【第三十一話】戦いの終わり
全てに決着がついた。
僕は半ば更地になったこの場で力尽きたように膝をついた。
たくさんのゾンビ、変異体。
そして鉄ゾンビや炎ゾンビのような完成体。
更には巨大鉄ゾンビや炎の化身のようや化物。
それだけの魑魅魍魎が暴れまわったこの場は本格的に更地になっている。建物などは完全に原型を止めておらず、爆撃でも受けたかのような有り様だ。特にこの付近に電柱が一本も立っていない。
・・・もう巨大鉄ゾンビが来ても勝てない、ということだ。
僕は膝をつくついでにそのままゴロンと寝っ転がった。大の字だ。
流石にこれ以上は動けない。緊張の糸が切れたからか、本当に動く気力が出てこないのだ。
初めはどうなることかと思ったこの戦いもなんとかなった。
本当に・・・何度死を覚悟したか・・・。こうして生きているのが仕方がない・・・。
人間・・・辞めちゃってるなぁ。
なんて、そんなことを思うしだいです。
事実、いまの僕は人間の枠に収まらない。肉体的にいまの僕は超変異体、上位ゾンビと同じくらいの力がある。
ゲーム的に言えば、ステータス値が同じ位だ。
もっとも、ステータス値だけだけど。
上位ゾンビくらい全快時なら三秒で倒せる。
鉄ゾンビもいまならたぶん、真っ二つにするのもそんなに苦労しない。
炎ゾンビの炎もシャベルの風圧で吹き飛ばせるし、馬ゾンビの剣のような腕もそのまま斬り飛ばせる。
・・・こう考えるといまの僕は本当に人間を辞めてしまっている。
肉体的・・・これが精神的な面でも人間を辞めてしまったら・・・本当の化物になるのだろうな。
僕、まだ人間だよね?心とか。
ーーーーーー
気が付いたら僕は盛大に寝ていた。
と言っても丸1日、と言うわけでもなさそうだ。体力の回復具合やこれまでの感覚から精々二時間。三時間は経っていない。
僕はムクリと起き上がると動けるようになったのを確認する。
十全とは言えないが七割程度回復している。
僕は立ち上がるとそこら辺からシャベルを掘り起こし、それを背中に担ぐ。
「取り敢えず、帰ろう・・・と、その前に」
僕は先程ちらりと目に入った自身の左手を見て顔をしかめた。
この現状はあまり良いものではない。
僕は変える前に適当な建物に入ってカーテンを引っこ抜くとそれを腕にぐるぐると巻いた。
「これでいいか」
あとは帰るだけ。帰って、おっぱいを、揉む。
その為だけに頑張ってきたのだからーーーー。
この時。僕はその未来を信じて疑っていなかった。




