プロローグ
皆さま初めまして、ピクシブから流れた三流作家です。
ピクシブでは金世界を掲載してたけど、そっちはしばらく休んで先にイモパニ(妹パニック!)を書こうと思いまして。
金世界の再開はイモパニの連載が終わったらやる予定です。(気分次第で書くかもしれません)
あと、イモパニの更新頻度について、気分次第に更新すると思います。一か月に二、三回更新することも、二三か月に一回更新することもあるので、ご了承ください。
それでは、よろしくお願いします(ペコリ)。
――――星暦115年三月三日
チュチュチュと、鳥が鳴いてる。
リンリンリンと、アラームが鳴る。
うるさい一日の始まり。
幸か不幸か、俺のうるさい一日はこれだけじゃない。
「兄さんいい加減起きて!」
カンカンカンと、妹の幸子がフライパンを叩いてる。それは俺を起こすためだって知ってる。
でも、今日は......
「皆も早く起きて、朝食できたよ!」
(皆......?)
脳はまだはっきりしていない。ぼんやりとした中、俺は目を開けた。
(!?)
あまりの出来事に、俺の目が一気に覚めた。その出来事は――ベッドの隣には女の子たちが寝ている。
「もう食べれないよ、にぃに......」
金色の髪のあの子は「天取 スー」。部活での後輩で、なぜかいつも俺のことを「にぃに」と呼んでいる。
「むにゃむにゃ......ありがとうございます......」
桃色の彼女は「宇田 ナナ」。学校の後輩で、皆が慕う学園アイドル的存在。なぜか俺を「お兄ちゃん」と呼んでいる。
「シーユー、ブラザー。ん......」
橙色のは確か......「プリスティン 萱」だったはず。最近帰国したばかりの帰国子女。原因は不明だが、俺のことを「ブラザー」と呼んでいる。
そして......
「いい加減起きろ!」
ドンドンドンと、扉を打つ音。それを作り出したのは俺の妹――「藤村 幸子」だ。
っと、その前に、誰か説明してくれ。これは一体どういうことだ?
年=彼女いない歴の俺の部屋の中に女の子が寝てることを、誰か説明してくれ!それに、なんでだ?なんで俺たち皆裸なんだよ!!......いや、実際は皆じゃなくって、俺だけパンツはいてる。
「起きろつったろうが!このゴミ人間ども!」
ドン!パタン!と、扉を蹴り開けた。現れた赤い髪の女の子が俺の妹だ。
「――!!キャアアアアアアア!!!」
「ヒィィ!!すみませんすみません!ごめんなさい幸子様!今すぐ着替えるので!」
そしていきなり上げた叫び声。
おはよう、世界。
そして改めて、これからよろしく、俺のいかれた日常。
誰からの説明ももらえないこの状況だ、自力で整理するか。まずは昨日の事を思い出そう。
――――星暦115年三月二日
「父さんが!?」
病院からの電話だ、医者さんは父さんはもうすぐ死ぬと言った。
あの父さんがか?と思うけど、さすがに医者の言葉を嘘だと思うことはない。
だが......なんでだ?なんで医者さんの娘?
なんで娘さんに電話を任せたのだろう......と、行ってから考えようか。
早退して、病院に行って父さんの様子を見に行きました。だけど......
「グヘへへ、いいじゃねぇかお嬢ちゃんよ~俺の嫁になってよ~」
「何やってんだよ、父さん。」
どう見てもただの酔っぱらいがナースさんに絡んてるようにしか見えない......いや、これは紛れもなく犯罪だ、相手はただの小学生だ。
父さんは去年から病院に来た。病気なのはわかるけど、これはさすがに......いや、そもそも父さんの病気は何だったんだ?もしかしてロリコンなのか?
