汽車
テーマは時計台、白いワンピース、幽霊
よくやった勇者よ。だが我を倒した所でいずれ第2第3の魔王が現れるだろう──
──ここはどこだろう。周りは真っ白で、線路がある。どうやら駅の上に立っているようだ。
そうだ、私は魔王を倒したんだ。
「君もここに来たんだね」
傍には私の仲間であるサザンカが白いワンピースを着て立っていた。
でも、おかしい。彼女はとっくに、時計塔の戦いの時に死んだはずだ。
「さぁ、汽車が来たよ。」
思い出した。私は魔王にトドメを刺した後、爆発に巻き込まれて──
そうか、彼女は私を迎えにきたんだ。
汽車のドアが開く。
「じゃあ、行こう。」
私がそう言うと、サザンカは急に私の背中を押した。
私だけが、よろめきながら車内に入った瞬間、ドアが閉まる。
「汽車っていうのは──
前に進む人だけが乗るものだ」
「サザンカ、どうして?」
「私はもう、ただの幽霊さ。前には進めないよ」
「そんな──」
──目を覚ますと、そこは魔王城の外だった。
「サザンカ...」
彼女に命を救われたんだ。生ききってやろう。彼女の分まで──
登場人物
勇者
魔王を打ち倒した。
サザンカ
役職は賢者。
時計塔での戦いで命を落とす。
魔王
何度でも蘇る。