第02話追記02 01話追記小文
「方程式でもやれないことはないが・・・・・」
黒い口ひげを生やした男は、焚火を挟んで、地面に座っているヒューイにそう言った。
「今の俺では式を書くのに間違いなく1日どころじゃない時間を費やすだろう・・・」
ヒューイは、王都を出、ロルウェンの途につく前に、近くで待機していた仲間たちと合流した。
そこで、地下で起こった状況を説明した。
「やっぱりエドでも規格外にしか見えないってことだな・・・」
コクリと口ひげを生やした男エドはうなずいた。
「お前が魔力を感じなかったということは、やはり精神的な力を利用する魔法とは異なる。」
「そうなると、もともと生来に備わった技能・・・もしくは異なった構成を持つ魔法しかない。」
エドは淡々と解説し始めた。
「そうなると、我々の知識に頼ると『方程式解法』しか思い浮かばない・・・」
『方程式解法』とは、『世界が成り立っているのは、均等であるから』だ。という発想と原理の中、
右辺と左辺の均等を崩して発生させる魔法。
いわゆる均等である状態を理解し、そのバランスを意図的に崩して魔力に匹敵する力を発動するというものだ。
「まぁ、得意なのはあくまで結界や召喚で、そこまで複雑だと複数の式と連動した公式が必要だがな・・・。」
「ははは・・・」
ヒューイは苦笑いした。検証すればするほど、あのシガという男が化物にしかならないことに・・・