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創作と桜の秘密
薄いピンク色の
小さなひとつひとつの桜が
幹に枝に鈴なりになって
とにかくたくさん咲く
美しいものを
ただ美しいと
書かずに
美しさを表現することの
何と難しいことか
思えば
絵画を
音楽を
写真を
動画を
もろもろの移ろう景色を
美しいと思う心は
どこから来るというのだろう
ひとひらの花びらでさえ
完成されたその姿
自然はいともたやすく
あるがままにあるだけで
ひとの心に美を呼び起こす
私は知っている
あの桜の花ひとつでさえ
来年の花とは違う
一期一会であることを
きっとそれが
脆く儚い美の秘密




