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駄女神に信託を受けた俺、世界最強の流派で異世界を無双する!  作者: 雪月花
神が創りし至高のケモ耳
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第102話 リリアvs SSランク冒険者

リリアのターンになります!



〜〜sideリリア〜〜




ワァァァアッ!!!



観客達の歓声が聞こえる。

前の方達の試合が終わったみたいですね。


ユウキさんは、あの黒薔薇騎士団の団長さんに勝ってしまいました…


魔法を封じ、身体強化をしていない状態で…です。



正直なところ流石のユウキさんでもあの方に勝つのは厳しいのでは無いか?なんて考えてた自分が恥ずかしい…彼女失格です…



リリアがこう思うのも仕方ない。

何故ならクロトは、前大会の覇者…


即ち、この大会が始まるまでの1年間、世界最強の騎士として崇められていたのだから。



でも…


1人待合室にいるリリアは思う。


「ユウキさん以上に強い人なんて居ないのでしょうか?」



ユウキさんと出会ってから私の運命も大きく変わったと思います。


まず、まさか自分が剣を携え、この大会に参加する側になるなんてほんの少し前までは考えられませんでした。



私が12歳で魔法学院に入学するまでは、国王である父に連れられ、この大会を観戦しに来たことが何度かあります。


その度に興奮していたのを思い出しますね…懐かしいなぁ…



「次、アルファさん出番です!」


案内係に私の偽名が呼ばれる。


あぁ、もうそんな時間か…


一戦一戦で舞台上に壊れた箇所が無いかを確認する為に間が開く。



ユウキさんの試合を見てから、私の出番が来るまであっという間だった。



「私の対戦相手…うぅ…強そうです…」


今更緊張してきたリリアは、相手の異名を聞き萎縮してしまっていた。


そのまま舞台に上がり相手と対面する。



「ふーん、君が僕の相手かい?女の子かぁ…僕は女の子に手を上げる趣味は無いから、できれば降参して欲しいんだけど…ダメかい?」


この方は、冒険者ギルド所属、貴公子カイル…世界に片手で数えるほどしか居ないSSランク冒険者だ。


「…私の事を女だと思って油断してると痛い目に遭いますよ?」



緊張している私はチラッと観客席…その貴賓席に座る父の姿が見えた。


頑張れ。


聞こえはしない。だが、確かに聴こえた気がした。



そして…個室に居るはずの仲間達の方へと視線を送る。


すると…



誰もこっちを見てなかった…え?


だ、誰も見てないんですけど!?な、何でですか!?応援してくれるって言ってたのにっ!!



あろう事か窓際には誰も居ない。


と言うよりもマジックミラーになってる為、外から内側を視認する事は出来ないのだが、緊張しているリリアはそのことに気付いていなかった。



うぅ…私なんて皆さんにとってどうでもいいのですね…ぐすんっ



既に半泣きのリリア…


その様子をキチンと見ていたユウキは、何してんだあいつ…とげんなりしていたのだが、リリアには分からない。



「さて、両者準備は宜しいですか?」


「あぁ、僕は構わないよ」


「わ、私も大丈夫…です…」


正直メンタルはズタボロだったが棄権など毛頭するつもりもない。



この大会は自分の成長を確かめるために参加した。ここで負ければ修行が足りて無い。そう思い1からやり直すつもりでいる。



ユウキさんの隣居る為に…私は強くならなくてはいけないんです!!



一度頬を叩き、気合いを入れ直す。


そして顔を上げると共に試合が始まった。



「では…始めっ!!」



ゴングの音と共に一瞬で肉薄して来たカイル


その速さは流石SSランクまで上り詰めただけある…


だが、速さだけなら圧倒的にユウキの方が速い


「西音寺流刺突術 中伝 雨燕ッッ!!」


「ッ!?中々速いねっ!!これは先程のセリフを撤回しないといけなさそうだな!」



私の剣技を初見でいなされた。その結果に驚きはしなかったものの世界の広さを痛感する。


「此方もあなたの実力に驚きました…本気で行かせてもらいます!」


初戦からこんな強敵と戦う事になるなんて…と自分のくじ運の無さを嘆きたい気持ちもあったが、それよりもカイルをどうやって崩すか…



ユウキさんの教えその一、強大な敵と対峙した時、思考を常に己の最適解だと思う行動をし続けろ。それが悪手でも必ず何かしらの動きはある。身体だけじゃなく、頭も使って生き抜け!



