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第六話

ステータス更新!


名前:アキミチ

種族:人族

年齢:16

職業:武具師

レベル:20


HP:2000/2000

SP:2000/2000


STR:1(10)

INT:1(10)

DEX:10


スキル:【スラッシュ】【ロングスタブ】【エアブレイド】【陰陽中】【ファイアスタンプ】

スキルポイント:10

パッシブ:【経験値30%UP】【DEXフィルター】【武具製作】


ステータスは上がっていたが新しく覚えているスキルはない。


ここからは奥義クラスの技になるので覚えるレベルが高くなるのと、なにより数が少ない。

今のスキルが基本となるのだが、プレイヤースキルが高いとスキルの少なさを感じさせない連撃を繰り出すことができる。

なので、数が少ないと不満をいうプレイヤーは強くなれなかった。

この数の少なさを極め、次のレベルに昇華できるプレイヤーがトップ層となるのだ。


約束は午後からなので午前中はギルドに向かわず直接塔に向かった。

ギルドで更新すれば5階層も開くと思うが、そこまで勇み足になる必要はない。


それに、雑魚モンスターとはいえこの階層は経験値がうまうまなのだ。

階層は低いが、初心者が苦労するぐらいここのモンスターは特徴をもっている。


まず、ウォータープラントだが、毒攻撃を行ってくる。

長く狩りを続けるなら毒対策は必須だ。


次に、ネックタートルだが防御力が高くいきなり首を伸ばし噛みついてくる。

弱点がその首なのだが、すぐ引っ込めるため仕留めるのはなかなか難しい。


最後のエッグケロッグは長い舌の攻撃と、飛び跳ねる不規則な動きに攻撃を当てられない人が出てくる。


俺はそんなことは関係ないぐらいのスピードで狩り続けるのだが...


まぁ黒緑のコートの風魔法のおかげで火力が一段と引きあがっている。


『バゴンッ!』


俺はネックタートルを甲羅ごと打ち砕きながら今の自分の動きを反復する。


「ふう、スキルキャンセルをしてから次のスキルに繫ぐまでが少し違和感があるな...」


スキルキャンセルをしてその間に『動作』を入れそのまま次のスキルを撃てる態勢にもっていかなければならない。

そもそもスキルキャンセルが難しい技術なのでこんな戦い方をできるのはトップオブトップだけなのだが、クオリティを下げればトップ層は誰でもこの技術を有していた。


まぁ俺がやるのは完全に硬直をなくした通称『ながれ』といわれる技術だ。

何匹目かわからない亀を叩き割っていると視界の隅で銀色の光が水面に反射した。


「これは!!」


俺は急いでその銀色に光っているであろう場所に向かった。


結構遠かったが元いた場所まで届くほどの光だ。

近づけばかなりデカいのがわかる。


モンスターの上の方に表示されているHPバーのところにある名前を見る。


『白銀の主』


御大層な名前だが、でっかい銀色の亀である。

のろのろ動く‘‘ちょっと‘‘硬いだけの亀が主とは笑わせにきてるのか?

序盤だから仕方ないんだけど。


それよりも!


「レア素材きたあぁぁぁぁああーーーーーーーーーーーー!」


そう『白銀の主』はミスリルの素材をドロップするボーナスモンスターだ。


「ロングスタブ!」


スキルを発動しながら攻撃を当て、亀の下に潜る。

一瞬亀が怯むが、下に潜ったことで俺の意図に気づく。


この亀の弱点は腹の方なのだが、ダメージが多少通るというだけで他のモンスターから言わせれば弱点ではない。


亀は俺を押しつぶそうと圧し掛かってくる。


「来た!」


俺はすでにスキルを発動し、攻撃を‘‘待っていた‘‘


「陰陽中!」


居合のカウンター技である。

腹に向かって放たれた斬撃で亀が‘‘浮く‘‘

落ちてくる亀の下でまた『陰陽中』を構える。


「ハマったな!」


そう、いわゆるハメ技である。

これをするには亀を打ち上げる力と、攻撃を通すダメージが必要だが今の俺にはどちらも備わっている。


「陰陽中!」


防御力が高いのでなかなか倒せないが、すでにループに入った亀にはなにもできることはない。


「陰陽中!」


しばらく亀を打ち上げていたら何回目かで討伐できた。


「ふぅ。思ったより早かったな。」


無事ミスリルの素材を手に入れたが、俺の作りたいものには足りないものがあるのでしばらくは保留である。


いい時間だったのでそのままギルドにいきプレートの更新をした。


「それではスキャンを致します!」


「はい」


「スキャンの結果6階層までの解放を確認しました!報酬は後程お振込みいたしゅましゅ!一気に2階層解放おめでとうございます規格外ですねギルド長がお話をしたいそうです応接室までお願いできますか?」


サーシャさんが噛みながらも笑顔を崩さず一気に捲し立てた。


「わかりました。」


異世界テンプレのギルド長イベントだろうか。

この後無理難題を押し付けられ、それを解決してしまった俺はそれからギルド長とズブズブの関係になるのだ。


めんどくさくないのだといいな...


