○○○と休日③
後半はほぼ会話文ですが、なるべく口調とかでわかりやすく書いてあるので読み取っていただけると嬉しいです!
今回は(も?)ほのぼのしたお話です
ピンポーン
「俺でる〜」
「だから小学生か!」
「じゃあ私も〜♡」
「あぁもう!」
そう言って2人が玄関に行ったものの、やたら騒がしい。
?なんだ? 揉めてる?わけじゃなさそうだな。
じゃあいいk・・
「おじゃまします!トシユキDVD返せ!」
「おじゃまします。いきなり押しかけてすいません」
「おじゃまします・・・!あの、サンドウィッチならあります・・・!」
「じゃまするぞー。害虫なんぞわざわざ休日に会いたくないがミハル様が来るって言うから・・・」
「トシユキ!トシユキ!」
「トシ〜、みんな来たぞ!」
「トシちゃん、たくさん来たわ♡」
「いや、多いよっ!!!!」
部屋の中はいきなり超満員となった。
「ねぇ、行かないの?トシユキさんち」
「行くけど!待って!」
トシユキの家へ向かった藤堂兄弟は道草食っていた。
『さぁ!よいこのみんな!一緒に悪の帝王を倒そう!ハードボイルドアターーック!!』
「アターーック!!」
「はぁ、お昼ご飯おそくなっちゃうよ。お腹すいたし」
「待って!待って!もう少し!」
そこでは、ツルタマレンジャーのイベントが開催されていた。
ちなみに、ツルタマレンジャーとは、ゆで卵をモチーフとした戦隊ヒーローのことである。
俺はゆで卵にカッコ良さは見いだせないけど・・・。
うちの弟はいささか幼い。
まぁ、幼い以前に馬鹿だからどうしようもないけど。
○○○レンジャー!なんて言っているのは低学年のうちだと思っていたけど・・・いつまで続くことやら。
お兄ちゃんはすこし心配だよ・・・。
『ありがとうみんな!みんなのおかげで世界の平和を守ることができたよ!そんなみんなにプレゼントだ!一列に並んでね』
「アスカ!プレゼントだって!」
「え、並ぶの?」
「あったりまえだろ!」
「時間がかか「よし!アスカも一緒に並ぶぞ!」
「えー・・・」
もう帰っちゃおうか。
並び始めて10分が経ち、自分のお腹が鳴るのを聞くと、アスカの頭にそんな考えが浮かび始めた。
トシユキさんちには1人で行かせればいいし・・・はぁ・・・。
「アスカにミズキじゃないか」
「あ」
「おぅ!ミハルか!サクラも!」
「アスカくん!」
「サクラ。と、花屋の店員さん?」
「初めまして、ではないのかな?2人をここまで送りにきたんだ」
ツルタマレンジャーのイベントが開催されていたのはショッピングモール近くの公園であり、ミハルやサクラの目的地でもあった。
マレンに車で送り届けてもらったちょうどその時、ミハルとサクラは2人の姿を見つけたのだった。
「何してるんだ?」
「ツルタマレンジャー!」
「?」
「今イベントが開催されててね。そろそろ終わりでプレゼントが欲しくて並んでるんだ、ミズキが」
「そ、そうだったの・・・ここで会えるなんて、う、嬉し・・・い・・・///」
「俺も嬉しいよ、サクラ。この後トシユキさんの家に行くつもりなんだ。DVDを返してもらおうと思って」
「トシユキ?」
「害虫のところか」
「? だから、プレゼントだけもらったら俺たちはおじゃまするよ」
「行きたい」
「え?」
「私もトシユキのところ」
「でも、サクラとピクニック・・・」
「わ!わたしは!あ、アスカくんがトシユキさんちに行くっていうなら、別に、それで・・・///」
ミハルが控えめに言うと、続いてサクラも照れ臭そうにそう言った。
場の意見は一致した。
「そうか・・・。うん、じゃあそうしようか」
「はぁ・・・害虫のところか。まぁいい、ついでだ。みんな乗せて行ってあげるよ」
「いいんですか?」
「うん、大丈夫だよ」
「ありがとう、頼む」
「ミハル様のお願いだったらなんとでも!」
そうして、5人でトシユキの家へ向かい、インターホンを押すとーーー
「お?お前らみんなで来たのか!ははは、ちょうどよかった!」
「風見先生!?」
「あらあら、ツルまでいるじゃない♡」
「店長!!こんなところに!」
