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世界を救うのは僕しかいない!?  作者: 灰色蛍
プロローグ
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【第三話】鉤縄

あの死ぬかもしれない体験をした僕は考えを新たに地道に活動を始めた。


取り敢えずまずは体を鍛えること。

といっても、ただ筋トレをするつもりはない。


やるとこは主に4つ。

一つは一番大事な逃げ足だ。


ゾンビに追われたときに兎に逃げきれるだけの持久力をつけないと。速度はそんなに必要じゃないけど、最低でも二時間は走り続けられないといけない気がする。


二つ目はゾンビを倒す腕力。アレから新しいシャベルを入手した。もちろん柄も木製じゃない。マルチシャベルとかなんとかいうやつでシャベルになったりノコギリになったり鍬になったりするやつだ。


これで素振りとかして振るうための力を付ける。


三つ目はジャンプ力。もちろん、この前のネットで思い至ったことだ。


逃げる際もジャンプで障害物を飛び越えられればかなり有利に立てるし。



そして四つ目は・・・鉤縄だ。


これさえ習得すれば僕の逃走術はかなりハイレベルになれる・・・気がする。


取り敢えず、追い込まれたときの逃げ道になりうる。


そのため綱登りとか覚えないと。




そうして僕の修行が始まり、


二日目にゾンビに囲まれた。





なに、別におかしなことじゃない。

ただちょっと、調子に乗ってしまっただけ。


新調したシャベルの切れ味が良くて、思わず興奮し『クケケケケケケケケェェェッ』と謎の奇声を上げなら暴れていたらいつの間にか囲まれていた。



と言っても、僕も二日前までの自分ではない。


現在三階廊下の窓際に追い詰められたけど、全然問題ない。


このくらいの高さなら鉤縄を引っ掻けて下に降りられる。


つまり余裕だ。


僕は窓を抉じ開け鉤縄を窓にかけようとして手を止めた。


何故手を止めたかって?なに、不思議じゃない。


ただ、朝トイレに行った時に邪魔だったからフックにかけてそのままだったなぁ、と思い出しただけなのだ。


そう、そのままかけっぱなし。つまり、手元にない。


・・・ふっ。


僕は飛んだ。窓からダイブだ。いやまぁ、三階から地上に一気に飛んだわけじゃないけど。


二階にある渡り廊下に飛んだわけだから一階分を飛んだのだけど、着地に凄い衝撃。ぐるんと回って受け身というか衝撃を逃がしたんだけど、ビリビリと足が痺れ涙が出そうだ。


僕が飛んだ窓にはゾンビがわらわらも顔を出している。これも間一髪というのかな。


咄嗟の判断だったけど、あのまま残らなくてよかった。


今日のこれでまた一つは僕は成長した。


忘れ物はもうしない。







幾度目か忘れてしまうほどの命の危機を脱した僕はもう忘れまいとトイレに置き忘れた鉤縄を腰にセットした。


この鉤縄は実は結構良いものだったりする。


初めは何かしらの道具を使って手作りで作ろうも思ったのだけど、前に社会の先生が『忍者の道具』といって授業中に見せていたのを思い出したのだ。


忍者オタクというか、忍者好きで、鉤縄だけでなく手裏剣やクナイ、まきびし、鉤爪などたくさんの道具を持っていたけど。


正直、ゾンビ相手に有効な道具がない。


しかも、クナイも手裏剣も刃は潰してある。余計に殺傷能力がないのだ。


やはり、シャベルが一番ということだろう。



ということで、僕は早速さっき試せなかった鉤縄を試してみることにする。


今いるのが四階のトイレで、取り敢えずここから一階に降りてみよう。初めてだから命綱も着けてやってみるが。


鉤の部分が外れないようなに注意して降りなくてはいけない。


取り敢えずゆっくり目に壁づたいに降りていく。


二階まで降りるだけで結構な神経を使う。額の汗を脱ぐいながらそこからは順調に降りれた。


降りたあと鉤縄をはずすのが大変だったのと、外した後の鉤縄が真上から降ってきて突き刺さりそうになったのは怖かった。


こうして降りることができたのなら今度は登りだ。


鉤縄の縄を手に、ぐるぐると鉤縄を回し四階のベランダの手すりに投げる。


・・・因みにこれなかなか上手くいかず二十分くらい繰り返した。


そしていざ登るぞ、なって、登ろうとしてわかった。


・・・・・・登れない。


登ろうとしても手が滑って登れない。また手に力を入れて無理やり登ろうとしたんだけど、腕力だけじゃ直ぐに疲れて一メートルも登れない。


・・・あれ?思っていたのと違う。


僕の想像の中では颯爽と綱を登っていく自分の姿があるのに。


これは・・・あれだ。不良品なんだ。

欠陥品なのだ。




・・・・・・嘘ですごめんなさい。僕の力量不足ですはい。


綱から手を放し上を見上げる。

予想じゃこれくらい結構なバンバン登れるものだと思っていたけど・・・これは練習が必要だ。


今日はゾンビの相手は止めにしてこれの練習に当てよう。


ふむ。

また僕は成長できるはず。



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