ニート脱却は突然に
はじめまして、宇曽 タクローと言います。 このサイトは友人のすすめではじめました。 初投稿でおかしなところも沢山あるでしょうが、ぜひ読んでください。
「おっ、こいつでいいか。」男は手に持っていた大量の書類を事務机を置き、殺風景な部屋をあとにした。 某編集社内 編集者「悪いけど今回はボツと言うことで・・」 「はい・・」 「また駄目かぁ 上手くいかねぇーなー。」 公園のベンチで一人途方にくれていると、頭上から何かが近づいていることにふと、気がついた。しかし、それがなんだったのか確かめる前に「それ」はオレの脳天を直撃し、オレはすぐさま気を失った。それからどれくらい経っただろう。目を覚ましたオレは状況が理解できなかった。 オレは殺風景な部屋の中のパイプ椅子に座っていた。 「おはよう。そして、おめでとう」 声の方には部屋の雰囲気に全く合わないアロハシャツにスキンヘッドの大柄の男が同じくパイプ椅子に座っていた。 「私はオノミチというものだ。君は 黒澤君 で、あっているかな?」 オノミチと名乗る男は確かにオレの名前を言った。 「はい。 ここはどこですか?」 「まず、君は先ほど死んだ。そして、ここは『死後再就職センター』だ。聞いたことぐらいあるだろ。」 「ないです」 「マジで」 「マジです」 オレの脳内はパニックだった。なんだよ、『死後再就職センター』って!まずオレ就職してないし! てか、オレ死んだの?どうなってんだ! 「詳しく説明するから、まずはこれに名前と血液型と生年月日書いてくれるかな。」 「えっ、はい。」 「名前 黒澤ミノル B型 1997年2月18日産まれ。うん、間違いないね。それではこれから、面接を行います。」 本当に訳がわからなくなってきた。 「まず死後再就職センターの説明から、ここでは死んだ人間の次に行くべきところを決定したり死者と企業が面接をしたりするのにつかう施設です。そして私は『空想異世界警備会社』CEOのオノミチです。」 CEOつまりは社長である。社長さんが何でオレなんかの面接を? 「空想異世界というのは人間の『空想』が作り出した異世界で、漫画やおとぎ話なんかのキャラクターが暮らしています。そしてここは、その異世界と人間界の中間点でだいたい日本列島くらいの町があり、重力もある、ほとんど地球と変わらない場所です。」 「なるほど」なんとなくだがわかってきた...気がする! 「私達はそこの警備や争い事の解決から、お悩み相談、雑用まで様々な仕事を請け負っています。しかし、わが社もこのところ業績が悪化、正直言って赤字なんです。そこで若い優秀な人材を雇い、この現状を打破しようと考えたのです。」 話はわかったが、生前ニートだったオレがそんな優秀な人材だとは自分ですら微塵も思わない。やはりここはきっぱり断っておこう。 「成功報酬は高いときは100万にもなります。引き受けてくれませんか?」 「よろこんで!」 やっちまった! オレが今まで成功した前例なんてあるのか! いいや!ない!一度だってないね!金に目が眩んで言ってしまった! そんな脳内カーニバル状態のオレをよそに社長さんは何かを作り出した。それは免許証ぐらいのサイズのプレートで、見たことのない字体で文字が書かれていた。 「これはわが社の社員証明書です。特殊な加工によりこれをもっていれば異世界の言葉を読んだり、書いたりできます。さあ、これを受け取ったらあなたはわが社の社員です」 オレはさんざん迷った挙げ句、受け取ることにした。 100万より「この機会を逃したら二度と就職出来ないかも」というところが大きかった。...いや、やっぱり100万だな。 明日からオレはニートじゃなくなる。 そんな謎の高揚感に胸踊らせ、オレは会社の寮で部屋を借り、その日は眠りについた。 これが地獄のような社畜生活のはじまりだともしらずに。
これからも週に1.2回は投稿していこうと思います。次回は、上司や同期が登場します。 そして、黒澤に特殊な能力が‼