妖刀
テーマは百合無し、鍛治師
「これはまた、面妖な物が出来たな。」
「物ト呼ブナ。私ニハ『華丸』トイウ名前ガアル。」
鍛治師を続けて十数年、刀を打つ度に燃える刀や命を吸う刀などを産み出し、『妖刀師』などと呼ばれてきたが、此度は喋る刀が産まれるとは..
「コレカラヨロシク頼ムゾ、我ガ主。」
そうしてこの刀、華丸との生活が始まった。
「主ヨ。コンナ夜二我々ハドコニ向カッテイル。」
「怪異の退治だ。この京にはそういうモノが湧いて出る。何故かそれらは儂が作った刀でしか祓えん。
と、早速現れたぞ。お主の切れ味、確かめさせてもらうぞ。」
屋根の上から飛び降り、怪異に肉薄する。
斬った。
そう確信し刀を怪異に向けて振り下ろす──
ぺちん。
情けない音と共に刀が止まる。
「何故だぁっ!?」
反撃が来る前に脇差──斬った物が凍る刀──で怪異を祓い、華丸に問い質す。
「言イ忘レテイタナ。我ハ女ガ使イ手デナイト何モ斬レン。」
「何だそれは!?最初に言え!」
どうやら華丸は儂には使えないらしい。
娘にくれてやるしかないな...
登場人物
鍛治師
『妖刀師』の異名を持つ。。
作った刀は全てトンでもないチート能力を持ってしまう。
華丸
喋る妖刀。周囲の環境を察知する。自ら動いたりは出来ない。
何故か女にしか使えない。
鍛冶師の娘
このあと数奇な運命に巻き込まれる事になる(願望)