39/160
切られた草花
ありふれた日々の中の惨劇
遊歩道沿いの草むらが
チェーンソーで刈り取られた
このあいだ花を咲かせたばっかりの
あの草もこの草も
ばっさりと切られて
あとに残るのは濃いフィトンチッドの臭い
初夏に向けて一所懸命に咲いていた
あの花もこの花も
今は遊歩道に打ち捨てられているばかり
あんなに美しかったものをと
心の中でめそめそと泣く私
そうしたら優しい風がそっと吹いた
風の先を見れば
生き残ったクローバーや背の低い草たちが
ひっそりと息をしていた
花は無くなってしまったけれど
まだ根っこと葉っぱが元気で
来年になれば
また花を咲かせることができるよ
だから泣かないで
そんな言葉を聞いた気がする
植物たちの生命力を信じ
また美しい野草の花々が見られるようにと
そっと祈りを捧げた




