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第一話

俺は気づいたらゲームの中に転生していた。


何故?


それはもちろん俺のプレイしているゲームバリオスオンラインだからだ。

そして、本能というのだろうか、感覚というのだろうか、これは‘現実‘

であると感じているからだ。


夢なら、夢だと気づくか、夢なのかどうか疑問すらもたないと俺は思っている。


と、まぁ、冷静に分析しているように見えるだろうが意外とそうでもない。

何故なら…


『ドバンッ!』


「うおっ!」


絶賛逃亡中なのだ!


まぁ今の状況を説明するならば。


ゲームに転生→ボス戦


といった状況だ。

まぁ、俺がゲームと全く同じ力を持っているのならこんなやつソロ討伐できるくらいの

腕は持っている。


実際、転生する前今俺を攻撃しているモンスターをソロ討伐してきたところだ。


しかし、今は絶対に勝てない。


言い訳させてもらえるなら、俺の今の攻撃では奴に1ダメージも入らないからだ。

さらに言うなら周りに定期的に湧く雑魚モンスターですら倒せない。


ゲームのままなら、俺はトッププレイヤーといわれる枠組みで、そこそこ有名だったと

思う。


と、そんなこと言いつつ俺は奴の突進を受けて死んだ。


ちなみに俺に引導を渡してくれたモンスターは、古城階層のボス、『デュラハン』だ。


この世界には神の塔といわれるダンジョンがあり、その塔ではいろいろな物がてに入る。

その一つのエリアにボスとして登場するのがデュラハンだ。

このデュラハンをパーティで討伐できて一人前といわれる。


それまではチュートリアルと言わんばかりであるが、このデュラハン弱くはないのである。

何故、デュラハン討伐で一人前といわれるか。

このモンスターを討伐できるステータスがPVPを始める最低ラインと言われているからだ。


そう、このゲームは壮大な冒険も楽しいが、対人戦もかなり熱いのである。


そんなことを思っていると。


『バスンッ!』


俺の上に赤髪の女の子が降ってきた。


「痛い!」


「ちょっと!あなたがどかないから受け身取れなかったじゃない!」


赤髪の女の子は俺にまたがりながらそう主張してきた。

彼女の胸部部分の主張もなかなかだが、男として乗られるといろいろまずいというか、幸せ

というか、とりあえず理性を保つのに全神経を研ぎ澄まさなければならない状況だった。


「もう、塔は初めて?」


「え、ええ。」


勿論初めてではないが、転生してからは‘初めて‘である。


「ここは、復活ポイントで他の人が来ちゃうから早くどいとくのよ。」


赤髪の女の子はそういってさっさと出ていってしまった。

服装がしっかりしていたのでそれなりの冒険者なのだろう。

ゲーム時代はスカートは大丈夫だったが、今はどうなのだろう?さすがに中になにか履いているとは思うが。


外にでて、ステータス画面を呼び出してみる。


「ステータス!」


すると、ゲーム時代に似た半透明のステータス画面が現れる。



名前:アキミチ

種族:人族

年齢:16

職業:武具師

レベル:1

HP:500/500

SP:500/500


STR:1

INT:1

DEX:1


スキル:【スラッシュ】

パッシブ:【経験値30%UP】【DEXフィルター】

所持金:100000G



以上のようなステータスだが、変わったところ言えば。

『年齢』の追加と『種族』の追加だろう。


元々年齢と種族の表示はなく、さらに年齢に関していえば大分若くなっている。


ステータスの説明をすると。

STR:筋力面

INT:魔法スキルへ与える力

DEX:全てのステータスへ影響を与える


とまぁこんな感じなのだが、

STRの筋力面は単純に攻撃力や素早さ等、『身体能力』へ影響する。現実の筋力とさほど変わらない。

INTは、魔法スキルの効果を強めてくれる。‘魔力‘ではないので、多ければいっぱい魔法を使えるわけではない。

DEXは、全てのステータスへ影響を与える。

と、いっても直接‘力‘が上がったり‘魔法‘が強くなったりという作用ではない。

全てのステータスに‘クリティカル‘に関して影響を与えるのだ。

『物理攻撃』や『魔法攻撃』等、クリティカル確率があがり、クリティカルダメージ、さらに素早さ、力等様々なステータスをクリティカルな数字にしてくれるのだ。


こう聞くと、DEXが最強に聞こえるが、まさにその通りである。

しかし、DEXはとても扱いずらいため、キャラが育たないと使えないステータスである。

どう扱いづらいかというと、素早さ、力等はクリティカル率100%でないと反映されないのだ。

100%ではなくとも影響を与えるのは、攻撃力と自身が受けるダメージである。


攻撃力は単純にダメージが上がるが、自身が受けるダメージとは、クリティカルダメージを受ける確率と、クリティカルダメージの軽減率に影響を与えるのだ。


なので、基本はSTRかINTに極振りして、余ったステータスをDEXに振るのが一般的である。

さらにDEXの反映率は50%のため、このゲームのカンスト数値100まで振ってもクリティカル率50%が最高値であり、100%にはもっていけないのだ。


しかし、何故100%でないと反映されないステータスがあるのをわかっているのかというと、100%に持っていくやり方があるのだ。


その方法とは、精霊の王を倒し、【DEXフィルター】を手に入れる必要がある。

そうすればDEXの反映値が100%になり、カンストすれば晴れてDEX極振りができるのだ。

対人戦をする上で『DEX極振り』は最低限の基準値なので、敷居は結構高いといえる。


【DEXフィルター】なしでDEXにふると。

STR:1

INT:1

DEX:50


となり、クリティカルダメージは「STR1」×「DEX50」=50となる。

しかし、【DEXフィルター】を通すと

STR:100

INT:100

DEX:100

となり、「STR100」×「DEX100」=10000となる。

STR極振りが単純に100ダメージなので、100%10000ダメージを出せるのは別次元なのである。

その他諸々差があるがつまり【DEXフィルター】を手に入れる前と後ではもはや別ゲームなのだ。

これは、運営側が課金者と無課金者を住み分けさせる方法として囁かれていたが、実際設定で【DEXフィルター】を持っている人と持っていない人で、分けることができた。


もちろん【DEXフィルター】を持っている人は、色々な武器やスキルを使え幅が広いが、持っていない人はSTR極振りかINT極振りになるため、幅は狭いが一人一人の色が濃く出た。


トッププレイヤーともなると、【DEXフィルター】持ちのアカウントと、持ってないアカウントを作り両方楽しむ人たちも結構いた。

【DEXフィルター】を持っていないと成長の限界は塔の踏破階数の限界を示し、アップデートでレベルが解放されても【DEXフィルター】がないとたかがしれている程度だった。


とはいえ、【DEXフィルター】を持っていない者同士での対人戦も白熱していたのでそれはそれでなりたっていた。


ここまでの説明で【DEXフィルター】がいかに大事かわかっていただけただろうか。

ゲーム時代では、ないならなくても楽しめたが、‘現実‘となった今是非ともほしいスキルである。

つまり、俺は最初から【DEXフィルター】を持っているのでDEX極振りをするためにレベル上げに集中できるということだ。


精霊王のクエストはなかなか骨がおれるので正直助かる。


とりあえず、ゲームを始めた時と同じように冒険者ギルドへ向かった。




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