いや、違う、ロリコンは病気じゃないな。ただの特別性癖だ。
「お?健二郎じゃねぇか!どうしたんだい、こんなところに来て。」
「父さんがすぐ死ぬって言われたからな。元気そうならいいか、帰るわ。」
あれは医者さんの娘の悪戯だとしか思えない、こんな父さんが死にかけてるとかふざけすぎだろそもそも。
「待ってください、健二郎さん!」
「なんだよ、お嬢ちゃん。もしかして三人のほうが興奮するとか~?」
「ち、違います、お父さん!」
ナースさんに呼ばれて、足を止めて振り向いた。
そして、ナースさんは俺にその信じがたい事実を明らかにした。
「お父さんもいい加減にしてください、病気にやられる前に殺すぞ。」
「こ、怖いこと言うね、君......」
ナースさんに怯えて、ベッドに戻っていった父さん。
「こっち来い、健二郎。」
「どうしたのか、父さん。」
そちらに移動したら、父さんがいきなり倒れた。
「と、父さん!?」
「おっとと、すまねぇ。」
父さんを支えたら、すぐ父さんの異状を気づいた。
「父さん......」
ものすごく熱い。熱があるだろう。
「俺、もうすぐ死ぬかもしれん。」
「ど、どうしたの、そんなこと言って。」
「お前に言わなきゃダメなことがあるんだ、聞いてくれるかい?」
「そりゃ聞くでしょ?なんでいきなり......」
「俺はね、お前に妹を作ったんだよ。」
「え?幸子でしょ?その妹。」
「あ、そういえばそんな子も居たな、確か。」
――は?
俺、さっき何に聞いたの?そんな子も居た?
幸子様はお前の娘だろうが、なによその言い草!てか、これ、完全に不倫発言じゃないの?別のところで子供作ったのか、こいつ。
「その子の他にもいるよ、お前の妹。」
「おい、もうすぐ死ぬからってそんなこと言っちゃダメだろうが、このクソ親父!」
「お前が言っただろ?弟が欲しいって。」
「そりゃ言ったけど、母さんが死んだから諦めたけど......で?」
まさか!?
「世界中を旅しながらお前の弟を作ってたのよ、俺は。」
世界中を旅しながらってのは仕事があるからだけど、それで不倫?ふざけんな!
(俺はそこまで弟が欲しいわけじゃねぇぞ、クソ親父が!)
「知らないと思うから言うよ、今の人口数は80億。詳しく言うと80億334人だ、俺含めて。」
「それがどうした?それに、なんで知ってるの、そこまで。」
ありえないだろうが、そこまで把握してるのは。
それに、人の数は少しずつ増えていくのよ、お前が俺を知った時からでも。
「そりゃ......」
ごくり。
「世界中の人は、全部俺の子供だからな。」
「......」
......
「え?どういうこと?」
「もう一回言う。世界中の人は全員俺の子供だ。」
「ちょ、ふざけないで真面目に......」
「ふざけてない、本当だ。」
「じゃあ教えろや、その子供たちの母は?どこ行ったの?」
「俺が殺したのよ、娘しか産んでくれない女は要らんから。」
......
何言ってんだ、このクソ親父。
娘しか産んでくれない女は要らん?
本当に何言ってるの?意味が分からない。そんな理由で殺したの?それで捕まれずに、ここまで戻ってきたの?
「だから、今の世界中の人は皆、お前の妹だ。」
「は!?」
いや、冷静になれ、俺。
これは絶対嘘だ、このクソ親父が用意したドッキリだ。俺が信じたら後ろからいきなり「ドッキリ大成功!」って言いながら入ってくるのよ。
「すまんな、弟作れなくって......ダメダメな父さんですまん......な......」
「ちょ、親父?クソ親父?」
そしていきなり息の根を絶ったクソ親父。
「ふざけてないで起きろ!それは嘘だろ?嘘だよね!?」
「......」
「黙ってんじゃねぇよ、クソ親父!教えろ!」
「......」
「おい、おいおい、クソ親父――!!」
ドン!パタン!扉が開けられた。予想通り、これはド――
「これからよろしくね、お兄ちゃん!」
ドッキリだって......誰か教えてほしい......