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打ち上げにいってきます

「おー、緑峰お前が早めにくるとか珍しくね?」


「ははっ、それななんかあった?」


緑峰「俺の頭に大量の雑誌が落ちて来た」


「ぷっ、あははは! なんじゃそりゃ!」


中学卒業から13日目

俺は今中学のメンバーと打ち上げに来ている


「やっほー、って緑峰じゃん早いな!」


緑峰「そういやさ、渡部達遅くね?」


「え? 渡部と畑宮なら内地の学校に入学だぞ」


緑峰「え?」


「…あー、そういやそうだったな」


緑峰「あーあー、そういやそんなことも言っていたような…」


「おいおい、おめえの親友だろ忘れてんなよ」


「つーか、お前もじゃね?」


緑峰「まじでか!?」


「あははは、本当に大丈夫か?」


「おまたせー!」


「あ、女子メンツも揃ったしさっさと行こうぜ!」


俺達のクラスがよく行くところ、それは昼はカラオケで夜はとなりの料理屋だ、そこは居酒屋ではないがメニューも豊富で騒いでも何ら問題はない場所だ


学生生活の中の青春と言えば最後に元クラスメイトの仲間と最後の集まりなんて楽しめる場はこの時だけだ、大人になれば事情は複雑化してこうして遊べるのはもうないのかもしれない


俺はクラスメイトと一緒に何気なく楽しんでいた

あっという間に夜を迎えて、俺たちはカラオケ店の隣にある料理店に来ていた


「なあ、緑峰」


緑峰「なんだ?」


「今日のお前なんか雰囲気違くね?」


緑峰「え?」


「何つーか、いつものお前なのにどこか違う雰囲気が混ざっていると言うかなんというか…」


俺は前世の記憶が戻っている違和感に感じてしまっているのもしょうがない、しかしこのことがバレればイタイ奴認定されてしまう可能性がある、汗が止まらない

かくなる上は…


緑峰「やだぁ、社長それせ口説いているんですかぁ? なんてな、はは」


俺はOL風の冗談を交えつつ、軽く受け流したんだが、やべぇ…みんなの笑い声が俺の一声で静まり返ってしまった、こっちの方がイタかったか?


「緑峰、お前そんなキャラだったか?」


「お前からそんな面白いギャグが出るなんてな、はは」


緑峰「なんか、すみませんでした…」


気まず!


なんてことをしたんだよ俺、全然誰も目が笑わねえじゃねえかよ!


…マジに謝ろう、それしか


緑峰「本当にすみませぇんでした〜!」


肝心なところで噛んでしまった!


「肝心なとこで噛むなよ!」


「ギャハハ、やっぱ今日のお前変わっているわ」


「緑峰、お前最高!」


そして元クラスメイトと料理店でしばらく楽しい時間を過ごし会計を済ませ、集合写真を撮り解散になった


俺は親にそろそろ帰る報告をメールで伝えてる途中で近くで、何やら争っている様な声がかすかに聞こえる


緑峰「あそこの角からだ、喧嘩か?」


「やめてください、私たちそろそろ帰るんです」


「そんなこと言わないで、一緒に遊ぼうぜ…な?」


ありゃあ、元クラスの木村と田中さんと宮部さんじゃないか、なんかガラが悪そうなのに絡まれているな


木村「田中さんと宮部さんには、手を出さな…」


「テメェは黙ってろ!」


木村「っう!」


「きゃー!」


うげえ、あいつらまじか…しょうがねえ俺が助けるとす…俺は暴力で相手を収めて俺はどうするんだ?

何で今になって似た光景を思い出す…?


「ほれ、お前もやれよ」


「…勘弁してください、〇〇さん俺にこんなこ」

「あ?」


「ひいいい!」


深見「おい」


「あ?」


俺はあの時、あのチンピラに何をした?

あの時あいつらを止めようとして襲われて、返り討ちにして…


「ほんと、勘弁してください…」


深見「二度とすんじゃねえぞ」


「はいぃ…」


深見「ちれ」


俺は一体、何をしたいんだ?

俺はあいつらをボコボコにした結果、逃げられて最終的に孤立してしまったじゃないか


深見「おい、大丈夫か?」


「ひいぃ! ご勘弁を!」


けんた「あっ…まぁいいか…」


俺は…あー!

今の俺はただの深見けんたじゃない緑峰翔太だ!

なにか悩んで考えんのはのはもうやめだ


緑峰「あの!」


「あ?」


落ち着け、相手をなるべく挑発するな穏便になるべく相手の気を引け


緑峰「それ下手したら誘拐ですよ?」


「何だてめえ、ふざけてんのか?」


緑峰「いえいえ、そんなつもりは…」


「いいから、お前消えて?」


「ほらよ、怪我したくなかったらどっかに行けよインキャ野郎」


緑峰(…不細工な顔を近づけんなよ、つーか! こいつの息臭え、タバコ吸っているというかゴミみてえな匂いがする!)


緑峰「これ脅迫ですよ、そこに倒れている木村をやったのはあなた達ですよね?」


「それがどうしたってんだよ? お前うぜえよ!」


緑峰(いってえな、肩を押すなよ!)


俺は俺の方を押してきた取り巻きに一瞬だけギロっと無意識に睨んでしまい取り巻きは一歩下がる


一瞬だけ頭に血が上りそうだったが冷静に対応して穏便に収める必要がある、平常心を装うために必死で笑顔を作る


緑峰「あの、そろそろそっちが引いてもらわないと、ここら辺随分と騒がしかったのでそろそろ警察来ますよ?」


「あん?」


「何だと?」


むなもとを掴まれる、イライラは膨らんできている

深見けんやは短気だったためイラついているんだと思う


緑峰「だから、ここはお前達の出る幕じゃねーんだわ」


「そこのお前達、何をやっている!」


緑峰「あのクラスメイトがお兄さん達に誘拐されそうになっていたのと、そこに倒れている人がお兄さんに暴力を振るわれているところを証拠を取りました」


「なに!? 本当かね!」


「そんなのデタラメだ!」


緑峰「証拠ならありますよ、録画と録音なら問題ないでしょ?」


俺は何か考えている間、無意識にビデオをとっていた、そして声かけた時も不良はやや興奮気味だったおかげでこちらに気付かれず音声も撮れた


不良達は言い訳をする暇もなく連行された

ただ問題はここからだ…


「もう21時なのにこんなに夜遅くに何をやっていたのだね?」


緑峰「俺達は最近卒業して今日クラス会があって、お開きだったんですよ俺は連絡して帰ろうとしたんですけどたまたま不良に絡まれている3人を見てやばいなって感じて通報したんですよ」


「そうか、君たちは4月から高校生か…」


「…はい」


「…ならしょうがないな、今回は見逃すが次からは気をつけるんだぞ、卒業したからってハメを外しすぎるなよ」


「…ありがとうございます!」


警察って言うからもっと叱られるものだと思っていたが、起点を利かせてくれる警察もいたんだな…


「緑峰!」


緑峰「何だ木村?」


「俺たちを助けてくれてありがとうな!」


緑峰「…おう、元気でな」


「そっちもな!」


俺は今の言葉を聞いて「深見けんや」と「緑峰翔太」のどちらかが欠けたままじゃあ、聞けなかった言葉を聞けて思わず去り際に思いっきり泣いてしまった


取り敢えず家に帰ったら風呂入って寝るか…

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