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39. 冒険者ギルド

 ミゥはふぅと大きく息をつくと、うなだれる。


「ぬぅ、分かったのだ……。ちょっと降ろして」


 と言って、ポンポンとシアンの腕を叩いた。


「はいはい、どうぞ」


 シアンはニコニコしながら丁寧にミゥを地面に立たせてあげる。


 ミゥは玲司をキッとにらむと、


「あんたが一番悪いのだ!」


 と、玲司を指さした。


 ミゥは目鼻立ちは美空そのものだったが、美空より少し年上、十六歳くらいに見える。美空とは違って燃えるような真紅の瞳が印象的であった。赤い紐を胸のところに編み込んだ白いワンピースも似合っている。


「いや、まあ、確かに美空についてはホント悪かったなって思ってるよ」


 玲司は頭を下げた。


「そうよ! あんたのせいよ!」


 プリプリと怒るミゥ。


「いやでも、ミリエルが、美空は自分の中に息づいてるって言ってたよ」


「そうよ! 別に消えたわけじゃないわ。地球と共に復活もさせるのだ。でも美空ねぇさんがこんなのを気に入って殺されたのが気に食わないのだ!」


 ミゥはビシッと玲司を指さして怒る。プロセスが納得いかないらしい。


「うーん、でも今はゾルタンを捕まえるのが先だよね?」


「ふん! あんたたちがいなくたってあたしが捕まえるって言うのに……」


 ミゥは眉をひそめて口を尖らせた。


 そのしぐさに玲司はハッとする。それは美空そのものであり、玲司は思わずほおが緩む。このツンツン娘もまた美空と繋がってるのだ。きっといつかは仲良くできるに違いない。


 ふん!


 ミゥは鼻を鳴らすと、しばらく玲司とシアンを交互に眺める。


 そして、ふぅと大きく息をつくと、 


「でもまあ、何かの役には立つかもなのだ……。とりあえず、あなたたちの実力を見せてもらうのだ! ついて来て」


 と言って、クイクイッと手招きしながら、スタスタと歩き始める。


 玲司はシアンと目を見合わせると肩をすくめ、そしてため息をつくと、速足で後を追った。



       ◇



 しばらく石畳の道を行く。石造り三階建てのしっかりとした建物が両側に延々と連なり、建物の一階にはパン屋にアパレルに花屋といろんな店が入っていてにぎわっている。中には魔法の杖を掲げた看板があり、のぞくと怪しげな魔法グッズが並んでいた。


 玲司はワクワクして、


「見ろよシアン、魔法グッズだよ」


 と、指さす。


「んー、どれどれ……。この店はダメだ。品ぞろえが悪いゾ」


 と、首を振る。


「えっ? なんでわかるの?」


「僕たちには管理者権限があるんだから、ステータス表示させると全部分かるゾ」


「おぉ! さすが異世界!」


 玲司のテンションは一気に上がる。


 ミゥは玲司をチラッと見ると、


「なによ、ど素人なのだ。ミリエルは何考えてるのだ?」


 と、毒づいた。


 玲司は何か言い返そうとしたが、確かにど素人なのはその通りなので、ふぅと嘆息(たんそく)をもらした。本当にミリエルは何を考えているのだろうか?



         ◇



 しばらく歩いて剣と盾のゴツい看板の前でミゥは止まった。それは年季の入った石造りの建物で、古びた木製の大きなドアがついている。そして、玲司をギロッとにらむと、


「まず、ギルドで冒険者登録なのだ」


 そう言ってドアをギギギーっと押し開けていった。


 中は武骨な木製の古びたインテリアで、壁には青い龍のタペストリーがかかり、天井からは魔法のランプの球がいくつも吊り下げられていた。異様にタバコ臭いので、見ると脇のロビーで皮(よろい)を着た冒険者たちがタバコをふかしながら歓談している。傍らにはデカいハンマーや盾などが立てかけてあった。


 おぉ……。


 それは異世界物のアニメで見た世界そのものであり、玲司は思わず声が出てしまう。まさに自分は異世界にやってきたのだ。


 ミゥはそのままカウンターまで行くと受付嬢に、


「あいつらにギルドカード発行してくれ」


 と、ぶっきらぼうに言った。


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