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統制恋愛  作者: 柴田惠祐
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Ⅱ恋の目覚め

そう、僕は恋をしていた。

少なくとも僕自身はそう認識していた。


僕くらいの年齢では、恋と性欲は切っても切り離せない事が多く、ほとんどの男子の恋の悩みはAIによる「思春期における性的フラストレーションへの対処」の一環で、それが本当に恋の悩みなのか、それとも性欲による悩みなのかをAIカウンセリングにより判断されることになるのだが、大抵の場合は性欲によるものであり、何種類かの処方箋を出されて強制的夢精をしておしまいである。


思春期における性欲の発散の方法というのは非常に繊細な問題であるが、軽い睡眠薬と夢精を誘発する薬を適量飲むことで、解消されることが多くなった。


実際、98%ほど男子はこの夢精誘発薬のお世話になっており、その事を恥じるような文化ではもうなくなっているのだが、父母以上の世代ではまだ少し抵抗がある人もいるようだ。


一方、もし、恋心が純粋なものと判断された場合は相手に通知が届き、お互いの適性をAIによって判断される。そして相性良好とされた場合は、AI承認済みの恋人同士となることを許可されるが、そんなパターンは見たことがない。


そもそも純粋な恋であった場合、当人も年齢の割には精神的に成熟している傾向にあり、性的フラストレーションが溜まる事も少なく、問題が表面化することが稀なためである。


僕の場合も、おそらく思春期の男子が経験するような、性欲に満ちたそれとは違っていると自負していた。

もちろん、全く切り離すことができるとも思ってはいなかったが、それでも僕の恋は純粋であると信じていた。


ではなぜ、アラートが鳴りAIカウンセリングの対象となってしまったのか。


問題は僕が恋をした相手の年齢だ。


僕よりも6歳年下だったのだ。

詳細には僕が4月に17歳になったばかりであり、彼女は今11歳、今年の9月に12歳になる予定だから学年では5年下と言うことになる。


僕は純粋な恋に目覚めたつもりでいたのに、AIからロリコン疑惑をかけられてしまっていたのだ。

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