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超短編短編集  作者: 山山山山
9/15

墓参り

テーマはスマホ、死別、G線上のアリア

 海岸沿いの白い別荘から少し歩いた所の岬。

 そこには小さな墓が立って居る。

 或る夏の日、私は墓参りに来た筈なのだが...


「やっほ~」


 死別した彼女が、律花が墓に座っていた。


「皆まで言わずとも分かるよ。何でボクが居るか、でしょ。

今更ながら未練が出来てね。」


 未練とは何かと聞くと律花は答えた。


「生前聴けなかった君の『G線上のアリア』が聴きたくなってね。いいかい、彩音?」


 嘆息しつつ、楽器を取り出し、演奏を始める。

 この曲は、律花に聴かせると約束したのだが、その約束は果たされなかったんだ。


 演奏が終わり、律花は小さく拍手した。


「やはり彩音は上手だ。

これなら今日のオーディションも勝てるね。」


 どうして律花がオーディションを知っているのだろう。

 疑問が言葉になるより速く、彼女は消えて行った。

「もう時間のようだね。」

 という言葉を遺して。


 今まで私が見ていたのは幻だったのかもしれない。

 ただ、スマホを開くとLINEの通知が一件来ていて、

「ありがとう」

 と書いてあった。

登場人物

彩音

ヴァイオリニスト。

オーディションには受かりました。


律花

幽霊の僕っ娘。

病に罹り、海沿いの別荘で療養していたが死ぬ。

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