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○○○と休日②




「ミハルちゃんは足速いから、いいな」

「なんだ、唐突に」



トシユキの元にナオユキが訪れていたちょうどその頃、ミハルはサクラの家へ遊びに来て、


「そろそろ運動会があるでしょ?サクラは足が遅いから・・・、恥ずかしいなって」

「そんなことはない。私だってパンがぶら下がってなきゃあんなの走る気にならん」

「そ、そっか。あ!ミハルちゃんダメ!そのキノコ小さくなっちゃうやつだよ!」

「えっ」


某テレビゲームをしていた。


「そろそろ飽きてきたな。何をする?」

「あっ、あのね、ミハルちゃん!今日ねっ、ママの誕生日なの!だから、買い物に行って一緒にプレゼント選んでくれない?」

「・・・いいぞ。行こう。ご飯はどうする?」

「それがね、あ、ちょっと待って」

「?」


「じゃーーーん!」


キッチンの方から顔を出したサクラの手には


「サンドウィッチか!」


「へへ、サクラが作ったんだよ。・・・嫌いじゃない?ミハルちゃんたくさん食べると思って、たくさん作っちゃった」

「好きだぞ、ありがとう。全部食べる」

「よかった、せっかくだから買い物の帰りにピクニックしましょ!」

「いいな、そうしよう」



そうして、冒険気分のような、ウキウキした気持ちで2人は町に繰り出した。









時刻は12時半。

ショッピングモールは賑わっていた。


「どんな物が好きなんだ?サクラのお母さんは」

「うーん、クッキーは焼いたんだけど・・・」

「クッキーも?すごいな、サクラ、料理できるのか」

「うん、簡単なものは。クラブで作ってるから」

「クラブ?って家庭科クラブか?」

「そう!いいお嫁さんにな、なれるように・・・///」

「・・・そうか」


いいお嫁さんか。

いいお嫁さんになればトシユキも認めてくれるだろうか。


「それでね、ブーケはミハルちゃんに受け取ってもらってー」


どうやらサクラは例のキザな少年との、未来妄想をしているようだ。


「ブーケ」

「それで、その後・・・え?ブーケ?」

「花はどうだ?花束、プレゼント」

「・・・あ!いいね!可愛い!」

「決まりだな。マレンのところに行こう」

「うん!」


しかし


「休みだな」

「・・・」


残念ながら、花屋は臨時の休みだった。


「・・・サクラ?」

「・・・ぐすっ」

「え、あ、おい。泣くな、大丈夫だ。他にももっと良いものがあるはずだから」

「だって・・・お花・・・がよ、かっ・・・」


どうしたものか。

なぜよりによって今日が臨時休業なんだ。


その時、困り果てたミハルに、声がかかった。


「あれ?何してるの?」














「ツルタマレンジャー!ほぉあっ!てぃやっ!」

「・・・」

「ハードボイルドアターーッkいててててて痛い!」

「静かに見れないのか、攻撃するな」



土曜日


いつもであったら外で元気に遊ぶ2人の男児はその日、アニメ鑑賞をしていた。

もっとも、アニメを見ているのは弟の方だが。


「あ、第14話からのDVDがねぇ!」

「またどこか変なところに置きっぱなんじゃないの?」

「ちげぇよ!しまったもん!アスカが!」

「俺かよ。ならちゃんとしまってあるはずだよ。・・・あ」

「?」

「トシユキさんに貸しちゃった」

「はぁ!?なんであのおっさんに!?いでっ」

「こら、おっさん言わないの、お世話になってるだろ」

「おっさんはおっさんだろ」

「・・・どうする?取りに行く?しばらく前に貸したからもう見終わってるはずだけど」

「う〜〜〜」



「行く!!」















「あたし、店長に今日渡さなきゃいけないものがあったんだけど、お店に忘れちゃったから取りに来たのよ。でもミハル様とサクラちゃんに会えるなんてラッキーだった♪」


「グットタイミングだな」

「うん、マレンさんありがとう」

「いーえー」




「あれ?何してるの?」


困り果てたミハルに声をかけたのはマレンだった。


「マレン!」

「ミハル様にそんな嬉しそうに呼ばれるなんて!生きててよかったーーーっ!」

「マレン、少し静かにして」

「あ、通常・・・。で、どうしたの?」


「あ、あのね・・・」




「なるほどっ。ならあたしが花束作ってあげるよ、少し待っていてね」


そう言って花束を作ってくれたのだった。


「今からトオルのところに行くのか?」

「そうだよ。でもさっきから店長電話に出ないんだよね。家に行ってみようかな。ミハル様達はこれからどこに?」

「ピクニック!」

「サクラがサンドウィッチを作ってくれたんだ。天気がいいから外で食べようかと思ってな」

「いいね!サンドウィッチか、なんだか少しお腹すいてきたなー」

「一緒に食べるか?」

「あぁ、大丈夫だよ、店長の家に行ったら何か作るから。ありがとうね、また誘ってよ」

「ん」

「はい!」


それじゃあ、そう言ってその場を離れようとしたマレンだったが、少し歩くと振り返った。


「いい公園を知ってるよ、近いから、行く?」


2人は顔を見合わせ


「「行く!!」」











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