第105話 光の戦い?
自分に言い聞かせる為に天空の名前を出しまくってます…
〜〜side紅葉〜〜
ユウキ達がルルティアーナとのお茶会を楽しんでいる時、紅葉はクラスメイトと共に光の応援をしていた。
「むむ…?ユウキくんがまた新しい女の子を引っ掛けてそうな予感が…」
「え?本当なの紅葉ちゃん…?」
「気のせいかもしれないので確証は無いですけど…私のユウキくんに関する感はよく当たるので…」
哀れユウキ…今日も紅葉のユウキセンサーが絶好調だった為に死亡が確定してしまった。
「どうしようか?抜け出す?」
「いやいや、先生?一応天空くんの応援はしないと…仮にも引率者なんだから…」
雪先生のユウキくん贔屓は前から目立ってたけど、恋人関係になってからは、その比じゃないほどだ。
隙があればユウキくんのところへ行こうとするから油断ならない。
「むぅ…はぁ、ゆうちゃんに逢いたいなぁ…」
「それは同感ですけど…体裁は繕っておかないと…」
「でもさ!この大会が終わったらまた暫く逢えなくなるんだよ?今のうちにゆうちゃん成分を摂取しておかないと…私は死んでしまうかもしれない」
「えぇ…雪先生って意外とヤンデレ…?」
意外とでは無く割とヤバい。
ユウキが小学生の頃から自分好みの男の子に育成していた為にその愛は重かった。
「紅葉ちゃんはいつかゆうちゃんの旅に同行するんでしょ?」
「はい、その予定です…まだ道のりは遠そうですが…」
一応ユウキに告げてはいないが目標は見据えている。
「へぇ〜、やっぱこの大会と対極の魔導大会に出るの?」
「ですね…そこで優勝すれば文句無く歓迎してくれると思うので…」
「でも、きっとその大会にはクラスメイト達もこの大会よりも大勢出るわよ?」
そうなのである。この大会は武術が基本になるので天空くんや近接型のスキル持ちの子達が出てたのだが、基本女の子や喧嘩が苦手な男の子は魔法をメインにしている。
その為、この大会のクラスメイトからの参加者は、天空くんと双葉ちゃんを除いて3人…
「5人以外が魔導大会に参加となると残り25人はクラスメイトから出て、更にローズさんやルビーちゃん、リリア様にゆうちゃん…優勝できる?」
「それに天空くんは魔法も使えるのでそっちも出るつもり見たいですよ…前途多難ですけど、やるだけやってみます…」
詳しく言うなら双葉も魔導大会には参加するので、クラスメイトから参加しないのはよっぽど興味の無い連中だけなのであった。
「あら?ほら、天空君出てきたよ」
「あっ、本当だ…いつの間に前の人の試合終わったんだろう…」
ユウキの事を考えていた2人は、本日最後の試合…双葉の試合から天空の登場までの記憶が無かった。まぁ、目立つ試合が無かっただけの話なのだが…
「天空くんの対戦相手は…えっと、魔導王国ダークディマンド所属の騎士、堅牢なる者カディル…?」
「魔導王国なのに武闘大会の決勝に残るなんて凄いわね…それに闇って…ヤバい国なのかしら?」
「国の方は分からないですけど…情報だとこの人は身体強化魔法が得意でユニークスキル持ちみたいですよ?」
「えっ、召喚された人以外でもユニークスキル持ちっているんだ!へぇ〜、天空君大丈夫かしら?」
「んー、大丈夫だと思いますよ?この世界に来てから頑張ってましたし…」
「そうね…私たちも気合を入れて応援するとしましょうか!」
そして、試合が始まる。
「あれ?どっちも動かないですね…」
「どうしたのかしら?」
武術に全く齧っていない2人は、天空が敵の隙が無く、膠着状態になっている事がわからなかったのだ…
〜〜side実況席〜〜
「おや、いきなり膠着状態になってしまいましたね〜イリヤさんはどちらが先に動くと思います?」
