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第二話

冒険者ギルドにつくと、さっそく受付に向かう。


向かう途中異世界お約束の悪がらみはなかった。

あっても撃退できる強さを持っていないのでありがたかったが。


「すみません、冒険者登録をしたいのですが。」


制服に身を包んだロリ巨乳ゆるふわメガネ族に話しかける。


「はい!ではステータスぷえーとの表示をお願いします!」


元気に噛んでいる。

なにこれ可愛い。

ちなみにロリ巨乳ゆるふわメガネ族という種族はこのゲームにはいない。

しかし!これだけ特徴的ならばもう種族として認定していいだろう。

今日新たな種族が誕生した。めでたい!


俺は言われた通りにステータスプレートを表示する。


「それでは外部からの閲覧と、情報へのアクセスの許可をお願いします。」


「了解です。」


俺は素直に承認ボタンを押す。


「ありがとうございましゅ。では、登録は以上ですが冒険者の説明はいたしますか?」

噛んでることを恥ずかしがらないのは元々こういう滑舌だからなのか?

とりあえず可愛いので幸せです。


「はい、お願いします!」


「冒険者は最初塔での冒険になります。塔の3階層突破で外部での活動が認められます。」


「外部?」


「はい、外は塔と違って命の危険がありますから、くれぐれも塔に慣れすぎて油断しないようにお願いしますね。」


ゲームにはなかった‘外‘の存在は気になるな。

「冒険者のランクは1等級から始まり、最高が6等級になります。」


6が最高とはなんか中途半端だな。


「6等級ですか?」


「はい、6等級は個人では未だ未到達です。ギルドでも6等級は3つのみですね。

個人で6等級というのは、それらのギルドに個人で戦えるという意味ですから現れたらびっくりです。」


なんと、等級の査定というのは個人とギルドで分けられているわけではないようだ。


「等級の査定は実績により、冒険者ギルドの基準で判断されます。

納品などをしてもらうときにこちらで記録をしますので特に試験などはございません。」


「等級が上がるとどうなるんですか?」


「はい、等級というのは、その冒険者の信用度になります。

外部からの受けられる依頼や、閲覧できる資料等、活動できる幅が広がると思ってください。」


「等級によってなにか義務が課されるとかあるんですか?」


「いえ、特に義務はございません冒険者ギルドのルールを守っていただければ大丈夫でごじゃいます!」

とりあえず可愛い。


「なるほど、他にありますか?」


「基本的なことはこのくらいでございます!規則等についてはこちらの冒険者ブックに載せていますのでアキミチさんのメニュー画面からいつでもみられます!」


「わかりました。ご丁寧な説明ありがとうございました。」


お礼を言うと...


「え、あ、いえ、こちらこそありがとうございました!」


なんか目をうるうるさせながらお礼を言われた。

とりあえずロリ巨乳ゆるふわメガネ族は可愛すぎて危険だった。


冒険者ギルドを後に、軽く冒険者ブックを流し読む。


「まぁ、暴力沙汰は基本だめだよな。」


街並みや、冒険者ギルドの雰囲気を見る限り治安は大分よさそうだ。


「お!おすすめの宿が値段別で紹介されてる!」


とりあえず、今の所持金で泊まっても余裕がありそうな宿を選んで部屋をとりにいった。



部屋をとったはいいが、時間がまだお昼頃だったので武器屋にいって武器を買い、塔の1階層にきていた。


「よし!狩るか!」


念願のレベル上げである。


1階層はグリーンリザードや、ハバドリ、オークといった雑魚モンスターばかりだ。

俺は、新しく買った片手剣を手にどんどん狩っていった。


しばらくすると、他の駆け出し冒険者と思われる人たちも何人かみるようになった。

みんなお昼休憩が終わって狩にきているのだろうか。


駆け出しと思われる冒険者たちは、スキルを撃つのが楽しいという感じでみているとこちらも元気になるような光景だった。


その中で、一人スキルを上手く使いこなせない子がいた。


「エアカッター!」


見事に外していた。


エアカッターは中距離技とはいえ、発動までが早く当てやすい部類のスキルだ。


「エアカッター」


わざとタイミング外してるんじゃないかと思うぐらいの外し方だ。


雑魚モンスターとはいえ、回避行動はとる。

とはいっても頻繁に回避するわけではないので攻撃が外れるのはそうそう無いことなのだが...