「失礼します。」


中に入ると、メガネを掛けたタキシードをきて髪形をガッチリ決めているダンディなおじさまがいた。


「やあ、初めましてだねアキミチ君!私はアイテール支部ギルド長のクロムと申します。」


なんか育ちのいい感じの挨拶をされた。


「どうも、3等級冒険者のアキミチです。」


「よろしく!さあ座って話そうか!」


握手をして互いにソファに座った。


「最近の君の活躍は聞いているよ!なんでも冒険者登録をして数日で3等級まで上がったそうじゃないか!」


「ええ、ありがたいことに順調に冒険者させていただいております。」


「うんうん、言葉使いも丁寧だし‘‘問題‘‘ないかな。」


「問題?」


「ああ、では本題を話そうか。

3等級から4等級に上がるにはその人の素行調査が必要なんだよ。といってもトラブルを頻繁に起こしていなければいいんだけどね。」


「俺が4等級にあがる話ですか?」


「ああ、それとね一応4等級に上がる可能性のある人全員に聞いていいるんだけど、アキミチ君は入るギルドは決まっているかね?」


「ギルド?俺は冒険者ギルドに登録したばかりなので...」


「一応冒険者ギルドも‘‘ギルド‘‘だからここでもいいんだよ?まぁ地方公務員だけどね。

アキミチ君、4等級冒険者というのは冒険者の中でもトップ層に位置するポジションだ。

まだ君がどこにも所属していないとなると色んなギルドからのお誘いがくるかもしれない。

まぁ個人の等級をギルドが公表することはないんだけど、どこかではばれてしまうよ。」


「俺になにを?」


何を言いたいのかはっきりしないのでちょっとイラついてきた。


「先ほどは冗談のように言ったけど、君の入りたいギルドが見つかるまで冒険者ギルドに入らないかい?」


勧誘から守ってあげるという勧誘だった。

ブーメランを投げつけてやりたい。


「冒険者ギルドに入るメリットはなんですか?」


「先ほど言った通りギルドからの勧誘を避けれるし、冒険者にはない安定した給料が支払われるし、業務外の時は普通に冒険者をしていてもらって構わない。」


なんか都合がいい気がするが...


「勤務時間は?」


朝から晩までだったら大変だから聞いておく。

というか、今冒険者以外の仕事をメインにする気はないので断ろうと思っている。


「勤務時間や勤務形態はギルドに招集をかけられた時に働いてくれればいい。」


「それって1日中招集ということになれば拒否できないということですか?」


「基本的にはできないが、その月の給料を全額返金すればギルド脱退ということで拒否はできる。あくまでこれは冒険者を守るための処置なんだ。でもだからといって給料を払っているんだ、何もさせないということはできないんだよ。具体的には月に1度外の魔物討伐があるくらいかな。たまに他ギルドの抗争が激しくなった時は周辺の警備にあたってもらって一般市民の安全を確保してもらうぐらいかな。」


ギルド同士で抗争あるんだ...

聞く限り金さえ払えばいつでも辞められるみたいだし入ってみてもいいかなと思う。


「そうですね、いつでも拒否できるならいいですよ。」


「ああ、なんなら給料の支払いを翌月の頭にすれば辞める旨を伝えるだけでいいぞ。」


「ではそれでお願いします。」


「わかった。それじゃあこのバッチの着用をお願いする。」


白を基調にした青いラインの入ったバッジだった。

他のギルド職員がこれと同じデザインで、色は青を基調にしたやつをつけていた。


「これは、ギルド職員である証だ。事務要員は青を基調に、白が基調なのは戦闘員の証だ。そして、裏にあるボタンを押してみてくれ。」


言われた通り押してみる。

すると、着ている衣服の色が白を基調とした、冒険者ギルド職員バッジのような色合いに変わった。


「これは?」


「戦闘員の装備を毎回色を塗りなおせないからな、結構高いんだぞこのバッジ。ギルド職員として活動するときはそれを使用してくれ。」


「了解しました。」


話が終わり、ギルドを応接室を出ると視界の左上に『CALL』の文字が踊った。


「え!」


『CALL』て呼び出すとかそういう意味だよな?

これ、もしかしなくても電話?

『CALL』の下にアヤという文字があった。


慌てて応答マークを押す。


「もしもし!アキミチさん?」


「はい、アキミチです!」


「あの、時間になってもいなかったので...て!いるじゃないですか!ブツンッ!」


電話を切られた。


「すみませんアキミチさん探しても見つけられなくて。」


アヤさんがテーブルの方から俺の方に来た。


「いや、実はギルド長に呼びだされてたんだよ。」


「ギルド長?あ!そ、それは!」


アヤさんが何かに気づいたように指を指した。


「ああ、ギルドに所属することになったから貰ったんだよ。」


「と、ということは!4等級になったんですか!?」


「え、うん、ギルドって4等級しか入れないの?」


「戦闘員は4等級からです!凄いですよアキミチさん!ギルドの戦闘員はホワイトセイバーと言われててみんなの憧れの的なんですから!」


みんなの憧れの割には結構緩い契約だったな。

ちなみにまだ正式に4等級の通達は貰っていない。


「そうか、みんなを失望させないように頑張るよ。」


「アキミチさん!後でアキミチさんのブレスレット作ってもいいですか?」


「ブレスレット?」


「はい!ホワイトセイバーは憧れの的なのでファンが存在するんですよ!」


「ファン?」


なんかきな臭くなってきた。


「はい!自分の推しの名前を彫ったブレスレットが最近流行ってきてるんですよ!」


「それで、アヤさんが俺の名前をブレスレットに彫ると?」


「はい!ブレスレットに彫ると目立たないのでファッションとしてもいいんですよ!」


「まぁ、止めはしないけど俺の戦ってる姿見たことないよね?」


「見たことないですけど自分の知っている人がホワイトセイバーなんて応援したくなるじゃないですか!」


「え、うんありがとう。」


なんか俺にファンが出来たらしい?

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