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桜毛虫

毛虫のうぞうぞが苦手! 嫌い! な方は、読まない方がいいかもしれません。

最近、桜の葉っぱが広がって


すっかり若葉が伸びて


花のことなど忘れたかのように


目に優しい緑がたくさん


木から生えて繁っている



そこに



何かうごめくものがあるから


目をこらしてよく見てみたら


うぞうぞの、桜毛虫!


生まれたばかりの黒っぽいのが


数え切れないほど


そう、うぞうぞと動いていた



うわあ!



恐れの気持ちが沸きおこった


急いで桜の木の下を通り抜けた



家に帰って



あの恐怖はどこから来るのだろうと


不思議になって


ネットで桜毛虫のことを


調べてみた



そうしたら



桜毛虫、ゆでて食べたらおいしいよとか


そんな情報が出てきた



桜毛虫、一匹だけ、もそもそ、歩いて行くなら


私も嫌いじゃなくて


触っても毒がないことは知っていた


成長した桜毛虫の背中の模様は


一匹一匹、違ってくる


そんな個性を持っているので


一匹なら


怖いと感じることはなかった



じゃあ、なにがあのうぞうぞに


恐怖というか


言葉で表しきれない



うわあ! になるのか



考えてみた



たぶん毛虫は


毒を持つやつもいるから


その危険性へ防御反応とか


背中に落ちてきたらどうしようとか


想像してのおぞましさに



うわあ! となるのかもしれない


人間は想像する生き物だから


毛虫、と見たときに


脊髄反射で


怖い! と想像してしまうんだろう


たとえ、桜毛虫がいくら無害でも




ネットで調べて出てきた


桜毛虫、おいしいよ情報では


ゆでて食べると


桜の風味がして


上品なお味なのだという



数々の鳥たちも


桜毛虫が


おいしいという意味で


大好きらしい



もしかすると


鳥たちが、あのうぞうぞを見たときには


わーい! ごはんがいっぱいある!


なんて、喜びの感情になるのかもしれない



人間は恐怖するけど


鳥たちはおいしいごはんへの喜び



なんだか、脳が大きすぎて


いろんなことを考えすぎてしまう人間の


脆さを


感じてしまった



数日経って


あのうぞうぞがいた桜の木を


もう一度見に行ったら


彼らは一匹も見当たらなかった


鳥たちが食べ尽くしたのだろう



ほとんどが食べられるために生まれてくる


毒の無い桜毛虫


その存在に、ふと


あの桜の花のような


心根の優しさを感じた気がした


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