加賀見蓮之介
短めです。
ストンっと綺麗に学校の屋上に着地した。たった1分で着いてみせたのであった。
「魔王様着いたよっっ!...ってあれ?」
そこには死にそうな顔をした陸也がいた。今にも吐きそうであった。
「ああ、ごめんごめんグラウンドに着地した方が良かった?」
「違う違う、そんなことしたら明日から学校行けないよ」
少女に抱えられた高校生が上から落ちてきたらどうだろうか当然みんな逆じゃね?と思うだろう。正直それを考えると当然恥ずかしくもなる。
ぞくっと急に背中に悪寒が走った。振り向くが何もない。気のせいだろうか。
時間がないことに気づき屋上から降りる階段に向かう。そこで踵を返した
「すまんありがとうな」
「いえいえ学業頑張ってね!」
そのまま教室へ向かっていった。
突然だが普通昼休みはどこで昼食をとるか。自分の教室?ベランダ?外?違うな、答えは視聴覚室だ。そこには理由があった。
「おい、お前なんかあったのか?」
どきっとしてなるべく不自然ではないように答える。
「い、いやなんもないけど」
「なんかあったなら5秒で話せ、でなければ木の下に埋めるぞ」
「本当になんもないぞ、なんでそう思うんだ?」
「いつものあほ面が引き締まってたからな」
この毒舌の男は加賀見蓮之介、通称レンである。まあお互い色々あって昼休みには視聴覚室に来て弁当を食べることが日常的になっていた。
「それなことよりレンこそ、最近傷が増えてないか?」
「ふん、貴様には心配されたくないな」
いつも通り話をして時間が過ぎていった。当然魔王になったことは話さないつもりである。というか話しても信じてもらえないのが当然であるからだ。
気づくと昼休み終了5分前までになっていた。教室へ帰ろうと弁当を片付けていると突然視聴覚室のドアが開いた。反射的にみると先生らしき人がいた。しかし人ではもうなかった。顔が真っ黒な球体で不気味だった。
体をこちらに向けるや否突進してきた。急なことに陸也は反応できず体が動かない。
パリンッッッッという音と同時に
「魔王様危ない!」
気づいたらナナコに助けられていた。窓から監視してくれてたのだろう。
反射的に突進してきた方をみると謎の生物となぜか白装束のレンがいた。