表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ピエロ  作者: 劉・小狼
21/41

 21

 「あなたの前に現れたピエロはあなたになりすます為に

あなたのことを消そうと計画をした! だが、予期もしない

邪魔が入り、計画は大きく変更されたのです!」

 ますます、吾郎は浅葱が言っていることが

わからなくなった。

 「で…… ピエロは一体、誰なんですか?……」

 吾郎は浅葱にピエロの正体が誰なのかを聞くと

 「それは…… あの住所に住んでいた家族の双子の……」

 と浅葱がピエロの正体を言いかけたその時……


 夏海が吾郎のことに気付き、吾郎のもとに

駆け寄ってきた。

 それに気付いた着ぐるみの浅葱は慌てて、

ベンチから立ち上がると

 「話はまた後です……」

 というと吾郎の前から逃げるように立ち去った。

 吾郎のもとにやって来た夏海は

 「今、誰かと話していました?」

 吾郎に聞いた。

 吾郎は遠ざかっていくクマの着ぐるみを着た浅葱を

見ながら

 「うん…… 着ぐるみを着た人とちょっと、世間話をね……」

 咄嗟に嘘を付いた。

 夏海も遠ざかっていくクマの着ぐるみを見ながら、

 「そう…… 彼女が他の所も見てみたいと言っているから

移動しましょう!」

 吾郎にそう言った。

 包帯の女性の方を見ながら

 「ああぁ…… じゃあ、行こうか!」

 吾郎はベンチから立ち上がると夏海と共に

包帯の女性の方へと向かった。


 広いショッピングモールの中、人ごみを掻き分け、

夏海らと共に一緒に歩いていた吾郎だったが

いつの間にか、夏海らを見失っていた。


 その頃。 


 浅葱が再び、調査に戻ろうと着ぐるみを脱いでいると

突然、浅葱の携帯電話が鳴った。

 浅葱が上半身だけ着ぐるみを脱ぎ、慌てて、

電話に出たが間に合わず、電話は切れた。


 『え?……』


 浅葱は嫌な予感がした。

 浅葱が恐る恐る、ゆっくりと後ろを振り返ると

そこには滑稽なメイクをしたピエロが浅葱に

拳銃を向けて、立っていた。

 浅葱は怯え、後ずさりしながら

 「や、やめろ!…… 言われた通りに動いただろう!……」

 とピエロに言ったがピエロは浅葱に向かって、

薄気味悪い笑みを浮かべると

 「邪魔者は消えろ!……」

 しゃがれた声でそう呟くと拳銃の引き金を引いた。


 パン、パーン……


 乾いた銃声が鳴り響いた。

 だが、週末の人ごみの賑わいに乾いた銃声の音は

掻き消された。


 「どこに行ったんだよ?……」

 吾郎は人ごみを掻き分けながら、ショッピングモール内を

夏海らを探し廻った。

 だが、何処にも夏海らの姿はなかった。

 「どこに行ったんだよ?……」

 吾郎が息を切らしながら、ショッピングモールの

一番、端までやって来たその時……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