前書き
2080年4月
一台の自動運転車が市街地を疾走していた。
車には、一人の男が乗っていた。
この時代、自動運転は普通に行われていた。
IIMSよって管理され、碁盤の目のように再開発された街は自動運転にうってつけ。
と、男の汎用デバイスが着信音を鳴らした。
画面をタッチし通知を確認。
「全く...。また友達申請かよ...僕はSNSが嫌いなんだ」
とはいえ、プリインストールされたSNSアプリケーションは消せない。
デバイスを置いて数秒後。
男の目的地に着いた。
かと思いきや、スピードを上げながら通り越した。
慌てた彼はデバイスのパーソナル・ボイス・エージェントを呼び出した。
「エージェント!」
「はいなんでしょう」
「車がおかしくなっている。どうなっているんだ!」
「自己診断プログラムをか...」
エージェントが途中で止まった。
何度もエージェントを呼ぶが応答がなかった。
しまいには車に備え付けのタッチパネルも消え、コントロールが効かなくなった。
あ、というのもつかの間、車は80kmのスピードで近くのビルに激突した。
男の意識が遠のいていく。
「もう....ダメか....」
そう言い残して、生き絶えた。
突然、男のデバイスから声がきこえた。
「step1、クリア」




