やっと食べられる!……え?まって? タベラレル?
そらこんだけ転移転生させつづければ、女神様もたまには手を抜きますよねー。
「白い部屋に飛ばされて、違う世界に行くしかないって言われて、気が付いたらここにいて……」
俺はケイの説明に、うんうん、とうなずく。
「それで、カエルになっちゃって……」
は? カエル? 何が?
……ああ、カエルみたいな格好で寝てたんだっけ。丁度緑のパーカーだし、たしかにカエルみたいだったよね。
「……おへそとかもなくなっちゃうし……」
いやいやいやいや、何を言っているのかな?
「えっと、どういうこと……か……説明してくれる?」
あ、まずい、また泣きそうだ。いや、泣いてくれたほうがいいかも……大きいし……やわらかいし……いや、だめだろ。
「白い部屋に飛ばされたときに……ペットのヘケト、あ、アマガエルなんですけど、ヘケトが一緒で…気付いたら混ざっちゃってたんですぅ……ヘケト……死んじゃったのかな……」
あの女神、本気でバカだろ。
とりあえずまた泣きそうなので慰めておく。
「ヘケトは、君の心の中……身体の中で生きてるよ……」
ちょっと中途半端になったけど、まあしょうがない。俺のハエ五郎も俺の中で生きてるだろうし。ハエ五郎なんて名前かどうかも知らないし、生きてるかどうかなんて知ったこっちゃないけど。
「で、おへそがなくなっちゃったの?」
「……見せませんよ!」
あ、いや、女の子のお腹とかそんな、見せてとかいえないし。
ケイはぷいっと向こうを向いてしまう。
「ええと、とりあえず、何か食べるものとか飲み水とか探さないと。」
「……あ、はい、そうですよね。」
ケイがペロっと舌を出す。なぜだか俺は背筋がゾクっとなる。
なんだなんだなんだ! 怖い怖い怖い! なんでなんでなんで! なんで……
……あ、もしかして。
ケイってカエルと混ざってて……ごはんが……ハエで……カエルのごはん……
……あれ……オレ、ハエだったような。
ちなみにアマガエルはバクっといって舌で押さえつけるかんじで捕食しますよ!
次話投稿予定>>2016/05/03 19:00 [ジャンプキックは控えめに]
乞うご期待!