詩 獣迷宮
出られない 出られない
終わらない 終わらない
何も 人がない この空間で
私は一体 何と戦っているのだろう
すぐ背後に 獣が迫っている
姿の見えない 透明な獣が
早くここから 出なければ
私はその鋭利な牙で引き裂かれてしまうだろう
まっすぐの道が存在しない
険しい道ばかりのこの迷宮は
まるで私の人生みたいね
順風満帆とはいかなかった
いつでも世間は厳しかった
やっとの事でつかみ取った
希望は儚く崩れ去る
獣が背中を追いかけてくる
私は人間ではなく 餌
獣にとっては ただの栄養
いつも そうで
それは 日常でも変わらない
私は人間として見られなかった
ただの駒で 労働力
何が違うというのだろうか
使いつぶされてあたりまえ
いなくなっても代わりがいる
私はきっと 人間として扱ってもらえなかった
それなら獣になってもいいでしょう
獣に追われ 獣に食われるというのなら
私が獣を追いかけて 喰らってもいいのでしょう