「あむあむ…ん?なんだい?」
「いやいや!何食べてるんですか!?真面目に実況してくださいよ!」
「これすっごい美味しいんだよ?君も一つ食べるかい?」
「えっ?貰えるんですか…?実はさっきから気になってたんですよー!」
依然お見合いを繰り広げている天空達、それを見ている観客達もいつ動くのかわからないので実況の説明を待っていたのだが、何故かおやつタイムに突入している。
会場は謎の空気に包まれていた。
「いただきまーす!!うむ!?これ…すごく美味しい…なんですかこれ!?」
「これはね!ユ、デルタ君が差し入れしてくれたんだよ〜!彼、お菓子作りが得意みたいで、この前一緒に食べたケーキは僕が食べたお菓子の中で1番だったなぁ…あっ、勿論れも美味しいけどね〜」
「ふぇ〜、んぐっ…強くてお菓子作りが得意で…謎に包まれた素顔といい…なんともイケメン臭が漂うのですが…イリヤさんそこのところどうなんですか?」
「ん?彼の素顔の話かぁ…正直言ってこの世界で一番カッコいいかもね…勿論エルフも含めてね〜」
「!?!?き、聞きましたか観客の皆さん!!なんと、デルタ様はエルフ族をも凌ぐイケメンらしいですよ!!」
まさかの発言に観客席がざわざわと騒ぎになる。
この日を境にデルタファンクラブができるのだが…平和にお茶会をしてるユウキの預かり知らぬ所で世界の男を敵に回したのであった。
「おや?どうやらカディル君が痺れを切らしたみたいだねぇ〜」
「むふ、むふふ…はっ!?失礼しました!カディル選手は盾の使い手…自分から攻めに転じるとは中々ヒカル選手は動きませんでしたしね…」
「いや、君無かったことにしてるけど乙女がしちゃダメな顔してたからね?」
「なんの話ですか?それよりもヒカル選手も動きましたね…」
「はぁ…まぁいいや!本日最終戦…どんな戦いになるのか楽しみだね〜」
〜〜side天空〜〜
やっと動いたか…
実況席の話が少し気になったけど、一先ずこの戦いに集中しないとな!
「…シールドバッシュッ…」
「うおっ!!やりにくいなっ!」
片手剣とスモールシールドを持った騎士との模擬戦は何度かしたけど、大盾相手は初だ…
あまり時間かけるとこっちがまずい…あまり使いたく無かったけど、使うしか無いか…
「ブレイブオーラ…!!」
「くっ!?勇者の固有スキルか!?」
普段寡黙なカディルだが、この時ばかりは驚きの声を上げる。
「アメジスティア流…ブレイブアーツ!!」
ぐしゃっ…
カディルの大盾がひしゃげ、弾き飛ばされる。
「吹っ飛べ!!アメジスティア流…ライトニングブラストッ!!!」
「ガハッ!?」
盾が無くなり無防備なカディルに光の一撃が直撃…
そのまま場外へと吹き飛ばされ決着が着く。
膠着状態の時の方が時間的に長かったが、蓋を開けてみたら速攻決着が着いてしまった。
それでもこの大会初の勇者スキルの発動に観客達は大いに盛り上がったのであった。
そのまま、インカローズ国王から挨拶があり、王族が退席する。
その後、実況席から退席の案内が出て、興奮冷めきれぬまま、徐々に観客達が捌けていく…
明日は更なる激戦が予想されるが、ユウキは兎も角、リリアや双葉は勝ち上がれるのか…
ここに決勝トーナメント1日目が終了したのだった。
次の更新は明日の正午になります!
こうキャラが色々出てくるとまた忘れそうで怖い…メモメモしなくては…
11月8日23時頃 魔導王国の名前を変更しました。
それに伴い少しストーリーに加筆してますが、特に膨大な量を書き換えたわけではないです!
考えてる時間が無くて安易な名前にしてたところ、感想で案を頂きましたので、ストーリーに繋げられるように少し文字を付け足して採用させてもらいました!
ありがとうございます♪




