表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

○○○と休日①


5月も下旬に差し掛かり、近所の小学生達が楽しげに騒ぎ出すこの時期。


俺はせっせと仕事していた。



ピンポーン



インターホンが鳴るが、正解はスルーだ。

開けたら最後、4人の悪魔に捕まり仕事が進まなくなる。

もしくは開けた先にいるのはただのバカだ。

どっちにしろ仕事を終わらせることは出来ない。


ピンポーン


ピンポーン


ピピピピンポーン

ピピピンポ

「うるさいなっ!!!あっ、やば」


急いで口を閉じるが玄関まで聞こえてしまっただろうか。

うるさすぎて思わず口に出してしまった。

バレてしまっては居留守が使えない。


誰が来たのかだけ見てこようかな・・・気は進まないけど・・・。


そう思い立ち、後方にある画面を覗き込んだ。


「あれ、誰も写ってない」


ピンポーン



「・・・え"っ」


え、うそ、なになになになに、俺霊的な何かとか信じてないけど怖いよね、普通に怖いよ。

これって開けた方がいいの?開けちゃダメなやつ?ていうか真昼にオバケって出るの?いやいやオバケとか信じてないけどね。


あ、でも、あの4人ならこういうイタズラするよね、はは、取り乱した俺がバカだったな、ははは・・・・・・・開けに行くか。



そして、意を決して扉を開けるとーーー




「ばわぁあっ!」

ヒュッッッ


あっ、今空気が体内を逆流した気がする。

気管から出ていった気がする。


「おーい、面白い顔になってるぞー。トシー、おーい戻ってこーい」




そこにいたのはただのバカ(ストレート)だった。











「で、何しに来た」

「なんだよ、まだあの家庭訪問怒ってんのか?ははは!悪かったな!」

「・・・別に」

「ていうかいるなら早く開けろよー。腰痛くなっちまったじゃんかよー」

「ずっとインターホンの下にしゃがんでたの!?バカなの!?」

「おう!脅かしたかったからな!」

「・・・悪い、バカは昔からだったな。なんでそんなドヤ顔してんの」


カタカタッ

タタンッ


「さっきから何してんだ?」

「仕事」

「あぁ、高校のか。何してんだ?」

「・・・テスト問題と文化祭資料作ってる。近いんだよ」

「家でもご苦労なこったなぁ」

「なるべく早く帰りたいから仕事持って帰って来るんだよ、いつも」

「ふーん」


カタッ


タタタッ カタッ


・・・




「え、お前ほんとに何しに来たの!?何時間いるの!?」

「いや、ただいるだけ」

「なら帰れよ!邪魔だよ!」


ストレートが来てからもう2時間近く経っていた。

その間ずっと俺の仕事を見ているだけで、何するわけでもなく居座り続けていた。


「まーひー」

「俺は暇じゃない」

「飯食い行こーぜ、腹減った!」

「唐突だな!」


まぁ、でも、もう1時か。

結構進んだし、ご飯くらい付きあってやってもいいか。


「よし、行くぞ。長居はしないからな」

「おー!」


ピンポーン


「俺でる〜」

「小学生かっ!」











「トオルのおっさん!」

「おっさんじゃないわよ、黙りなさい猿」

「え、トオルさん?」

「来ちゃった♡」


外に出ると、ゆったりした格好のトオルさんが立っていた。

あぁ、トオルさんはショッピングモールのお花屋さんの店長だ。


この人、いつもいきなりだから・・・笑


「どうして俺んちに?」

「今日ね〜、お店お休みなのよ〜。ツルもいないし、お昼、1人で食べようと思っていたんだけど、寂しいじゃない?♡」

「寂しいじゃない、と言われても・・・なんで俺・・・」

「そうねぇ、トシちゃんと食べようと思ったけれど猿の坊やもいるのね、多めに買って来ておいて良かったわ♡」

「猿って俺か?」

「多めに買って来たって、え、うちで食べるんですか?」

「そーよ!お鍋しましょ♡」

「猿って俺?」

「・・・まぁ、そうですね、この時期?って気はしますけど、せっかくですし。どうぞ、上がってください」

「お邪魔しま〜す♡」

「なぁ、猿ってお



そして、季節外れの鍋パ(?)が始まった。
















「え、じゃあ鶴田ってトオルさんの従妹(いとこ)なんですか?」

「そーよー♡」

「鶴田ってあの小学生みたいな奴か!」

「本人に言ってみろ、殺されるぞ。・・・ていうか、あの」


「手伝っていただけませんか?」


俺が鍋を用意し始めると、トオルさんは雑誌を手にソファへ、ストレートはテレビで俺の見ていたアニメを再生し始めた。


そもそも俺、料理できないんだけど。

台所に立つのなんて中3までやっていた家庭科の夏休みの課題以来だ。


「トオルさん・・・寂しいとか言ってましたけど自分で作るのめんどかっただけですよね?」

「あら、そんな事ないわ、面倒だなんて!作れないだけよ♡」

「作れないんですか!?なんで外食じゃなくてわざわざ買ってきた!?」

「お鍋したかったのよ〜♡」

「おぅ?手伝うか?」

「いい、お前は座ってろ。やらかされちゃたまらない」


しかし、鍋なんて、切って入れるだけだから大丈夫かと思ってたけど


「これどうやって詰めるんだ・・・?白菜とか飛び出すぞ・・・ていうか野菜の量多っ。蓋しまんない・・・」


なかなかかえって難しい。


そしてやたら時間がかかる。

もう2時を回りそうだった。


「お腹すいちゃったわ」

そう言いながらトオルさんがいそいそとソファから起き上がって台所に来た。


「あの、これって水入れるんですか?それとも何か汁みたいなの作んなきゃいけないんですか?」

「知らないわ〜♡」

「え、ほんとになんで鍋チョイスしたんですか。なんか簡単な汁とかも一緒に買ってきてくれれば良かったのに」

「まぁまぁ♡ あ、これなんて入れたらどうかしら?」

「それポン酢ですよね。確かに鍋ポン酢で食べますけどいきなりここに投入するんですか?」

「ん〜、分からないわねぇ〜、ググってみたらどうかしら?」

「え、もうそこに頼るほど!?」


「はあ、かしてみろ。調味料借りるぞ」


「えっ」


ストレートは俺とトオルさんを鍋の前から退かせると、手慣れたように調味料やら何やらを入れていった。


そしてあっという間に、鍋の出来上がり。

グツグツ湯気を立てている。

やたら量が多いが。


「すごいな、お前料理できたのか。人は見た目によらないな」

「あら、意外ね、バナナだけかと思っていたけれど♡」

「んぁ?俺料理したことねーぞ」



「「なぜそれを後に言う!!!」」



トオルさんも思わず口調が変わってしまったようだ。


「おいこれどうするんだよ、やたら多いじゃん。食べるの怖いし」

「なんでだよー食べてみろよー」

「わたしは最後でお願いね・・・♡」

「え、これまじで誰が食べるの?」

「味見くらいしてみろやー」

「もはや毒味じゃない・・・」






ピンポーン


その時、インターホンが鳴った。



「俺でる〜」

「だから小学生かっ!」

「じゃあ私も〜♡」

「あぁもう!」












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