第04話 04 ビエラ
―――暗闇だった―――
どれだけの時間が経ったのだろう、まったく時間の流れの感じないこの暗闇に閉じ込められてから・・・
かつてパーティを組んだ者たちは、魔王の城を目指して旅をした。
かつてリーダーだった男は白銀の鎧を纏い、自分たちを導いてくれた。
かつての自分はそんなリーダーに恋心を抱いていた。
「―――ウェイン・・・―――」
彼女は呟いた・・・この暗闇の中で・・・
魔王追い詰めるべく戦いをし、魔王城の目前にて時空の狭間ともいえる闇の中に引き込まれそうになった仲間を助けようとして、代わりにその闇に引き込まれここに落ちた。
誰かがいるわけでもない、ここから出られる保証もない・・・彼女は景色のないこの空間で、遠い目で変化のない暗闇を見つめた。
ウェインは魔王ヨルドを倒したのだろうか・・・
思い浮かべる姿を追う様に、手を伸ばしたが暗闇を掴むのみだった
その時・・・
闇が裂け、一筋の光が差し込んだ。
裂けた空間から差し込む光は彼女を照らした。こわばった表情を見せた彼女は光の先にある陰に気付き、大きく目を見開く。
「・・・ああ・・・」
彼女は知らず知らず涙を流し、呆然と朋来者の陰を見つめた。
「待たせたね・・・ビエラ。」
光に浮かんだ影から男の声が聞こえた
神官として民を光へと導くべくウェインと共に旅をしたビエラ、彼女はその声に誘われるように差し込む光の中へと進んでいった・・・・。
「・・・生きて・・・いたんだね・・・。」
光の先で安堵したビエラの声が聞こえた。