攻撃のタイミングが数少ない回避に合わせて撃たれているような印象を受ける。


「まさか!」


これは、わざと自分のプレイヤースキルを磨くための練習方法なのかもしれない。

確かにモンスターの動きを予想して先にスキルを撃つことは、トッププレイヤーなら誰しもが体に染みついている一つのプレイヤースキルだ。


この超序盤からそれを意識しているとは、この子は将来凄いプレイヤーになるかもしれない。


「オイッ!愚図!お前さっきから一匹も倒してねーじゃねえか!パーティ組んでレベルあげてんのにそれじゃただのお荷物じゃねぇか!」


どうやら高度な練習ではなかったらしい。

うん、普通なら先読みして当てるもんね!外す練習なんてみたことなかったから動揺した!


「ご、ごめんなさい。」


さっきからスキルを外している魔法使い風の女の子が謝っていた。


「もういい!帰るぞ!」


男の子は明らかに怒りながらその場を後にした。

あの男の子の言い分もわかる。

経験値はパーティで均等に分配されるからだ。

狩りのスピードで個人差が出てしまうのは仕方ないのだが、経験値を1も稼がないのはただの寄生になってしまう。

そういったいざこざになるぐらいならソロでやった方がいいとゲーム時代はソロプレイヤーも結構いた。


その後、狩りをするグループもいなくなったがつい日が沈むまで狩りをしつづけてしまった。


夜ごはんを食べるために、適当なお店に入った。(冒険者ブック参照)


すると。


「お前、もう2年生なのにソロでまともに1層踏破できないとかどうすんだよ。」

「こ、攻撃力は問題ないはずなんですけど...」

「そんなことはわかってるだろ!問題はその攻撃が当たらないことだろうが!」

「はう...」


リアルで「はう」とかいう生物を初めて見た。

というより、先ほどの攻撃が当たらない少女のグループがいた。


「リザ先輩にもアドバイス貰っておいて...」


「ちょっと!カイト言い過ぎ!」


あの少年はカイトというらしい。



「リア..そうだな悪かった!アヤも頑張ってるもんな...」


少年は悪い奴ではなさそうだ。


「ううん!現実問題このままだと3階層突破の邪魔になっちゃうよ。」


アヤと呼ばれたノーコン少女が卑屈になっていた。


そのまましんみりとした雰囲気だったが、いつの間にかいなくなっており、俺も食事が終わったので宿に戻った。


今日は結構狩りをしたのでレベルも上がっていることを期待してステータスを確認する。


「ステータス!」


名前:アキミチ

種族:人族

年齢:16

職業:武具師

レベル:5

HP:700/700

SP:700/700


STR:1

INT:1

DEX:1


スキル:【スラッシュ】【ロングスタブ】【エアブレイド】【陰陽中】

スキルポイント:4

パッシブ:【経験値30%UP】【DEXフィルター】


レベル5まで上がり、スキルも色々増えている。

このスキルは基本剣系の武器でしか発動しないので、しばらくは剣系で戦うことになる。

全てのスキルを覚えることのできる武具師でも、最初からなんでもできるわけではないのだ。


とりあえず試さないといけないことがある。


STR:1  + -

INT:1  + -

DEX:2  + -


DEXに1ポイント振ってみると、数字の横に+-が出てきた。

どうやらスキルの振り直しはゲーム時代と同じくやり放題らしい。

序盤はSTRに振るのが定石だが、【DEXフィルター】を何故か持っている俺はDEXに振ったほうが強い。


STR:1(5)

INT:1(5)

DEX:5


(5)はたぶん外部に公表しても見えない隠しステータスみたいなものなのだろう。

ゲーム時代はこういった表示はなく、ステータスへの反映は暗黙の了解的な部分があった。


ステータスを振り終わった後は、いよいよ武具師の本業といってもいい『武具製作』だ。

しかし、パッシブスキルに『武具製作』がない。

と言っても心配はない。


今回の狩りで集めた素材と、ナイフを取り出す。

そして、頭の中でナイフと素材を混ぜ合わせるイメージをする。


『ボンッ!』


すると、ナイフと素材が消えた。

いわゆる失敗である。


しかし、パッシブスキルを確認すると。


パッシブスキル:【経験値30%UP】【DEXフィルター】【武具製作】


無事【武具製作】が手に入っていた。

習得条件が、一度武具製作をして失敗することだったのだ。


「よし!いよいよお待ちかねの【武具製作】だ!」


様々な素材を並べスキル名を唱える。


「武具製作!」


すると、目の前に武具製作画面が現れた。


その画面の中の『武器製作』→『刀』

というジャンルを選ぶ。


≪製作可能≫

緑風の刀

作れるのは一つだけだった。


緑風の刀は、攻撃速度と攻撃力のバランスがとれた扱いやすい武器である。

序盤では使い勝手がよく、非常に優秀だ。

まぁ、よく言えば『使いやすい』悪く言えば『特徴がない』とも言う。


ステータスの更新や、武器の新調が終わったので今日はもう寝ることにした。



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