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「ふぅ……。さすがに疲れました………。」


 私は特待生選別試験を終えて、宿に戻るとベッドへ直行した。


 まさか上位魔法一回であんなに大騒ぎになるとは思いませんでした。と天井に向かってつぶやく。まあ頑張って手加減をしたとはいえ、あの魔法は威力が大きいし、私の魔法は無詠唱だ。騒ぎになるのは必然かもしれない。


 実はあの後―――、ちょうど私の試験中にたまたま居合わせた魔法研究団《通称・魔研》に無詠唱について教えてほしいと質問攻めにさせられたのだ。勿論、すべて話すわけにはいかないので、曖昧に答たが。




 試験が終わったため、あとは1週間後にサデリア魔法学校で合否発表があるだけだ。


 こうしてこの日も疲れた体を休めるために早めに寝たのだった。





 一週間後――――。


 今日はついに合否発表の日だ。今日まで、帝都にあるいろんな店を見たり、遊んだりして時間をつぶしていた。


 ちなみに特待生というのは上位5人が選ばれる。一応5位以内に入らなくても順位がわかるから次に生かせるようになっていたりする。


 学校の噴水前に置かれた看板に人が群がり、落ち込んだ人をたくさん見かけながら、私の順位を確認する。


 私の受験番号は13番だ。その番号を口に出しながら下から順番に見ていく。


 見事に一位を獲得していたことがわかり、心の中でガッツポーズをする。


 とはいえ、フェンリルになるのならば、これぐらい賢くなければいけないが。もう一度顔を上げてみると、私の点数が99点だったということがわかる。どこを間違えたのか明日の入学式に先生に聞いておこうと、メモ帳に記入する。そしてその場から離れ、また宿へ戻ってきた。


 そして、明日に備えるため、今日もまた、早めに就寝したのだった。





 翌日・入学式当日―――。


 今日は待ちに待った入学式だ。といっても、入学できると決まったのは昨日のことなのだが。


 今日は学校の入学手続きをして制服等、支給されるものを受け取り、荷物を寮に持って行ってから入学式をする。終わってから、試験の点数によってクラス分けをするのだ。


 因みにクラス分けはこんな感じだ。


 Sクラス 1位~10位


 Aクラス 11位~40位


 Bクラス 41位~70位


 Cクラス 71位~100位


 Dクラス 101位~130位


 Eクラス 131位~160位


 Fクラス 161位~それ以下


 このように分けられる。でも、そもそもの話、入学できる人も少ないため、Fクラス、過去最低ではDクラスがない時もあったとかなかったとか。


 いつもと変わらない白いワンピースに着替え、宿を出て魔法学校に向かった。学校につき校舎に入ると1人の女性が立っていた。


 「リルファさんですね?私は1年Sクラス担任教師ラット・リーニアです。理事長がお呼びなのでついてきてください」


 先生についていき理事長室に入るとそこにはエルフの女の子と桃髪の同い年ぐらいの女の子がいた。


 「おお、二人目が到着したか。ラットよ、ご苦労じゃったの」


 「いえいえ、これが私の仕事ですから。それでは失礼いたします」


 先生が理事長室を出ると、エルフの女の子が私に話しかけてきた。


 「リルファ、始めましてなのじゃ。妾はこのサデリア魔法学校の理事長ソフィア・ガーネットじゃ。ソフィア先生と呼ぶがよい。あと、見てのとおりエルフじゃからおぬしより年上じゃぞ?そしてこの子は……」


 「は、始めまして!スティア・ラモードです!これから1年間よろしくお願いします!!」


 エルフの女の子、もとい、ソフィア先生が自己紹介をすると、次いで桃髪の少女が名乗った。


 まさかこんな小さな子が理事長先生だとは思わなかった。少女の方は確か試験で2位だった子だ。


 「リルファです。こちらこそよろしくお願いします」


 「それで、今日集まってもらったのはもちろん今日から始まる学校についてじゃ」


 ソフィア先生がソファの隣に置いてあった白い袋を差し出してきた。


 「中身はお主らが学校で使う制服・運動服・筆記用具・ノート・カバン・生徒手帳じゃ」


 一旦一区切りつけてから「ああそれと、」とまたソフィア先生が口を開いた。


 「お主らももう気づいておるかもしれんが、二人ともSクラスじゃ。これで話は終わりじゃが、質問はあるかの?」


 ソフィア先生が質問してきたので首を横に振る。話が終わったので退室し、寮に向かうことになった。




 スティアさんと同じ方向なので出身地や、どうしてここに来たのかなどは無しながら向かうことにする。


 「へぇー!リルファさんは森の中で暮らしていたんですね!きっと自然がいっぱいできれいなんだろうなー……」


 「私のことは呼び捨てでいいですよ。……あ、あと、お願いしたいことがるのですが……」


 「どうしたんですか?」


 「……できたら、私とお友達になってくれませんか?」


 もしダメだった時の反応が怖くて俯きがちに提案する。


 「……もっちろん!私もリルファ・・・・と友達になりたかったんだ!……あ、私のことはスティアって呼んで!」


 一瞬だけ驚いた顔をすると、すぐに満面の笑顔を向けてくれた。


 「ありがとう、スティア!同年代で初めてのお友達です!」




 そうして初めての友達との会話を弾ませていると、すぐに寮についた。


 寮母さんの話によると私とスティアは同じ部屋のようだ。ソフィア先生が特待生が困らない様に手を回してくれたらしい。


 部屋(551号室)に入り片づけをして、制服と持ち物を確認して試験の時に入った会場へ向かった。

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