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第十四話

「よし、じゃあ次の命令だ!」


「ま、まだ要求するというの!」


しおらしく慄いている。


「何で俺に師匠になってほしいのか理由を話してくれ。もちろん強くなりたいからとかそんなことを聞きたいわけじゃないからな?」


そういうとオリビアはしばらく悩んだ末ポツリと話はじめた。


「もちろん結果としては強くなりたいから。じゃあなんでという内容は...」


少し言いよどむがすぐに話を続ける。


「私と同じ公爵家バートン家の次男ケシエから求婚を申し込まれたの。最初は断ったわ、私には弟がいるから跡継ぎは弟で私が他家へ嫁ぐのは問題がないんだけど私はケシエが嫌いなの!あんな奴と結婚なんて嫌!」


「ん?強くなってどう断るんだ?」


「急かさないで。この結婚が成立すればアスタルテ家はバートン家からお金の援助を受けられるようになるのよ。アスタルテ家が治めている地はここアイテールほど発展していないわ。だけど、定期的に魔物退治とかしないといけないから金銭的な援助はとても欲しい状態なの。」


「そこで政略結婚というわけか。」


「ええ、お父様も、お母様も無理にとは言わないけど内心は分からないわ。」


「そうか、それで自分でお金を稼せごうと冒険者に?」


「いいえ、私程度では公爵家を助けるような大きなギルドは作れないわ。」


「すでにあるギルドは?」


「公爵家に仕えるってことは自由に利くお金が少なくなるわ、そんな慈善事業をしてくれるところはないわ。」


「なるほど、じゃあなんで冒険者に?」


「私もわかってるの。ケシエと結婚することが現状を助ける唯一の方法ってことは。でも、頭で理解できても心が理解してくれないわ。」


嫌いなやつのところに金目的で嫁にいっても幸せになれるか怪しいな。

ケシエがいいやつならなれるかも知れないが。


「そこで私が結婚する条件を出したのよ。」


「どんな?」


「まず、アスタルテ家に毎年5億ゴールドの援助を出すこと。これは公爵家なら可能よ。私たちでも出せなくはない金額なの。そしてもう一つが私よりも塔の到達階層が高いことよ。」


「一つ目はわかるが二つ目は?単純に私よりも強いことって言ったらケシエには無理だもの。無理な条件を付けるのはフェアじゃないでしょ?」


「で?」


「今ケシエは27階層、私は3階層で止まっているわ。」


「つまり結婚だな。」


「そうよ!でもやり方が卑怯だわ!ケシエが冒険者を雇って階層上げするのはいいわ。経済力もまた力の一つだからよ。でもあいつは、ここの領主ということを利用して私に『戦闘職』とパーティが組めないように根回しをしてたのよ!」


ケシエ...卑怯だが確実に仕留めるその手腕嫌いではない。

だが、目の前の可愛い女の子を見捨てるほど俺の下心は薄情ではない。

今日の夜新作投稿予定です!

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