中伝の技である集槍網羅と酷似してますっ…それにあの動き方…
「なるほど…カラクリがわかりましたよ…」
「な、何の話ですか…」
彼女はどうやってかは知らないがユウキさんの動きを模倣してるのですね…態々別の技名を言うのは私に気づかせない為ですか…
「うまく隠してた様ですがその技はユウキさんの技ですね…何処で知ったんですか!」
「ッ!?」
もうバレた!この時双葉はそう思っていた。
ふふんっ!どうですか!私の推理は図星だった様ですね!甘いのですよ…私がどれほどユウキさんの技を見て来たか…積み重ね(ボコボコにされた)時間が違うのです…!!
気づいたところで対応策は無いのだが、結局はユウキの劣化版のような双葉に、先程までの焦りは消えて無くなり、冷静に教わって来た事を思い出す。
「真似だとしたらこの技が防げるんですかっ!?薔薇園流…滅龍刃槍・葵ッ!!」
「ぐっ…西音寺流刺突術 奥伝…渚の護燈ッ…」
もし、俺と同じ技を使うイレギュラーが現れた場合の対処法を教えておく…
そう言われ謎に覚えさせたれた相殺を狙える技を繰り出す。
まさか本当にあの時の訓練が役に立つとは…
ユウキ本人はコピー能力で技を盗まれた時を想定してたのだが、まさか双葉が使うとは思っても居ないだろう。現に今驚いているところだ。
「西音寺流刺突術 初伝 仙姫ッ!!」
そして、その後に続けて放つべき技も教わっていた。
「!?キャァァアッ!!」
やった!カウンター決まりました!
思わずガッツポーズしそうになり、まだ戦いは終わっていないと抑え込む。
「うぅ…まだ負けてないもん…ユウキくん…力を貸して…」
「中々しつこいですね…ですがユウキさんが力を貸すのは私にです!」
「違うもんっ!私にだもんっ!ハァァァァ!!!薔薇園流、陽光円刃ッ!!」
「なっ!?また速度が…!?何なんですかその力は!!?」
またしても速度が微増…いや、倍増している。
最早この戦いについていけてる人間は、ユウキ達以外には誰も居なかった。
速さと速さの凌ぎ合い…
果たして先に己の限界を迎えるのはどちらなのか…
「西音寺流刺突術 秘奥義…風…」
「薔薇園流…心双崩御…」
2人の技がぶつかり合い、衝撃波が発生する。
ユウキが改良した結界がうまく作動し、勢いを吸収するのであった。
再度鍔迫り合う2人…
至近距離で睨み合い言葉を交わす…
「勝負はここからですっ!!」
「望むところだよっ!!」
次の更新は今日中に上がれたら上げます!
無理そうだったら明日の正午になります…
次話で決着…多分長めになります…




