俺とお花屋さん
今回はハルちゃん出てきません!
トシユキターンです♬
「んーーー、はぁ、買い物行くかー。」
日曜日の今日、春うららかな日。
ミハルは遠足に行っていて、久しぶりの1人の休日。
このあまり大きくはない町にある商業施設といえば、町の中心にある、これまたあまり大きくはないショッピングモールだ。
だから、町の人々は生活に必要なものから娯楽まで、大抵ここで賄う。
そして、給料日後初めての週末を迎えたトシユキもまた、他の住人と同じようにその場所に赴いていた。
「あら〜、トシちゃ〜ん♡」
「あ"」
服やら何やらを見ながらモール内を歩いていると、ある花屋からその男は顔を出していた。
「『あ"』って何よ〜、もう、傷ついちゃうわ♡」
「元気そうで何よりです」
「スルー?♡」
男だ。
どんなに顔が綺麗で、薄い茶色の質の良い髪を丁寧に後ろで結っていて、語尾に♡がついていても、正真正銘の男である。
その証拠がこの低く甘いテノールの声だ。
いい声だ。いい声だがあまりにもミスマッチすぎる。
「今日は珍しくフィアンセと一緒じゃないのね♡」
「フィアンセじゃないですしね」
「貴方たち本当に仲良しよね〜♡」
「フィアンセじゃないですけどね」
「うらやましいわ〜♡」
「フィアンセじゃないですけどね」
「わたしも貴方の「だぁあぁ!もう!良い加減にしてくださいよ!貴方がそうやってからかうからハルが突っ走るんじゃないですか!!」
「あらあら、元気ねぇ♡」
「・・・はぁ・・・」
ガクッと文字通り肩を落とすトシユキに、トオルはくすくすと笑いが止まらない。
(この子本当に面白いわぁ♡)
「・・・今日、ハル、遠足に行ってるんですよ」
「まぁ、そういうことだったのね!」
「はい、だから久しぶりにゆっくり買い物をし「寂しくて私たちのところに来たってことね!」
「違いますよ何言ってんですかあんた!!」
「・・・はぁ、じゃあ俺そろそろ行きますね、今日花買わないし。日曜だし、ハルもいないんで、出くわしたらやだし・・・店にいるんでしょう?」
「あぁ!そうね、いるわ、呼びましょうか?♡」
「なんでですか!貴方話聞いてました!?身が持ちませんよ・・・」
「ふふ、冗談よ♡」
「じゃあ、本当にこれで」
「は〜い、また来てね♡」
「はい」
「店長〜、店の花全部カッティング終わりました」
「あ、ツル、今こっちに・・・
ボゴッ
ぐはぁぁ!
トオルの横にぶっ倒れたトシユキ。
その直線上ーーー店の中には、歴とした大人の女性であるが、小学生ほどの小ささの、ショートカットの女の子が立っていた。
胸だけは立派な大人だ。
「あらあら・・・」
"ツル"の投げたジョウロがトシユキの顔面に飛んで行った。
「よぉ、ロリコン、良い天気だな。よくお前みたいな変態がお日様の下歩いて来れるよな?罪悪感とかないのか?」
「あっ・・・おれ、だから、ちが・・・」
「あぁ!?なに!?よく聞こえない、な!」
「いてっ!!」
「ほらほら、ツル、その辺にしてあげなさいな、可哀想じゃない」
「あっ、店長。すいません。でもこいつ変態のロリコンでミハル様に集る図体ばかりでかい粗大ゴミなんで問題ないっす」
「あらあら♡」
「粗大ゴミ!?!?」
「うるせぇ!!」
「ぐはぁ!」
「ていうか、俺そんな身長た、たかい・・・方じゃ・・・ないし・・・(小声)。お前が小さすぎるんじゃないかっぐぇっ!」
「なに!?私を侮辱するのか!?このロリコン粗大ゴミが!」
「違うって言ってるしなんで毎回そう絡んでくるんだよ!やめてよ身がもたないよ!」
「あ?この鶴田 真恋に逆らうのか!?」
「お前そんな凶暴な性格しててその名前口に出すの恥ずかしくなごっふ、かはっ、痛い!」
(どーうしてトシちゃんは殴られるって分かってて言い返すのかしらねぇ・・・おバカなのかしら?Mなのかしら?そこも可愛いけど♡)
「ふん、社会のゴミが舐めた口聞いているからだ」
「社会の・・・ゴミ・・・!?」
「あらあら♡涙目になっちゃって、可愛いわね♡」
「はっ、雑魚が」
ツッコミ役の立場に回ることが多いくせして、メンタルの弱いトシユキである。
ちなみにMではない。
「さてさて、人も集まって来ちゃったし、そろそろお開きにしましょ♡」
「そんな宴会みたいに・・・」
「ふん、仕方ないな、この辺にしといてやる」
「上から目線だな・・・」
「なに?」
「いや、なんでもないです・・・」
「ふふ♡」
「あれ、そういえば、ミハル様は?」
「あぁ、ハルは今遠足行ってるから・・・」
「なんで付いていかないんだボディガードくらいにしか役に立たないクズが!」
「いった!!付いて行けって言ったり側によるなって言ったり、どっちだよ!てか付いていかないよ、なんだボディガードって!」
「ふん、ミハル様にこんな害虫がくっ付いてるなんて」
「俺は虫の類じゃないよ・・・」
別れ際にもう一発、俺は殴られた。




