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世界を救うのは僕しかいない!?  作者: 灰色蛍
プロローグ
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【第五和】女子トイレ


一日休むことで手の痺れや痛み、身体の筋肉痛も取れ清々しい一日の始まりだ。


今日やることは昨日書いたステータスのレベルアップだ。所謂レベリング。


という訳で僕はいま屋上にいた。何をするのか、などと、決まっている。レベルを上げるにはひたすら練習。それも実際にやってみることに限る。てなわけで、僕は鉤縄を屋上の手摺に引っ掻けて下に降りる。


因みに物凄く面倒くさいが、今日から登り降りはこの鉤縄で行うと思う。



本当に面倒くさいが。


てなわけで背中にシャベルや小道具を背負い下に降りる。


さてはて。それでは今日からまた一段と気合いを入れて始めよう。


学内清掃を。



といっても箒と雑巾もって掃除するわけではない。


目的のひとつである学内からのゾンビさま退去を実行するのだ。


因みに、四階、三階のゾンビは全て片付けた。

三階と二階を繋ぐ道は防火シャッターで閉めてふさぎ、ゾンビがあとから来ることもない。


取り敢えず今日は二階のゾンビを減らそう・・・。


あれ?なんで僕一階まで降りたんだろ?



そう思ったが、二階に上がるのが鉤縄の練習になるからいいやと納得した。


鉤縄を使い、階段なら三十秒で行ける二階に二十分かけて上がる。



防火シャッターを閉めた影響か、二階のゾンビの数が少しばかり多い。

と言ってもパッと見で十体前後。

教室などに隠れている個体もいるかもしれないから、もう少し増えると思うが。


「よしっ」と気合いを入れ、シャベルを構え僕は走り出した。




・・・・・・


囲まれた。失敗した。やっちまった。


僕は女子トイレの個室でバンバンと叩かれる扉に怯えブルブルと震えていた。




何、ことの始まりはいたって普通のことだった。


隠れながらゾンビキルをしていて、大分ゾンビ数が減ったと思って油断した。


どんな油断をしたがって?


いや、あれだ。


ちょっと女子トイレに入ってみた。

いや、別に、その、あれだ。


やましい気持ちなどない。

ただ、ちょっと気になったというか、目についたというか。

大丈夫。まだ女子更衣室には足を踏み入れてはいない。


と、そうではなく。

本当にただなんとなく足を踏み入れ、男子トイレとの違いになんとなく違和感を覚え色々見ていたら・・・


その、なんだ。

完全に油断していて、ドアからゾンビちゃんが入ってきちゃったのだ。


思えばこの時速攻でこのゾンビを倒せばよかったのだろうけど。


僕はあろうことか個室に逃げ込んでしまった。


そうしてその扉を叩くゾンビちゃんに、その音に集まるゾンビーズ。


そうして出来上がったいまの状況。


扉の前には四 五体のゾンビ。

さっきから上から登ろうとしているのか扉の上に手をかけたりしてる。もちろん、その手は僕がすかさず叩いているから登れないのだけど・・・グロテスクな現状に僕の心はボロボロボーロだ。


もともと腐っているから脆いのだろうけど、上にかけられた手を叩くときに一緒に指が取れたりするのだ。


ちょっと精神が異常になりそうだ。


具体的にいうと、そろそろ奇声をあげて暴れまわりそうだ。



・・・


いや、これはもう覚悟を決めるしかない、・・・か?


これ以上ここにいても状況は悪くなるだけ。最悪扉を壊されて人生終了。


それに、・・・僕は奇声をあげて暴れまわるとちょっと色々コントロールがつかない。


いままでは広い場所だったから大雑把でも大丈夫だったけど、ここは女子トイレだ。

取り敢えず狭い。

そんな中では発狂した僕では壁にシャベルをぶつけて自滅するのが目に見えている。


よしっ、と気合いを入れた僕は手始めにドンドンと叩くこの扉を蹴破った。


最近筋力のついてきた僕の蹴りで扉ごとその前にいた2体のゾンビを転ばせた。


だが残念、ゾンビはあと三体もいる。。


取り敢えず僕は一歩踏み出し一番近くにいたゾンビの頭めがけてシャベルを突き立て、そのまま腕を引くようにシャベルの柄で右にいたゾンビの頭を叩き割り、襲いかかってきた左のゾンビを足蹴りにし引かせ、振りかぶったシャベルで頭部を破壊した。


この間僅か三秒。


「ふぅ」


グサ、グサと。


倒れた扉と共に倒れているゾンビ二体二の頭もシャベルを突き立て倒しておく。



五体のゾンビ。思っていたよりなんとかなった。




取り敢えずこのまま外に出るのは少し怖かった僕は女子トイレの窓から鉤縄を使って外に出た。


その後は二階に鉤縄で戻りたんたんと清掃活動。

そんなこんなで一日を潰した。




いやはや。


個室に入るときは、出口に気を付けないと。あと、慌てて不用意に立て籠るのもダメだ。


僕の成長はどこまでだって続くのだ。

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