ダークフェンリルとの戦いの時もそうだったが、あの時も理不尽な程の強敵の前で、思考を止める事はしなかった。



キンッ!

ガッ!!


何度か打ち合いを交え、大きく飛び退いたカイルは再び剣を構える。


それに呼応するように私も西音寺流の構えを取る。



「…飛空剣 ライアッ!!」


「西音寺流刺突術 中伝 疾風剣舞ッッ!!やぁぁぁぁあ!!!」



お互いの技が交差する。


「やるね…でもまだまだこれからだよ!!」


そこから怒涛のカイルの猛攻が始まる。


「せやっ!はぁっ!ここだっ!!」


「くっ…隙が無いッ!」



今のところ何とか致命傷は防げているが、細かい傷がどんどん量産されている。



このままではまずいですね…何とか反撃に出ないと



「ユウキさん…力を貸してください…西音寺流徒手格闘術 奥伝…羅刹ッ!!!」


「ガハッ!!急に力が強く!?」


羅刹…この技は一時的に筋肉を膨張させ、普段出ない力を出すことが出来る。だが、その反動は大きかった。



「くっ…左腕は使い物になりませんね…」


カイルの猛攻から抜け出す為の代償は大きかった。


「ですが私の技は片手で何とかなるので…助かりました…」


ユウキに一度見せられた羅刹は一撃で魔物をミンチにしていたが、リリアの筋力ではカイルの防御を突破して致命傷を与える事は叶わなかった。


「くっ、やるね…僕のライアーを抜け出す人物が居るとは思わなかったよ」


「それは此方の台詞です…まさかさっきの技を受けてもピンピンしてるなんて」


「僕は衝撃を受け流すのが得意だからね。さて、仕切り直しと行こうか!」


カイルが一歩を踏み出す。


「いえ、今度は此方が攻める番ですよ?」


はっ!と気づいた時には既にリリアは目前で剣を突き出す動作に入っていた。


「なっ!?」


「驚いてる暇はないですよ?」


それだけ言い私はノーモーションで次々に刺突を繰り出す。


「西音寺流刺突術 奥伝 無限旋律…」



ユウキさんは私の短所は筋力の低さだと言った。

筋肉トレーニングをしても全くと言っていいほど太くならない私の腕に、頭を抱えていたのを思い出す。


そして、長所


それは、筋力の無さから生み出されるしなやかな連続攻撃だと言った。


私は筋力をつけるのを諦め、ユウキさんのアドバイス通りに柔軟メインに技を放つ。


そして新しく作り出した技がこの技だ。



「この技はデルタでも苦戦してました…あなたにこれが破れますか!」



呼吸は浅く鋭く、ただ敵の弱い所を突く



「ぐっ…ガァァァッ!?」



往なしきれなくなったカイルがとうとうリリアの攻撃を浴びる。


秒間数十発の刺突を浴び、ズドドドドッとカイルから鈍い音が聞こえる。


一度大きく距離を取り深呼吸する。

そして最後の型を構える。


「すぅ…西音寺流刺突術 繋ぎの型…聖天」



パリンッ…



細い剣が繰り出された刺突は、カイルを闘技場に張ってある防御結界を突き破り天高く舞わせる。



カイルよりも上空に飛び上がったリリアは、重力に身を任せ最後の技を繰り出す。



「これで終わりにしましょう…西音寺流刺突術 終の型 奥伝 終焉の独唱曲(アリア)




ユウキの技…流星拳に影響を受けたリリアの一撃が決まる。



ズドォォォオンッッ……



リリアが上空からカイルを伴ってステージへと彗星の如く落下する。




スタッ…



地面へとぶつかる寸前に飛び退き、華麗に舞台へと着地し、剣を納刀する。




「私の勝ちです」


「カイル氏の戦闘不能を持ちまして、勝者!!アルファ!!」


審判によって勝者の名が告げられる。


ユウキが闘っていた時よりも盛大な歓声に包まれた場内。




試合が終わり、ユウキ達がいる方を向き思い出した。


あっ、あそこ外から中が見えないようになってたんでした…



その事を思い出し、ユウキ達は必ず私の事を見ているはず…そう思ったリリアは、満面の笑みでこちらからは見えないユウキ達に向け、Vサインを送るのであった。







次の更新は明日の正午になります。


次回はユウキ視点から双葉の観戦です!

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