第11話 02 光の矢
「ミガル!このふざけた赤色は俺がやる!」
金髪の剣士ジェイクがイラつきながら声を上げる
シルフィーネはその言葉に頬を膨らませる
「お、おい!」
褐色の肌の剣士ミガルが慌てて返事を返す。
「見た目はアレだが、実力は化物って話だぞ!」
「ちょ!!何よ!!「アレ」って!!」
シルフィーネは即座に苦情を上げた。
イリアが呆れていると、ヒューイがレオンに向け口を開く
「俺たちはどうすればいい?」
正直、足手纏いな感じは否めない、手を出してよいのか迷ったのだ。
「そうだなぁ・・・」
面倒臭そうに相手の五人を一瞥する。
「あの威張ってるのと、漫才してるあいつが一番手練れだな・・・」
そう呟くと
「あの後ろから2番目の奴を相手してやってくれ。」
僧侶のようないで立ちの男を指さしレオンが言う
「まぁ・・・いいが・・・何か理由があるのか?」
「そうだなぁ・・・」
レオンはちょっと考え事をすると
「あいつだけは・・・」
ヒューイが固唾をのみ、オウム返しをする
「あいつだけは・・・?」
ヒューイの疑問を待ちレオンが続ける
「手加減しても殺してしまいそうなほど弱いからな・・・・」
あっけらかんとした答えが返ってきた。
「ははは・・・・」
ヒューイが苦笑いする
「・・・手加減は・・・してくれるみたいだね・・・」
ヒューイのその呆れた口調を聞き
「そ・・・そうね・・・」
イリアが相槌を打った。
「行くぜ」
ジェイクが白が基調の剣を振り上げた。
「シャイニングソード!」
ヒューイは、その名前には違和感を持った
以前、シルフィーネの息子との中で聞いた剣の名前に酷似している
「そう・・・あなたが・・・」
シルフィーネは寂しげに微笑んだ
「行くぜ!」
ジェイクが剣を振ると、切っ先から9つの光の塊が現れ、光の矢となりシルフィーネに向かう。
「あら、怖いわね。」
ひょいひょいと九つ全てを避ける。するともう一度回転し九つの光がシルフィーネに向け飛んでくる。
「あら、しつこいと嫌われるわよ。」
シルフィーネが右手を前にかざすと水の壁が現れ、九つの光はそれに当たった
すると・・・
水の壁に沿うように上昇し、消えてしまった。
「・・・な・・・なにしやがった!!」
ジェイクがいきり立ち、シルフィーネに抗議する。
「教えたげな~い」
小さく舌を出しシルフィーネは答える。さらにジェイクは怒り、先ほどの光の矢を2回放ち、合計18本の矢が彼女を襲う
「よっと。」
水の壁に当たるとまたもや全ての矢は上昇し消滅した
「グギギ・・・!」
歯ぎしりをし始めるジェイクにミガルが窘める
「落ち着け!おそらく屈折で操られているんだ!」
冷静に分析したことを伝える。
「屈折?」
ジェイクにはあまり理解できなかった・・・
「水の中で起こる反射のようなものだ。あの水はおそらく模様が刻まれている。」
その模様で光の通り道を誘導し上昇させたのだと説明する。
「それじゃ、消滅するのはなんでだよ!あんな距離じゃ消滅するわけないだろ!」
なるほどそれは気付かなかった・・・ミガルは冷静に考え始める
「もう一度撃ってみるか・・・」
「撃つのは俺だよ!!」
そう言うとすかさずもう一度光の矢を放つ
放たれる光の矢、それに立ちはだかる水の壁、そして・・・にっこりと微笑むシルフィーネ
ミガルが違和感を覚える
「なにを・・・」
考えている・・・・そう続けたかったのだが、それを発する前に水の壁に光の矢が衝突する
光がいつも通り吸い込まれるように取り込まれ上昇を開始する・・・が、いつもと違う状況が起こる
「な・・・なにぃ!!!」
ミガルより先にジェイクが怒りを込め唸る。ミガルも思わず驚嘆の声を上げるところだったがジェイクの姿を見て落ち着いたのだ。
目の前に現れた状況・・・・
水の壁にまるで電光掲示板を見るかのように文字が浮き出たのだ
書かれた光の文字、
「諦めて引き返しなさいね」
そしてその先に見えるシルフィーネのにっこりとした微笑みが見えた。




