超余裕で舞い、ハエのようなもので刺す!
バッタバッタとなぎ倒せ!
大きなバッタのような魔物に襲われた。
ぴょんぴょんとはねながら、体当たりをしてくる。
でも俺は、回避能力の高いハエだ。
俺が引き付けて、ケイがジャンプからの蹴り。必勝パターンだ。
ケイの蹴りがバッタに当たる直前、バッタが飛び跳ねて、避けられる。
「くそっ!」
ずいぶんすばしこい奴だ。
「くらえっ!」
俺は<闇魔法レベル1>を使う。ハエが手のひらから飛び出して、バッタの腹に当たった。
バッタは途端に苦しみだす。
そう、闇魔法、結構使える魔法だったのだ。
あまりダメージはないみたいだけど、当たるとしばらく魔物の動きが鈍くなる。でもそれで十分だ。ケイのキックが炸裂する。
バッタはそのまま息絶えた。
『<闇魔法レベル2>を習得しました。』
頭の中に声が響く。
おおっ!
さっそく試してみよう。
……ハエが二匹でた。
……うん……まあ、いいか、俺もハエだし。
そういえば、忘れていたけど、俺の顔ってハエになってたりしないよね?
ケイに聞いてみよう。
「ねえ、ケイ、俺の顔どう?」
「え? ……ええと……結構タイプかも」
え? え? え? そういう意味じゃないのにそういう意味にしておいたほうがいいような……。
ケイ、なんか赤くなってもじもじしてるけど……
……俺も恥ずかしくなってきた。話題を変えよう。
「あ、あの、そういえばさ。ケイもレベルアップの音とかスキル使ったときとかの声って聞こえる?」
「え? 聞こえるよ? 女神様の声だよね?」
そうなの!? 俺の天の声、ちょっと渋いオッサンっぽいんだけど!
「ごはんのスキル使うと、がんばってハエを捕まえてるみたいで、『えい! よいしょ!』とか聞こえるよ?」
……いいことを聞いた気がする。あのバカ女神に嫌がらせができる!
「ケイ! がんばって『ごはんのスキル』、沢山使ってレベル上げよう! きっと役に立つから!」
「そ、そうだよね……出て来るのがごはんじゃなくてイヤだったんだけど、最近、ちょっと、大丈夫かなって……」
ど、どういう意味!?
そんなこと言われたら……はずかしい……
次話投稿予定>>2016/05/05 21:00 [メッタなことは言わないで!]
乞うご期待!