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ピエロ  作者: 劉・小狼
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 『やっぱり、同じかぁ……』


 吾郎は少しがっかりしながらも、さらに茉里の日記を

読み進んだ。

 最後まで読んだが結局、吾郎のことに関することは

ほとんど、出てこなかった。


 『本当に俺は相良吾郎なのか?……』


 吾郎は少し不安になった。


 その時だった……


 吾郎は自分しかいないはずの浅葱の探偵事務所内に

人気ひとけを感じた。


 『だ、誰だ!……』


 吾郎が怯えながら、辺りを見廻し、後ろを振り返ると

そこには滑稽なメイクをしたあのピエロが立っていた。


 『うわぁ!……』


 驚いている吾郎をピエロは不適で不気味な笑みを浮かべ、

ジッと吾郎のことを見つめている。

 吾郎が怯えながら、恐る恐る、

 「キミは篤子なのか?…… それとも……」

 ピエロに言いかけて、終わる前にピエロは不適で

不気味な笑みを浮かべたまま、何も言わず、

吾郎の前から立ち去った。


 『な、なんだったんだ?……』


 突然、現れたピエロに吾郎は不思議がっていると

吾郎の携帯電話の着信音が突然、鳴り響いた。


 『うわぁ!……』


 心臓が止まりそうにびっくりした吾郎だったが

慌てて、携帯電話を取り出し、

 「もしもし……」

 と電話に出ると

 「もしもし…… 夏海だけど…… 今、何処ですか?」

 その電話は夏海からだった。


 『え?……』


 吾郎が驚きながら、浅葱の探偵事務所にある壁時計を見ると

すでに夜の8時を回っていた。

 「ご、ごめん!…… すぐに帰るよ!……」

 吾郎は慌てて、電話を切るとパソコンからデータを取り出し、

パソコンの電源を落とすと慌てて、浅葱の探偵事務所を後にした。


 吾郎が夏海の電話で慌てて、家に戻っている頃、

吾郎の前に度々、現れるピエロは人気のない倉庫らしき所にいた。

 そこには柱に縛られている浅葱の姿があった。

 ピエロはそんな浅葱をあざけ笑うかのように

見下ろして見詰めている。

 浅葱はそんなピエロに怯えながらも

 「もうやめるんだ! こんなことは……」

 ピエロに言うがピエロはそんな浅葱のことを

不適にあざけ笑いながら、何かの不満を晴らすかのように

浅葱のお腹を何度も蹴り続けた。

 途中で浅葱が気を失うとピエロは蹴るのをやめ、

浅葱の口を塞ぐと再び、その場から立ち去った。


 家に戻った吾郎だったがピエロのことが頭から離れず、

一睡もできなかった。


 『このままだと俺は狂いそうだ!……』


 吾郎は宮間に助けを求めようと宮間が勤めている

警察署へと向かった。

 吾郎が宮間の前に現れると宮間は驚いた顔で

吾郎のことを迎えた。

 「ちょうど、良かった! キミに聞きたいことがあって、

キミの所に行こうと思っていたんだ! 中に!……」

 宮間は吾郎を奥へと通した。

 吾郎は奥のソファに腰掛け、

 「で? 私に聞きたいこととは?……」

 と宮間に尋ねると宮間は自分の席から資料らしきモノを持って、

吾郎の向かいのソファに腰掛け、持ってきた資料らしきモノを捲り、

見ながら

 「えーっと…… キミは一体、何者なのですか?」

 吾郎に吾郎が何者かを聞いた。


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