駆逐
テーマは茶の間、田舎、襖
『贖罪』の数年後の話です。
「胡桃!こ↑こ↓が私達の新しい家だよ!」
蜜柑が指したのは、大きな日本家屋だった。
引っ越すとは言ってたけどこんなド田舎とは...
蜜柑は、考える事をやめた私が乗る車椅子を押し、屋敷に入った。
そこはまさに地獄だった。
要は屋敷中にGが跋扈していた。
「...バル○ン炊こ?」
背後の蜜柑が青ざめながら言う。
そうだ。蜜柑はGが大の苦手だった...
やるしかないなこれは。
「いくぞッ!」
叫びと共に両手に殺虫剤を構える。
廊下のGを難なく殺り、おそらく一番多くいるであろう茶の間に繋がる襖の前で止まる。
襖を開けると同時に部屋中に殺虫剤を噴射する。
さぁ、虐殺だ。どちらが上かGに分からせてやる!
~~
「いや~、一時はどうなるかと思ったよ~」
「なんであんなGがいるんだよ」
どうやらこの屋敷は長年使われて無いのを蜜柑が貰ったものらしい。
「静かだな..」
ここではGはともかく、人を殺す必要は無いんだ。そう考えると涙が溢れる。
「もう疲れたよね、この家で、ずっと休もっか。」
登場人物
蜜柑
黒光りするGが何よりも嫌いな暗殺者。
先日胡桃と共に組織を抜け出した。
バ〇サンは必ず家に常備している。
胡桃
任務中に大怪我をし、使い物にならなくなった暗殺者。
今は組織を抜け出して療養中。
けっこう不遇なキャラかもしれない。