「さぁさぁ、上がって上がって、準備はできてるわ♡」
「? 準備ってなんの・・・」
「いーからいーから!ほら、入れ入れ!」
突如現れたナオユキとトオルに(半ば強引に)、招かれたのだった。
「鍋?」
「そう!少し前にお邪魔してお鍋パーティの準備してたのよ♡」
「準備してたの俺ですけどね」
「んぇ?俺だぞ?」
「否定できないのが屈辱的だよ」
「美味そう!食っていいか!?」
「「・・・どうぞ」」
「おう!食え食え!」
「あれほんとに食べて大丈夫なの・・・?」
「まぁ食べ物から爆弾はできないし大丈夫じゃないかしら・・・?」
「うまい!」
「俺もいただこうかな、お腹がぺこぺこだ」
「わたしもいただきます。あ、これもどうぞ、たくさんあるので」
「いただきます」
「おっ?」
「ふはは!俺が作ったものは美味しいか!さぁどんと食え!たくさんあるぞ!」
「大丈夫そうですね」
「そうねぇ、ツルも食べ始めたから大丈夫なんじゃないかしら?」
「じゃあ俺たちも食べますか」
「ふふ、毒味させちゃったわね♡」
「いいんですよ、結果的に美味しかったんですから」
「サクラ、これもたべていいかい?」
「うん、食べて・・・///」
「美味しいよ。いいお嫁さんになるね」
「ありがとう・・・///」
「もちろん他の人のお嫁さんにはさせないからね」
「えっ・・・///」
「すっげぇ!サクラが作ったのか!天才だな!」
「サクラちゃん器用ねぇ♡」
「おぉ、うまいぞ、道眞!」
「よかった、ありがとうございます」
「そういえばお名前なんて言うんですか?」
「ふふ、私が甘崎 透。こちら鶴田 真恋ちゃんよ♡」
「ツルタマレンジャー!?」
「え?」
「ツルタマレンジャー!」
「あぁっ!ツルタ マレン チャん!なるほどね、ふふ、可愛いわね♡」
「えっ」
「お姉さんツルタマレンジャー!?」
「え、なに、どういうことですか!?」
「すいません、うちの弟バカなんです。気にしないでください」
「すごいな。よかったじゃないか、ミズキ。マレンはヒーローみたいに優しいぞ」
「ミハル様〜♡」
「そういえばマレン、トオルに渡すものがあるんだろう?」
「あぁ、そうだ、ここで渡してもいいかな」
「何かしら?」
「店長、これ。お誕生日おめでとうございます」
「え」
「お?」
「誕生日だったのか」
「えっ」
「まじか!」
「それはそれは」
「おめでとうございます!」
「めでたいな」
「じゃあ俺からはこれやるぜ!キレーなお姉さん!」
「ゆで卵って、お前、色気なさすぎだろ」
「うるせぇトシユキ!」
「なにっ!?」
「あらやだ、嬉しいわぁ、ありがとう♡」
「あと、お姉さんじゃないぞ」
「? お姉さんだろ?」
「確か、男性でしたよね?」
「トオルは男だぞ」
「あぁ、トオルのおっさんは男だ!」
「「うるさいわ、猿」」
「ははっ、さすが、従兄妹同士は息もピッタリか」
「ミズキ大丈夫か」
「あらあら、魂抜けちゃったわね、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫です。キャパシティが小さいんです、脳内中身あまり入ってない割に」
「というかもっと早くに言ってくれればよかったのに。俺なにも用意してませんよ」
「俺も用意してねーぞー」
「俺たちもさすがにゆで卵じゃ・・・」
「クッキー持ってくればよかった」
「あら、いいのよ。こうしてみんなで集まれて楽しわ♡」
「でも何か」
「なら」
「みんなで写真でも撮りましょ!」
俺はレンズを覗き込んだ。
久しぶりだ、一眼レフなんて使うの。
物置から引っ張り出してきた逸品だ。
「トシユキ、早くしろよ!」
「うるさいなー、分かってるよ。ほらミズキ、動き回んな。アスカこっち向け、サクラちゃんの方ばっか見てないで。ストレートお前どこ見てんだ!ほら、って、ちょっと、俺のところ埋めないでよ!」
「じゃあ撮るよ!5秒後な!」
「「「「「はいっ、チーズ!!」」」」」
お向かいさんと俺とストレートとトオルさんとマレンと双子とサクラちゃんと休日
ーーー終わりーーー